ひとり紫苑・プチプラ快適な日々を工夫

書籍「年金五万円が教えてくれたお金の向き合い方」「あるもので工夫する楽しい節約生活」は9万部。工夫の毎日は続く。

本日の2640円ー「天路の旅人」と生活スキルとソロの自由

2023-02-16 12:06:25 | きものの本&本
本日はいいお天気だけど、
朝が寒かったですね。
昨日は、もう北風がすごかった。

さて、
お正月に、
子どもの言葉
「すごくいい感じ、
佇まいの美しいおじいさん」との感想に
刺激を受け、
大枚2640円を使い買いました、
沢木75歳。

「天路の旅人」(新潮社・2022年
571ページ、
戦前、満州にわたり、
モンゴルのラビ層に扮して、
密偵となり、チベット、ネパール、インドと
中国大陸の奥深くまで潜入、
8年近くの過酷な旅を続けた西川一三の旅を、沢木が再現していく~~。
寒い、ひもじい、危ない~~、
凍死寸前の旅~~、それを喜々として
続けていく西川。
物乞いをして、野宿をして~~、
自分がとてもできない行為をする人を
見るたびに、
「~~自分はまだまだだな」と反省~~。

そんな彼の旅を、
沢木に導かれながら、
ぬくぬくとした部屋の中でたどる~~。
しんどいです。
これ沢木が書いたんじゃなきゃ、
読めません~~。

本には、西川の写真どころか
一枚の風景写真もない。

で、こちら、



こちらが西川のモンゴル時代の写真。

沢木耕太郎は
「ソロ(一人)で生きていくのは自由」
と言い、そのためには、
「調理をして、裁縫をして、なんでも自分でやる」
これは西川の生き方に通じる。

生活スキルを持つと
自由に通じ、
怖いモノはなくなる



戦後、日本に帰り、化粧品の卸業者として
淡々と生きる。

「もっとも低い場所で生きれば、
失うことを恐れたり、階段や坂を
転げ落ちることもない」とは
書籍のなかの西川の言葉。

そんな生き方に憧れる沢木。
なんでも自分でできるのは
「制約を外していくこと」
そのために彼も熾烈な戦いをしてきたと。

延々と読んできて、ラスト
西川は死の前に娘に、ひとこと、
「「~~こんな男が生きていたことを、
覚えておいてくれよなあ」
享年89歳。
モンゴルからの帰国は30歳。

こちらは、高校生の沢木と父親。
父親も、
戦争から帰ってきたものの、
戦後の日本をうまく泳ぎきれなかった。
そんな一冊がこちら。

「無名」(新潮文庫)

戦後を、終わったとして次に進む人がいる
一方、そんな明るさになじめず、
「終わらせることができないまま抱えている
人がいる」
いつの時代にも、
その時代に適応できない人はいる。

沢木は、西川に、自分の父親を
重ねているのかもしれません。

西川は生涯を、
「中国での厳しい8年を懐かしく反芻しながら
残りの60年近い年月を過ごしたのでしょう。
あそこに戻りたい、
死と隣り合わせのなか、
確かに「生」があった、と~~。

そんな日の夕食、
豚肉とジャガイモと人参を和えて。
肉や野菜は茹でてあるので、
その日の気分でソースを変えるだけ。
こんな本読んだあとは、
贅沢過ぎてアップするのが気がひける~~?

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