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「敏感年」の中国で強まる反日宣伝

2009-03-31 16:53:50 | Weblog

1959年のチベットの反中国蜂起50年、天安門事件20年など中共にとって「敏感」な記念日の続く2009年、中国では、「反低俗」キャンペーンなどで言論統制を強めているが、一方で新聞や政府系インターネットサイトを使っての反日キャンペーンも目立ってきている。

以下二つ紹介、

一つ目は武漢大学の桜の名所で和服を着て記念写真を撮ろうとしていた中国人の母娘を集団で罵倒したという記事。「どちらも常識がない」という論調。
3月22日の『長江商報』ネットニュース
http://xian.qq.com/a/20090322/000033.htm

もう一つは、2月末ごろにBBSに投稿された80年代生まれの娘が、自分のパンツの尻に日本を侮辱する言葉を書き連ねた写真を投稿したのを『成都商報』などのマスコミが多数取り上げて、盛り上げているもの。
http://news.online.sh.cn/news/gb/content/2009-03/01/content_2844558.htm

確か昨年、日本で活躍する中国人女優が中国国旗の上に座っている写真があったといって、売国奴呼ばわりで大騒ぎした中国の愛国者らしい行動である。中共の拡声器である中国メディアも、相も変わらず、他人を侮辱すれば英雄という非常に簡単な価値観を煽っている。

いずれにせよ、これから六四に向けて政府批判を抑えるために、言論統制と車の両輪で、さらにひどい種族主義的な反日、排外キャンペーンが展開される可能性が大きい。

なぜ、言論統制と反日キャンペーンが往々にして車の両輪状態で、同時に出現するのか?

それはたぶん、中共中央宣伝部の計画的な手配というより、昔と違って自分たちで稼がなくてはならない新聞社、そして昔なかったインターネットポータルサイト運営会社は、言論統制で販売促進のためのスキャンダルを打ち出しにくくなると、政府が統制をかけない定番スキャンダルネタを取り上げて利益維持を図ろうとするからだろう。つまり、反日スキャンダルはもっとも統制の緩い話題なのだ。だから、いま真っ盛りの「反低俗」キャンペーンで本来なら引っかかるべきエロやグロも反日の衣をまとえば堂々と報道できる、という仕組みになっているのだと思う。

このような共産党の言論統制における姿勢は、民衆には反日を掲げれば何をやっても許されるというメッセージになる。