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『だから日本はズレている』(古市憲寿著、新潮新書、 2014年4月17日刊)

2014年11月27日 | 読書ノート(引用中心)
ゼロ年代からの「ネット言説」には注意せよということですね。
過去の歴史って重要です。
(以下、黒字部分引用)

そもそも不買運動なんて、ソーシャルメディアが発達する前から普通に起こっていた。(中略)どうだろうか。アマゾンレビューを荒らす花王の不買運動なんてかわいいものに思えてこないだろうか。事実、花王の株価や業績を見る限り、「不買運動」の効果を確認することはできない。
これは昔の人のほうが熱くて、今の人のほうが冷めているとか、そんな簡単な問題ではない。ソーシャルメディア時代の企業パッシングは、実は原理的に、インターネットさえなかった時代よりも手緩くならざるを得ないのだ。
ソーシャルメディアにおける「共感」というのは、冷めやすいものだ。一瞬、マスコミの不正に怒り狂ってニコニコ動画やブログを使って何かを書き散らしても、その気持ちは長くは続かない。
さらに、人々に「何かした」感を気軽に与えてしまう。ツイッターで何かそれっぽいことを書いて、大勢の人にリツイートされれば「これで花王をこらしめてやったぜ」とでも思ってしまう。
つまり、ソーシャルメディアがガス抜き装置になって、1970年代のような大規模な不買運動の可能性が抑制されているのだ。(106~108ページより)


たとえば「初のネット選挙」と話題になった2013年の参議院選挙で、ホリエモンや三木谷浩史、東浩紀など多くのネット上の有名人が応援した鈴木寛は当選することができなかった。浜崎あゆみやEXILEなど大物アーティストの協力を仰ぎ、ネット上で政治活動をした伊藤洋介も落選した。
2014年の東京都知事選も、主にネットを用いた選挙活動を行い、やはりホリエモンや田村淳などがエールを送った家入一真も、結局は9万票弱しか獲得することができなかった。これが現在の「ネット」や「ソーシャルメディア」の実力である。
企業が実は真剣に考えなくはならないのは、ソーシャルメディアの影響力の低さだろう。


家電メーカーさんの、勘違いした高付加価値・差別化の表現がブラックユーモアでよろしい。

パナソニックは一時「スマート家電」というものを本気で売り出そうとしていた。(中略))洗濯機本体にスマートフォンをタッチすると、クラウドサーバーと通信、洗剤や柔軟剤の種類が設定できるという。そんなのスマホを使わず設定したいところだが、あえて最新テクノロジーを使わせるあたりが非常にスマートだ。(78-79ページより)
パナソニックだけではない。最近ではシャープがココロエンジンという人工知能を搭載し、言葉や光、ダンスでコミュニケーションがとれる掃除機を売り出している。いいから、普通に掃除して欲しい。他にも富士通がパソコンにナノイーイオン発生装置を搭載したりと、家電メーカーのご乱心は止まることがない。(81ページより)


だから日本はズレている (新潮新書 566)
古市 憲寿
新潮社

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