繆森(ミャオセン)が、岡本真夜さんのヒット曲『そのままの君でいて』
を盗作したという事件は、中国側が盗作を認め、万博のPRテーマ曲の
作曲者は岡本真夜さんということに決着し、これでもうこの関係の記事
も書く事はないかと思っていましたが、事態はさらに予想外の展開を
見せました。
4月22日、それまで沈黙を保っていた繆森(ミャオセン)側は音楽
事務所を通して声明を発表。「岡本さん側も二つの曲は異なるものだ
との認識を示した」とか「盗作論争を行わないことで一致した」などと
いうコメントを出し、身の潔白を主張しました。
さんざん中国国内のネットで「中国の恥」として誹謗中傷されていた
繆森(ミャオセン)の盗作疑惑を受けて、この曲の使用は停止されて
いたのですが、万博事務局側は岡本真夜さん側に、「楽曲の使用」を
要請。岡本真夜さん側は、所属事務所を通して「喜んでお受けする旨」
を委員会側に回答。岡本も「世界中が注目するイベントである上海万博
に協力させて頂ける機会を頂き、とても素敵なお話しで光栄です」と
コメントしました。この件がマスコミに公開されたのは4月19日。
この後、岡本真夜の人気と、1997年に発表された『そのままの君でい
て』の人気が再浮上しておりました。そして、長い沈黙を破って
4月22日、繆森(ミャオセン)側が声明を発表したのです。
その声明によれば、現在も万博当局はPRソング「2010年は
あなたを待っている」の作曲者が繆森氏であることを承諾しているし、
その事実を尊重することを希望しているんだそうです。
さらに、万博PR曲は「ゆったりと楽しい旋律」のため、岡本さんの
曲「そのままの君でいて」とは大きく異なると主張。「下心のある者
が(岡本さんの)似通ったメロディーを利用し、世間の評判を誤った
方向に導き、新たなもめ事を造り上げた」と述べております。
絶句です。ちょっとここでもう一度二つの曲を比べてみましょう。
こちらが上海万博のPR曲。
ここに登場しているスター達のことは、私の以下のブログに書いて
ありますので、そちらをご参照ください。
上海万博PRソングのビデオ映像の批評的解説(4月21日)
またついでに以下の記事もご参照ください。
上海万博のPRソング疑惑と岡本真夜(4月20日)
そしてこちらが岡本真夜さんの『そのままの君でいて』。
こちらの動画は徳間ジャパンさん直のYouTubeアップロードなんで
画像も鮮明です。ついでに徳間ジャパンさんのこの曲の宣伝はこちら。
岡本真夜 好評配信中
これをあらためて聞いてみて、どうしていまさら『大きく異なる』
と開き直ることができるのでしょう。良識ある中国知識人の皆さん、
この繆森と中国当局の非常識な発言を糾弾していきましょう。
中国の良識ある人々はこのような非道は絶対許さないと
信じています。
万博事務局側が、岡本真夜さん側に接触してききて、岡本さんの
この曲の権利を譲ってほしいと要求してきた時に、岡本さん側は、
上海万博に限ってのカバーを承諾したとのことでした。またその際、
事務局に対して、権利保全と類似楽曲ではなく、100%岡本真夜
さんのの楽曲であることを認めるように要求したのだとか。この時、
「盗作疑惑には一切触れず、大人の対応に終始」ということでした。
この時の交渉の詳細がどのようであったかはわかりませんが、この
「盗作疑惑には一切触れず」という岡本さん側の善意を逆手に取っ
て、「自分は悪くないんだ、自分の権利は認められたんだ」と勝手
に解釈をし、今回の声明に至ったものと思われます。
繆森も、万博当局側も、メンツがかかっているし、中国の威信が
かかっているので、チャンスと見れば、どんなことでも利用した
かったのでしょう。これは人道的には許しがたい行為ですが、
窮地を脱する戦略としては脱帽です。
開いた口が塞がらないというのが正直な気持ちですが、四面楚歌
で崖っぷちに立たされたものは、どんな些細なチャンスをも見逃さ
ないということですね。このようなしたたかさがないと、弱肉強食
のグローバル社会では生き残っていけないのかもしれません。
死んでも真似はしたくありませんが。
この繆森、ろくな死に方はしないと思います。
よろしければ、こちらもついでによろしくお願いします。
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