南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

上海万博は「中国人醜態展」と香港新聞が報道

2010-04-24 02:00:46 | HONG KONG

5月1日から開催される上海万博に先駆けて、4月20日からリハーサルが
行われています。20日まで計6回行われるということなのですが、実際に
20万人くらいの入場者を入れてのリハーサルです。25日の日曜日は50万
人規模を想定しているらしいのですが、初日からいろいろとトラブルが
続いています。中国側の公式報道では、「リハーサルは極めて順調に行わ
れている」ということなんですが、実際は修羅場のようなのですね。
こういう報道に対しても中国の政府側、万博当局側の報道と、外国報道は
視点が全く違うのがよくわかります。

今日、たまたま香港のオリエンタル・デイリー(東方日報)をめくってい
たら、上のような記事があってびっくりしました。びっくりしたというよ
りも、やっぱりな、という印象ではありましたが。中国語が細かい部分
まで理解できないところがあるんですが、万博のリハーサルでの中国人の
行動を見ていると、情けなくてこれはもはや「中国人の醜態展」となって
いるという内容のようです。

「醜態展」という言葉は、日本人にも翻訳しなくても理解できるのですが、
マスコミがこんな書き方をしてもよいのだろうかと思えるほどのインパクト
大です。この新聞が大げさなのか、それとも実態がそれほどまでに酷いの
か判断できませんが、なんかこの「醜態展」って、実に見事に現状を表現
しているような気がします。万博の事務局側は、名誉毀損で訴えたいかも
しれませんが。

この新聞の写真、ひどいです。ゲートを乗り越えて、我れ先に中に入ろう
としている中国人たち。修羅場です。地獄絵です。こんなにまでして万博
に行こうとは思いません。「押すな~」とか「痛い!」とか「助けてー」
とか「バカヤロー」とか悲痛な叫びが充満しているような絵柄です。
「赤信号みんなで渡れば怖くない」というギャグが昔ありましたが、
集団心理で、もはや極限状況ですね。これは恐ろしい。

しかし、この香港の新聞もよくぞここまで書いたと言いたくなります。
「おまえたち同じ中国人だろう」という気もしないでもないですが、
この新聞はかなり過激です。中国共産党に睨まれたりしないのかなあと
心配になります。

記事中には、花は踏みにじられ、禁煙は守られず、痰は吐き放題、
ゴミは捨て放題、列はまもらず、展示物は壊され、などと非難囂々の
文字の羅列。香港も中国の一部なんだから同朋のこと少しはかばって
あげてよと言いたくなるのですが、さすがの香港人記者も香港人と
中国人を一緒にしないでくれという気持ちになったんでしょうね。

こちらは新聞の中に出ていたゴミの写真。

カップ麺や、ファーストフードのゴミが、ゴミ箱に入りきらないで
山積みされています。リハーサルでこの状態だと、本番大丈夫かよ
と心配になります。

こちらは福建省館で壊された展示物の写真。

台湾の地図のところが壊されたのだとか。まあこれはマナーという
より政治的な背景があるのかもしれませんが。しかし展示物を壊して
はいけません。これ以外にも、ガラスが割れたり、柵が壊れたりなど
トラブルは無尽蔵にあるようです。でも中国の公式報道によれば
こういうことはすべてなかったということになるのが怖いです。

この記事では、見るに耐えない醜態が繰り広げられている一方で
案内係の英語能力が低く、ほとんど英語を理解できないということ
とか、場内の英語の表示がめちゃくちゃということも書いてあり
ました。

このへんは、1970年の大阪万博の時も同じような状況はあったかも
しれませんね。いくら高度経済成長まっただ中のハングリーな日本人
であっても、上海万博の中国人ほどの迫力はなかったとは思いますが。

1970年、大阪万博が開催された時、私は中学の3年でした。学校の
遠足で一度行き、父親と弟と一緒に一回行きました。あの頃の万博
のインパクトは絶大でした。グローバリゼーションと、経済の繁栄が
そこにありました。これをきっかけに私は英語を徹底的に勉強する
ことになります。そしてそれがあって、おそらく、今に繋がってい
ます。万博のあの興奮は今も忘れられません。

上海でも、そんなことを感じている若者たちは数多くいるんだろうと
思います。そういう人たちには、マナーは守ってほしいと思います。

よろしければ、こちらもついでによろしくお願いします。

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