南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

TOBLERONEに秘められたミステリー

2009-10-18 02:20:38 | Weblog
香港のスーパーマーケットで、TOBLERONEのチョコレートを
買ってきました。今や、空港の免税店だけでなく、世界中で
売られているので、スイスのチョコレートというありがたみが
なくなってしまいました。昔、中学生の頃(今から40年も前)
に、田舎のデパートの食料品売り場で買ったときは、パッケー
ジもドイツ語、フランス語、イタリア語で三か国語で並記され
ていて、スイスっぽさが溢れていたのですが、香港で今日、
ゲットしたものは、英語と中国語並記(といっても、中国語が
書かれているのは、原材料とかの書かれている一面だけですが)
で、ちょっとスイスっぽさが薄れているのでした。

世界的なブランドのクラフト社(アメリカで最大の総合食品
メーカー)の傘下に入ってしまっているのですが、パッケージ
を見ると、MADE IN SWITZERLANDの文字が印刷されていまし
た。ホームページを検索したら、TOBLERONEはすべてスイス
の工場で製造されているのだとか。ほっと一安心。もしもこれ
がMADE IN CHINAだったりしたら、ちょっと幻滅したところ
です。

さて、この名前、正式な発音は何なんでしょう。日本語のペー
ジを検索したら、「トブラローネ」と表記されていました。
フランス語では「トブルローヌ」と発音されているようです。
自分は、イタリア語やドイツ語式に「トブレローネ」と発音
していました。まあ国によっていろんな発音があってよいと
思うのですが、日本では「トブラローネ」と表記するようなの
で、それに合わせたいと思います。

このトブラローネが誕生したのは1908年。トブラー(Tobler)
という製造会社名と、ヌガー菓子を意味するイタリア語の
「トローネ」(Torone)を合体させてできた名前のようです。
パッケージはユニークな三角形の形。幾何学ではこれを三角柱
と言いますね。そこにマッターホルンのマークと、レトロな
文字でTOBLERONEの名前。極めて印象に残るブランディング
です。

この三角形の形は、たぶんアルプスのマッターホルンを意識
してチョコレートをこの形にしたんだろうなと想像できるので
すが、実はいくつかの説があるのだそうです。クラフト社の
ホームページの中にあるブランドと歴史を見ると、
TOBLERONEの三角形の由来に関して、次のような説が紹介さ
れています。

ムーランルージュ、「パリのおみやげ」説:すてきな仮説
この仮説は、トブラローネ社の創立者セオドア・トブラーの孫が家で繰り返し聞いたことがあると言っていることから、真実である可能性はある。パリが大好きだったセオドアは、ムーランジュール(パリの有名な劇場)によく舞台を見に出かけていた。
ある夜、フィナーレでベージュと赤の衣装に身を包んだダンサーが作った人間ピラミッドに、彼は心を奪われた。このパリでの思い出が、トブラローネの三角形とパッケージカラーの起源だと言われている。 "Se non è vero, è ben trovato!"(「もし本当じゃないとしても、良い話だよね!」)


私もパリのムーランルージュに行ったことがあるんですが、
そう言われてみると、この赤いロゴの文字と金色の縁取りの
雰囲気は何となくムーランルージュっぽい。でも人間ピラ
ミッドってどんなんでしょう。見てみたいですね。

さて、もう一つのもっとミステリアスな由来はこちら。

フリーメイソン、シンボル説:秘密めいた仮説
セオドア・トブラーは若い頃メイソンロッジに参加し、熱心な会員となった。この友愛・互恵組織(フリーメイソン)の会員は特定の記号や紋章によってお互いを認識するが、その記号や紋章の多くは、中世におけるギルド(同業者組合)から受け継がれたものである。三角形はその中でも最も特徴的なシンボルのひとつである。
セオドアが新しいチョコレート型を作る際(実際彼はこの作業が特に好きだった)、フリーメイソンの一員であることを示すシンボルとして、無条件に三角形を選んだ。


フリーメイソンとはこれまた謎めいた由来。こんなんが公式
のホームページに出てていいんかいなと思うんですが、そう
言われてみるとありえそうな話。フリーメイソン・ネタが好き
なMy Wife(およびその知り合い)の喜びそうなネタです。
この組織は、チョコレートを通して、世界中の人々をコント
ロールしようとしているのだろうか、と考えるとちょっと
不気味ですが、『ダビンチコード』など見てもありそうな話。

英国で実施された最近の市場調査では、調査対象者の94%が
三角形の形態を見ただけでトブラローネだと言い当てている
ということなので、洗脳計画は着々と成果をあげているとい
うことなんでありましょうか。

ところでもうひとつのミステリー。
このトブラローネのマッターホルンのシンボルマーク。これが
実はだまし絵なんだったんですね。よく見ると、何と山の中に
熊の姿が描かれていたのです!



これは全然気がつきませんでした。さて、何で熊か?
それは、この元々の製造元のトブラー社がスイスのベルンに
あり、そのベルンのシンボルが熊だったんですね。もともと
ベルンという名前も、ドイツ語で熊のことをベールというので
何か熊とは密接な関係がありそうです。

スイスは、カカオなどの原材料が穫れるわけでもなく、チョコ
レートで有名なベルギーみたいに、アフリカに植民地を持っ
ていたわけでもないし、貿易する港もないので、何でチョコ
レート?と思ったのですが、元々水車小屋を利用した製造技術
で有名だったようです。第一次世界大戦前の頃は、世界の
チョコレートの半分を生産していたのだそうです。

スイスのチョコレートブランドと言えば、スシャールやリンツ
が有名ですが、ベルギーのノイハウスも、もともとのルーツは
スイス。スイスのチョコレートの実力は大したものです。

今、チョコレートの最大の生産国は、アメリカ、ドイツ、イギ
リスといった順番。一人あたりのチョコレート消費量が多い国
のランキングは、一位ドイツ、二位イギリス、三位スイスとい
う順番。日本の消費量は世界的にはるかに少ないんですね。
少し古いデータですが統計はこちらに出ています。

ところで、チョコレートに含まれているポリフェノールは赤
ワインよりも多いと言われていますが、いろんな効能がある
ようです。日本チョコレート・ココア協会のチョコレート・ココア健康講座
というサイトによれば、次のような効能があると出ています。

1. 動脈硬化を防ぐ
カカオ・ポリフェノールは、動脈の繊維にコレステロールがたまったり、LDL-コレステロールが酸化を受けて動脈硬化が進むのを防ぐことが、ラットや人によって確かめられています。

2. がん予防に期待
がんの発生メカニズムにはまだ不明なところが多々残されていますが、まず変異原物質が細胞のDNAに突然変異を起こし、次いで促進物質がかん化した細胞を活性化することによってがんが発生すると考えられています。
しかし、試験管内に変異原物質と同時にカカオ・ポリフェノールを加えたところ、細胞DNAの突然変異が抑制されることが確かめられました。

3. ストレスに打ち勝つ
身体的にストレス状態にあるラットにカカオ・ポリフェノールを与えたところ、ストレスにうまく適応することがわかりました。また心理的ストレスにたいしても抵抗力が強まることが確かめられました。

4. アレルギーやリウマチにも効果
アトピーや花粉症などのアレルギーは現代病のひとつとして大きな問題になっていますが、マウスにカカオ・ポリフェノールを与えたところ、アレルギーの原因となる活性酸素の過剰な働きが著しくおさえられました。さらにチョコレートを人に食べてもらったところ、おなじ効果がみられました。


なんだか、チョコレートって、子供じゃなくて、我々大人
こそ食べるべき食品のように思えてきます。