南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

香港の電車内で携帯電話で話す人の声のボリューム

2009-10-01 08:10:26 | HONG KONG
日本では電車の中で携帯電話で話すのは御法度ですが、香港や
シンガポールなどでは携帯電話は自由。地下鉄内で電波が届か
ないということもないし、電車内では静かにするというきまり
もないので、人々は電車の中でも思いっきり携帯電話で話し続
けています。人目を気にする事なく話しているので、車内には
静寂というものがありません。

そんななかで、必要以上に大声で電話をしている人をたまに
見かけます。電車の中はうるさいので、大きな声で明瞭に話す
ことが電話相手へのマナーと考えているかのようです。しかし
非常識なまでに大きな声で話している人がいます。

それはまるで、20メートルくらい離れている人に向かって話し
ているくらいの距離感です。携帯電話で話している相手はおそ
らくはるか彼方にいるので、遠くに語りかけるということには
なるのでしょうが、携帯の距離感は、お互いにすぐ手元にある
携帯端末で繋がっているので、それほど遠くはないはず。通常
は1、2メートルくらいの距離にいる感じで話しているのでは
ないのでしょうか。携帯の距離と同じくらいに、耳元で話して
いるという感覚の人もいるかもしれません。

そんななかで、20メートルくらいの距離感で大声で携帯で話す
人の感覚は異常といわざるをえません。その人の声は、電話の
相手には確実に届いているのですが、たまたま車内に居合わせ
た数十人の人々にも確実に届いているのです。その人のプライ
ベートが不特定多数に向かってまき散らされていて、車内の
人々はいやおうなしにその会話に関わっていかざるをえなくな
ります。関わると言っても、ただ聞くだけで、つっこみをいれ
るとかはまずできないのですが。

ただ、話している言葉が広東語や、ときとして北京語(大陸
から来ている人)なので、内容がわからないので意味がさっぱ
りわかりません。だから私はただ音としてうるさいと感じるだ
けですが、他の人たちは、意味が強烈に伝わってきているはず
ですから、その人がどういう状況で、どういうことでやりとり
をしているのかなどがわかるはずです。そうなると音だけでな
く、言葉としての迷惑度も強烈です。知りたくもないことが
無理矢理伝わってくるのですから。

香港の人はそういう人に慣れているはずなのですが、でも決し
て歓迎されているわけではないようです。近くにいた香港人の
おばさんは露骨にいやそうな顔をしていました。こういうふう
に大声で話す人に対してはデリカシーがないと思っている人も
多いのでしょう。

でも、まあこういう大声の人がいても、普通の声で携帯で話し
ている人たちはいっぱいいるので、基本はざわざわしているの
ですが。もしも全員が大声で話すようになったら、どんな状態
になってしまうことか考えると恐ろしくなります。

そういえば、以前、空港のラウンジで、アメリカ人のビジネス
マンが携帯電話で話しているのを見たのを思い出しました。
英語の発音はきわめて明瞭だし、かなりボリュームの高い発声
法をしていたので、携帯での会話がラウンジ中に響き渡ってい
ました。

聞いていると、打ち合わせの予定とか、ビジネス上での問題点
を話し合っているようでした。聞きたくはないけれど聞いてい
ると、ところどころに日本人の名前が。ああ、この人の会社の
同僚か上司に日本人がいるのかなどということまでわかってき
ます。こういうことを無配慮に不特定多数に知らせてしまうの
はちょっとデリカシーがないよね、と思ってしまいました。

日本では「まわりのお客さまにご迷惑となりますので、携帯
電話のご使用は控えてください」と空港のリムジンバスなど
でアナウンスされていますが、迷惑とはこういうことなのかと
納得したのでした。携帯電話の迷惑もグローバルに存在して
いるんですね。