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シンプルに生きたい

2012-03-03 | 思うこと
若い頃に放浪していた時期があり、自ら選んだけれども不安定で不自由の多いそんな生活の中で、いかに楽しく生きるかを追い求めていました。
僻地に行くと生活スキルの非常に高い人が多く、他に何かの技術を持っていて、困ったときはそれぞれの得意な技術に頼り頼られて生活していました。
そんな人たちに共通していたのは、家財道具が少ないこと。
最低限の道具で生活を成り立たせるためには、道具を上手く利用する知恵や技術が必須でした。
たとえば料理をするにも、包丁・まな板・鍋があればたいがいの料理が出来てしまいます。食材の知識が豊富であればより美味しく作れるでしょう。
そのかわり道具を使いこなす技術や、臨機応変な発想や味覚や想像力など、身に付けるべきものも多い。
身軽に動き回れる自由さのため、多くの事をどん欲に吸収していた時期でしたが、今思えば若さゆえに自信を付けたかっただけなのかもしれないし、無鉄砲さが賞賛されるような時代の感覚が少しだけ残っていたのかもしれません。

今でも家財や道具をあまり持たずに生活することが憧れではあります。
ただ便利な機械が増えてきて、一度それに頼ってしまうと、せっかく身に付けたものが退化してしまいそうな気がして、なるべくなら不便な方へ進もうと努力しています。
最低限の持ち物だけで暮らしていけたら、それは精神として自由なのだと個人的には思います。
自分の家財に行動を制限されることなく生きられるような。


プラスチックの郵便受けが寿命を迎え、次は木製の物をと思って探したものの、希望する製品が見当たらず自作してみました。
初めての木工でしたが、それなりに使えるものが作れましたし、思っていた以上に楽しいものでした。
器用に何でも作っていた人が昔いたな、などと思い出しながら。
諦めなければ人は意外と色々な事が出来るものだ、などと考えながら。