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津軽三味線との御縁

2009-01-27 | 青森文化芸術
津軽三味線を習っています。

まだ二年目なので初心者です。
芸事の世界では、
「三年たってやっと初心者マークが外れる」
というのが一般的です。

周りには、まだ経験が浅いにもかかわらずとても上手な人もいますが、やはり初心者として見られます。
もともと手先の器用な人や練習熱心な人は上達も早いですから、年季の入った先輩方よりうまかったりすることもあります。
でも芸事は一日でも早く入門した人が先輩ですし、上下関係はきっちりしています。

不満というわけではなく、不思議に思っていました。
でも最近なんとなく理解できるようになって来ました。

芸の上手下手を問われるのはプロの世界です。
趣味のひとつとして芸事をする場合、大切なのはその人が楽しいのかどうかでしょう。
楽しいと思えるからさらに上を目指そうと努力をするし、続けていける。
ひとつの芸事に楽しみを見出してかかわっている「時間の長さ」にこそ大事な意味があるように思うのです。

この二年の間に同じ教室には何人かが入門しましたが、ほとんどは途中でやめしまいました。
けして指導が厳しいわけではありません。
ただ「自分には向かない」と決めるのが早すぎたのだと感じます。

津軽三味線は簡単なものではありませんが、かといって一部の才能ある人にしかできないものでもありません。
不器用な人であっても一年ほど続けていれば一曲覚えることはできると思います。
ただ、左手で字を書くような難しさは理屈で考えて解決していくものではなく、日々できるようになることを願いながら続けていく訓練に近い。
理由など考えずに続けるのは案外難しいことなのかもしれません。

そういえば芸の世界で
「馬鹿になれ」
という言葉をよく聞きます。
あれは、理屈でああでもない、こうでもないと考えてはいけない、できると信じてひたすら続けろという意味なのでしょう。
無心になって続けていく先にはきっと新しい世界が待っています。
新しい世界を見ることができるのは三年頑張った後。

たった一つの芸事もいろいろなことを教えてくれます。
この御縁は大切にしていきたいです。