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伊東良徳の超乱読読書日記

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トコトンやさしい下水道の本[第2版]

2022-11-23 20:09:21 | 実用書・ビジネス書
 下水道のしくみ、下水を運ぶ装置(下水管、汚水ます等)、下水を浄化する装置・処理方法、下水道の運営システム、下水道システムの有効活用、災害対応等について解説した本。
 原則として1項目を見開き2ページ(右側がテキスト、左側がイラスト等)で説明しています。下水道については、私は汚水(し尿、生活排水、工場排水)と雨水は一体で扱われている(合流式)と認識していたのですが、最初の方で「昭和30年代までの下水道は」合流式下水道による整備が進められてきたが、昭和45年に水質汚濁防止法などができ、汚水と雨水を別の下水管で流す「分流式下水道による整備が進められてきました」(14ページ)とあり、えっそうすると今では雨水と汚水は別が主流なのかと思い驚きました。しかし、合流式で下水道網をつくった地域で簡単に分流式にできるということはなく、例えば東京は今でも合流式ということになります。そういった点に象徴されるように、概念的な説明はあるのですが、では具体的にどこはどうなっているという説明がなく、今ひとつ実情がわかった気持ちになれません。
 新しい技術や今後の計画の話が多く説明されているのですが、下水道に関していえば、老朽化した下水管の工事だとか、トイレの排水管の詰まり(ぼる業者の跳梁)、排水ますや下水管の所有関係・利用関係をめぐる近隣の紛争などの現実に困った話だとか、近年のゲリラ豪雨等での雨水氾濫だとかの現状で対応できていないところが目につき気になるところで、それなのに将来の夢みたいな話ばかりされても読んでいてピンときませんでした。この本でも、「湖沼や三大湾(東京湾、伊勢湾、大阪湾)などの閉鎖性水域では、いっこうに水質改善が進んでいません。令和2年度の水質基準(COD:化学的酸素要求量)の達成率は。湖沼で52.8%、三大湾で63%とたいへん低い水準となっています」(126ページ)というのですし、もっと、今できていないところ、切実に問題になっているところを、どうしてそうなっているのか、現実にどう対応しているのかについて、地道に書き込んで欲しかったなと思います。


高堂彰二 日刊工業新聞社B&Tブックス 2022年9月26日発行(初版は2012年10月16日)
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