goo blog サービス終了のお知らせ 

伊東良徳の超乱読読書日記

はてなブログに引っ越しました→https://shomin-law.hatenablog.com/

引っ越しのお知らせ

2025-07-07 20:55:46 | Weblog
 19年間もの長きにわたり gooブログで、超乱読読書日記を継続してきましたところに、gooブログからサービスを停止する、さっさと立ち退けという通告を受け、しばし呆然、失意の日々を送っていましたが、7月6日付で、気を取り直し、はてなブログに移転しました(こちら)。
念のためURLも…
https://shomin-law.hatenablog.com/

気が向いたらお立ち寄りください。


伊東良徳
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2025年版 まるわかり給与計算の手続きと基本

2025-06-04 21:10:44 | 実用書・ビジネス書
 月例給与と賞与からの源泉徴収・社会保険料控除、年末調整等の給与計算の実務について解説した本。
 多数の図表を用いて、順番に説明されているので理解しやすいのですが、例えば社会保険料は月例給与では給与対象月(在籍・就労月)末日の資格の存否で発生し(その結果、月末締め当月払いの場合は支払月末日基準だが、翌月払いのことが多いのでその場合)支払前月末資格の扱いとなるのに賞与は支払月当月末日の資格基準で徴収の有無が分かれる、かつ資格喪失は退職日の翌日(末日退職なら翌月も保険料発生)とか、年齢(介護保険料は40歳到達月から65歳到達月まで徴収)は誕生日前日基準(前日の24時)(1日誕生日で40歳になった人は前月分から介護保険料徴収開始)とか、ちゃんと図示されていてさえ頭が混乱します。給与の変動による標準報酬月額の変更届の要件とか、保険料率変更時のどの月から計算を変えるかとかの実務上迷いそうな話、賞与は源泉徴収さえも面倒そうな様子など、会計や社会保険労務士の仕事ってたいへんだなぁと思わせてくれます。
 給与計算の段取り・作業がイメージできるとともに、なんか面倒そうだなぁというイメージも持ってしまいました。


竹内早苗 労務行政 2025年2月1日発行(初版は2018年2月18日)

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ひまわり

2025-05-31 21:00:38 | 小説
 商社の総合職だったが33歳で交通事故で脊髄損傷を受けて四肢麻痺状態となり、復職も拒否された朝宮ひまりが、数々の障壁を乗り越えて司法試験を受験するという小説。
 商社勤務時代は楽しくやりがいもあったが、「当時の私は、キラキラしたものを追いかけるばかりで、困っている人、立場の弱い人に目を向けていませんでした。こうして事故にあい、自分自身が弱い立場になって初めて、自分以外にも困っている人が沢山いるということに気づいたんです」というひまりの言葉(448ページ)は、ベタではありますが、思い起こすべきことです。
 タイトルとなる「ひまわり」、2箇所、一輪だけ植えられたのではなく自生して精一杯生きるひまわりの姿の描写があります(376ページ、438ページ)。ひまりの心象風景、気持ちの支えとしてはそれでいいのでしょうけれど、プロローグで弁護士バッジのひまわりを挙げて「ひまわりがどうして自由と正義の象徴なのか、誰も知りません。諸説あるけれど、はっきりとした正解がないんです。翔太君はどう思いますか?」(8ページ)と問いかけたことへの答えにはなっていないように思います。


新川帆立 幻冬舎 2024年11月15日発行
宮崎日日新聞ほか連載
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オフェンシブ栄養学

2025-05-30 00:18:51 | 実用書・ビジネス書
 中高年者がもっと元気になるための食生活について解説した本。
 食生活関係では、テストステロン(男性ホルモン)の活性を上げるためにタマネギやニンニクをというのはふつうに予想できるところですが、抗酸化物質としてブロッコリーを食べるのに、ゆでるな、生で食え(142~144ページ)というのは驚きました。
 食生活と別に、不安や恐怖を感じたときには、視覚以外の感覚を刺激して心地いい情報を、というのは不安や恐怖の情報は脳内の扁桃体に伝えられるので不安から逃れるには扁桃体に別の新しい情報を与えて切り替えさせるのがいいのだけど、視覚で受け取った情報は大脳皮質に行き直接扁桃体に行かないから視覚情報ではだめだ(158~159ページ)というのが、新鮮に思えました。切替にはいい音楽、いい香り、おいしい食べ物、温泉でリラックス、が効くのはそういうことなんですね。


藤本幸弘 オリーブの木 2023年10月26日発行
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

食べて飲んで ひとりで楽しむ鉄道旅

2025-05-21 22:15:47 | エッセイ
 著者が実行しているプチ贅沢な一人旅を紹介したエッセイ。
 読んでいると、こういう旅もいいかなと思いますが、青春18きっぷとか割引き切符の紹介をしながら、それで別料金で観光列車やグリーン車に乗れるとか、宿泊先も日光金谷ホテルとか星野リゾート青森屋とか志摩観光ホテルとか言われると(最もよく利用するのは東横インとも書いていますが)、どういう金銭感覚なのかとも思います。旅が趣味というためには、それくらい稼がないといけないんだろうな、とも。
 旅行記と別枠で1ページ、星野リゾート奥入瀬渓流ホテルの記事(もちろん、よかったよ、お薦めだよという記事)があり,奥付に「取材協力」として星野リゾート青森屋と星野リゾート奥入瀬渓流ホテルが記載されています。そういうところがプロの手法なのかも知れませんが。


やすこーん 玄光社 2024年6月18日発行
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いちばんやさしい病理学

2025-05-20 23:43:58 | 自然科学・工学系
 病理学の入門書。
 タイトルと「はじめてでもスラスラ読めるオールカラー図解」というサブタイトルなのかアイキャッチなのかの表示、パラパラめくったときの図版と写真の多さに惹かれて読みましたが、イラストが多用されるなどやさしくしようとしていることは感じられるものの、聞き慣れない専門用語というか、私の苦手意識が強いカタカナの化学物質等の名称が乱舞していて、たいへん苦戦しました。
 写真も検体を染色した顕微鏡用のプレパラートと思われるものが多く、文中の赤字を赤シートで隠す受験参考書のスタイルで、要するに、病理医になりたい医者や医学生が専門用語や概念を頭にたたき込むという目的の本なのだなと思います。そういう人には、「いちばんやさしい」のかも知れません…それなら前書きにそう書いて欲しかった(赤シート付きという表示を見て気づけよってことなんでしょうね)。


下田将之監修 成美堂出版 2025年4月1日発行
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

プレゼン資料の図解化大全

2025-04-26 17:35:40 | 実用書・ビジネス書
 短時間で説明をして自分の推すものを通すためのビジネスプレゼンでの資料の作り方、構成のしかたを解説した本。
 図解は左でメッセージ(説明)は右(100ページ)、横幅がある図表ではキーメッセージが上で図表が下(101~102ページ)、比較するときは横に並べる(88~89ページ)、推したいものは右上に配置(78~79ページ)、ポジティブメッセージは青でネガティブメッセージは赤(114~115ページ)、グラフでは目立たせたいところだけカラーリングして他はグレーアウト(84ページ、115ページ、142~143ページ)、キーメッセージは13文字以内(97ページ、107ページ)…一目でわからせる、考えさせない、読ませないを徹底しています。
 なるほどとは思いますし、それがテクニックなのでしょうけど、考えさせずに決めさせるというのが、ある種のマインドコントロールにも感じられてしまいます。
 説明を、直感的にではなく内容をきちんと理解してもらうことを必要としている業種では、そうも行かないんだけどねと思ってしまいます。


前田鎌利、堀口友恵 ダイヤモンド社 2025年2月18日発行
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

認知症の親が満足する最高の介護術

2025-04-15 20:13:20 | 実用書・ビジネス書
 認知症患者の主観を説明し、家族としての接し方を解説する本。
 本人(の言い分)を否定せず、味方だと思わせる、特に物がなくなって困っているときは責めると敵だと考えてこの人が盗ったに違いないと思い込まれて行くので、一緒に探そうなどということで味方だと感じてもらうことが大切だとか、ご飯を食べてないとか(自宅にいるのに)家に帰りたいとかいうのにも否定ではなく受け入れたうえでもう少し後でねなどと問題を先送りして落ちつく(そうしたいというのを忘れる)のを待つなどの対応が推奨されていて、なるほどなぁと思いました。
 認知症にも情緒が不安定で怒りっぽく徘徊や暴力行為などの問題行動が目立つ介護者がもっと落ちついて欲しいと感じる陽性アルツハイマー型認知症タイプと、比較的穏やかでむしろ自発性が低下している陰性アルツハイマー型認知症タイプがあり、投薬すべき薬が違う(129~31ページ)、薬の飲み忘れを防ぐためにカレンダーにその日飲む分の薬を貼り付けておく(132~134ページ)なども、勉強になりました。


榎本睦郎 永岡書店 2025年2月10日発行
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北緯43度のコールドケース

2025-04-14 22:53:41 | 小説
 大学院で博士号を取ったもののあるできごとを機に大学院を辞めて警察官採用試験を受けて警察官となり、警部補昇任に伴い北海道警察本部から所轄に配属となった沢村依理子が、5年前に誘拐されて警察が犯人を死亡させて発見できなかった当時3歳の少女の死体遺棄事件に遭遇し、その謎に取り組むというミステリー小説。
 警察の目の上のこぶとして、人権派弁護士兵藤百合子が度々立ち現れるのですが、最後に警察が別件逮捕したが詰め切れず裁判官が勾留状請求を却下して釈放した容疑者への任意の取調べに1回8時間まで3回、取調の録音録画、取調は沢村が行うの3条件で応ずるという設定、弁護士の感覚ではちょっと考えられません。警察が逮捕できないときに弁護士が条件を出すなら第1は取調への弁護士立会でしょうし、1回8時間なんてとんでもない、せいぜい2~3時間でしょう。


伏尾美紀 講談社文庫 2024年3月15日発行(単行本は2021年10月)
江戸川乱歩賞受賞作
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

烏帽子と黒髪 中世ジェンダー考

2025-04-09 21:33:00 | 人文・社会科学系
 中世:平安~鎌倉時代のジェンダーについて、服装、髪型に着目して論じた本。
 男は元服しておかっぱの童髪から伸ばして後ろで括り(ポニーテール様)さらに頭上にまとめて結って髻(もとどり)をつくりそれに冠(公式の場)、烏帽子(非公式の場)を固定する、身分の低い者は元服せずに童のまま、男になった者は人前で烏帽子を脱ぐことはなく烏帽子を取られることは屈辱であった(ふんどしを外すより恥であった)のだそうです。上層身分の女は垂髪のままだが成人すると顔の両脇の鬢の髪を肩から胸ぐらいの長さに削ぐ「下がり端:さがりば」を作る(さがりば以外の場所、例えば額や頬の脇などはカットしないと強調されています)、髪の長さが身分とつながっていたと論じられています。そういったあたりは、知らなかったことが、図示された文献を引用して語られていて、興味深く読みました。
 中世の女の地位・暮らしやすさについて、女が私的領域に押し込められ活躍できなかったという指摘と、女性に力があった、近世現代よりもジェンダー平等であったという指摘が双方書かれていて、著者の言いたいことが今ひとつ見えにくい感があります。


野村育世 同成社 2024年1月30日発行
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする