サッカー日本代表の元(になってしまいましたね)監督イビツァ・オシムの通訳だった著者が、オシムが在任中にトレーニング、試合を通じて目指していたものを論じた本。
相手の出方に応じて、また果てしない進歩を志向してオシムはエレガントでスペクタクルな「変幻自在な日本サッカー」を目指していたとし、その基本的な戦い方は黄金の中盤を形成する(中村俊輔・中村憲剛・遠藤保仁のトリプルプレイメーカー+阿部・鈴木啓太・長谷部:「カミカゼ・スタイル」)、俊足のプレイヤーを攻撃・守備の両方で起用する、相手の出方に対する柔軟性(バイタルエリアは相手のフォワードの数+1で守る:守備のフォーメーションは固定しない)にあったと、著者は指摘しています。
オシムが監督の最大の仕事と心得ていたトレーニングのアイディアの豊富さや、自分が選手時代に監督をどう見ていたかや選手のプライドに配慮した選手への接し方、敵に対する分析とリスペクト、そしてオシムを育てオシムが経験してきたユーゴの現実やオシムの誠実さなど、私自身がオシムに対して強い関心とリスペクトを持っているためでしょうけれど、様々な面から興味が尽きない本です。
ワールドカップ南ア大会前に出版された本ですが、ワールドカップ後に読んでも、改めて、オシムが倒れていなかったら、と思わせてくれます。ザッケローニがそういう感傷を吹き飛ばしてくれる日がくるといいのですが・・・
千田善 中央公論新社 2010年5月10日発行
相手の出方に応じて、また果てしない進歩を志向してオシムはエレガントでスペクタクルな「変幻自在な日本サッカー」を目指していたとし、その基本的な戦い方は黄金の中盤を形成する(中村俊輔・中村憲剛・遠藤保仁のトリプルプレイメーカー+阿部・鈴木啓太・長谷部:「カミカゼ・スタイル」)、俊足のプレイヤーを攻撃・守備の両方で起用する、相手の出方に対する柔軟性(バイタルエリアは相手のフォワードの数+1で守る:守備のフォーメーションは固定しない)にあったと、著者は指摘しています。
オシムが監督の最大の仕事と心得ていたトレーニングのアイディアの豊富さや、自分が選手時代に監督をどう見ていたかや選手のプライドに配慮した選手への接し方、敵に対する分析とリスペクト、そしてオシムを育てオシムが経験してきたユーゴの現実やオシムの誠実さなど、私自身がオシムに対して強い関心とリスペクトを持っているためでしょうけれど、様々な面から興味が尽きない本です。
ワールドカップ南ア大会前に出版された本ですが、ワールドカップ後に読んでも、改めて、オシムが倒れていなかったら、と思わせてくれます。ザッケローニがそういう感傷を吹き飛ばしてくれる日がくるといいのですが・・・
千田善 中央公論新社 2010年5月10日発行