不登校の高校生火田光一が、同級生の日向淑子に誘われて淫蕩の限りを尽くした後淑子の兄の幸多に導かれてブルースに目覚め、類い希なリズム感とギターテクニックを発揮して幸多らとともにバンド「西方之魂(ウェストサイドソウル)」でデビューする青春小説。
前半は光一の性の目覚め系官能小説で、後半は音楽小説となっています。
音楽の濃い話をされてもちんぷんかんぷんの私には、前半の官能小説部分を楽しむしかない感じですが、これがいかにもツボにはまった男の妄想を絵に描いたような設定。妻子ある中年男との不倫経験を持つ同級生から徹底的にセックスを教え込まれてひたすら爛れた性生活を送り、その彼女が自分一筋になりながら、その彼女の勧めで買春をしたり、さらにはその彼女に秘密で彼女の兄の恋人ともできてしまうって、妄想としても恥ずかしいくらい好き放題。高校生の時にそんな経験したら、私だったら日向一人だけで十分に満足した上で、きっと違う人生歩んでただろうなと思えてしまいます。それくらい、私の感覚では羨望の的の日向さえ、後半では次第に脇役というかお飾りになっていく展開で、音楽部分が今ひとつわからない私にはもったいないよねと思えました。
花村萬月 講談社 2010年10月10日発行
前半は光一の性の目覚め系官能小説で、後半は音楽小説となっています。
音楽の濃い話をされてもちんぷんかんぷんの私には、前半の官能小説部分を楽しむしかない感じですが、これがいかにもツボにはまった男の妄想を絵に描いたような設定。妻子ある中年男との不倫経験を持つ同級生から徹底的にセックスを教え込まれてひたすら爛れた性生活を送り、その彼女が自分一筋になりながら、その彼女の勧めで買春をしたり、さらにはその彼女に秘密で彼女の兄の恋人ともできてしまうって、妄想としても恥ずかしいくらい好き放題。高校生の時にそんな経験したら、私だったら日向一人だけで十分に満足した上で、きっと違う人生歩んでただろうなと思えてしまいます。それくらい、私の感覚では羨望の的の日向さえ、後半では次第に脇役というかお飾りになっていく展開で、音楽部分が今ひとつわからない私にはもったいないよねと思えました。
花村萬月 講談社 2010年10月10日発行