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伊東良徳の超乱読読書日記

はてなブログに引っ越しました→https://shomin-law.hatenablog.com/

2025年版 まるわかり給与計算の手続きと基本

2025-06-04 21:10:44 | 実用書・ビジネス書
 月例給与と賞与からの源泉徴収・社会保険料控除、年末調整等の給与計算の実務について解説した本。
 多数の図表を用いて、順番に説明されているので理解しやすいのですが、例えば社会保険料は月例給与では給与対象月(在籍・就労月)末日の資格の存否で発生し(その結果、月末締め当月払いの場合は支払月末日基準だが、翌月払いのことが多いのでその場合)支払前月末資格の扱いとなるのに賞与は支払月当月末日の資格基準で徴収の有無が分かれる、かつ資格喪失は退職日の翌日(末日退職なら翌月も保険料発生)とか、年齢(介護保険料は40歳到達月から65歳到達月まで徴収)は誕生日前日基準(前日の24時)(1日誕生日で40歳になった人は前月分から介護保険料徴収開始)とか、ちゃんと図示されていてさえ頭が混乱します。給与の変動による標準報酬月額の変更届の要件とか、保険料率変更時のどの月から計算を変えるかとかの実務上迷いそうな話、賞与は源泉徴収さえも面倒そうな様子など、会計や社会保険労務士の仕事ってたいへんだなぁと思わせてくれます。
 給与計算の段取り・作業がイメージできるとともに、なんか面倒そうだなぁというイメージも持ってしまいました。


竹内早苗 労務行政 2025年2月1日発行(初版は2018年2月18日)

 
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オフェンシブ栄養学

2025-05-30 00:18:51 | 実用書・ビジネス書
 中高年者がもっと元気になるための食生活について解説した本。
 食生活関係では、テストステロン(男性ホルモン)の活性を上げるためにタマネギやニンニクをというのはふつうに予想できるところですが、抗酸化物質としてブロッコリーを食べるのに、ゆでるな、生で食え(142~144ページ)というのは驚きました。
 食生活と別に、不安や恐怖を感じたときには、視覚以外の感覚を刺激して心地いい情報を、というのは不安や恐怖の情報は脳内の扁桃体に伝えられるので不安から逃れるには扁桃体に別の新しい情報を与えて切り替えさせるのがいいのだけど、視覚で受け取った情報は大脳皮質に行き直接扁桃体に行かないから視覚情報ではだめだ(158~159ページ)というのが、新鮮に思えました。切替にはいい音楽、いい香り、おいしい食べ物、温泉でリラックス、が効くのはそういうことなんですね。


藤本幸弘 オリーブの木 2023年10月26日発行
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プレゼン資料の図解化大全

2025-04-26 17:35:40 | 実用書・ビジネス書
 短時間で説明をして自分の推すものを通すためのビジネスプレゼンでの資料の作り方、構成のしかたを解説した本。
 図解は左でメッセージ(説明)は右(100ページ)、横幅がある図表ではキーメッセージが上で図表が下(101~102ページ)、比較するときは横に並べる(88~89ページ)、推したいものは右上に配置(78~79ページ)、ポジティブメッセージは青でネガティブメッセージは赤(114~115ページ)、グラフでは目立たせたいところだけカラーリングして他はグレーアウト(84ページ、115ページ、142~143ページ)、キーメッセージは13文字以内(97ページ、107ページ)…一目でわからせる、考えさせない、読ませないを徹底しています。
 なるほどとは思いますし、それがテクニックなのでしょうけど、考えさせずに決めさせるというのが、ある種のマインドコントロールにも感じられてしまいます。
 説明を、直感的にではなく内容をきちんと理解してもらうことを必要としている業種では、そうも行かないんだけどねと思ってしまいます。


前田鎌利、堀口友恵 ダイヤモンド社 2025年2月18日発行
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認知症の親が満足する最高の介護術

2025-04-15 20:13:20 | 実用書・ビジネス書
 認知症患者の主観を説明し、家族としての接し方を解説する本。
 本人(の言い分)を否定せず、味方だと思わせる、特に物がなくなって困っているときは責めると敵だと考えてこの人が盗ったに違いないと思い込まれて行くので、一緒に探そうなどということで味方だと感じてもらうことが大切だとか、ご飯を食べてないとか(自宅にいるのに)家に帰りたいとかいうのにも否定ではなく受け入れたうえでもう少し後でねなどと問題を先送りして落ちつく(そうしたいというのを忘れる)のを待つなどの対応が推奨されていて、なるほどなぁと思いました。
 認知症にも情緒が不安定で怒りっぽく徘徊や暴力行為などの問題行動が目立つ介護者がもっと落ちついて欲しいと感じる陽性アルツハイマー型認知症タイプと、比較的穏やかでむしろ自発性が低下している陰性アルツハイマー型認知症タイプがあり、投薬すべき薬が違う(129~31ページ)、薬の飲み忘れを防ぐためにカレンダーにその日飲む分の薬を貼り付けておく(132~134ページ)なども、勉強になりました。


榎本睦郎 永岡書店 2025年2月10日発行
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常在細菌叢を制御せよ! プレバイオティクスがつくり出す未来

2025-03-14 22:27:03 | 実用書・ビジネス書
 腸内、口腔内、皮膚等の常在細菌叢の重要性、常在細菌叢の乱れによる病気、不調、常在細菌叢の乱れの原因(偏った食事、不規則な生活習慣、抗生物質などの不要な薬物の使用、加齢、過度な衛生環境)、常在細菌叢のコントロールには善玉菌の口腔からの投入(プロバイオティクス)よりも腸内細菌叢の餌になるオリゴ糖などを摂るプレバイオティクスの方が優位であることなどを解説する本。
 以上のようなことが、すでにイントロダクションで書かれていて、それはよくわかるのですが、それをより詳細に論じる本文は、多くが聞き慣れないカタカナの化学物質名をはじめとする専門用語に満ちていて、私にはとても辛い本でした。本の体裁と文体は柔らかく思えるのですが、内容は、これ、宝島社の本?と疑問に思いました。


廣岡芳樹 宝島社 2025年2月17日発行
 
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最新テーマ別実践労働法実務5 残業代の法律実務

2025-03-02 00:42:25 | 実用書・ビジネス書
 残業代請求のための弁護士実務について解説し、労働者側の弁護士にフル活用するように叱咤激励する本。
 著者の学識というか法と判例を考え抜いた成果に満ち、かつ戦闘的な姿勢が際立っています。労働者側の弁護士として、感嘆し、自分がここまでできていなかったことを自戒し、次に残業代請求の事件をやることになったら必ず読み返して使いこなそうと思う本です。
 一般人はもちろんのこと、労働者側の弁護士でも、ふつうに読みながらついていくのは難しいと思います。残業代ソフトを用いた残業代計算の解説は、著者自身がソフトを開きながら読めと書いているように、本だけ読んでも理解できません。残業代請求の事件をしばらくやっていなくて、きょうとソフトver.4.0(2023年)を入手もしておらず、きょうとソフトは付加金(残業代等の請求の際に残業代自体とは別に労働基準法上請求できる金額)が自動計算できない(162~163ページ)という記述を見て、え~っ、できるでしょ、何言ってるんだと思った(調べてみたら、ver.3までは自動計算できたが、法改正の狭間への対応でver.4.0で手動になったらしい)私のレベルでは、ついていけない。


渡辺輝人 旬報社 2024年11月29日発行
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最新テーマ別実践労働法実務4 労働者が円満退職するための法律実務

2025-02-08 23:49:16 | 実用書・ビジネス書
 労働者が退職を希望しているときに使用者がそれを認めず退職を妨害する、退職を思いとどまらせるためにさまざまな嫌がらせや脅迫をする、退職後実際にさまざまな請求をしてくるといった事態にどう対応するか、その他退職に際して労働者側で知っておくべきこと考えておくべきことについて解説した本。
 労働者側の弁護士の実務では、使用者側が労働者の意に反して辞めさせようとするのといかに戦うかの方が中心で、労働者が退職したいのに辞めさせてくれないという相談には、なかなか対処できていないのが実情です。そういう場面でいろいろと考えさせられ、参考になります。もっとも、自戒や心構えは必要として、ではどうすればいいかというところはもともと難しい問題、弁護士がどこまでやれるかの限界があり、スッキリ解決とは行かない悩ましさは残ります。
 「労働法実務解説」シリーズ(2016年)のときもそうだったのですが、誤字・脱字・変換ミスが目につきます。意味が反対と思われるところだけ指摘しておくと、55ページ12~13行目の「誰にも強制される」は「誰にも強制されず」、88ページ9行目の「業務性が強く」は「業務性が弱く」か「業務との関連性が弱く」だろうと思います。旬報社のシリーズは、編集者が校正していないのでしょうか。


嶋﨑量 旬報社 2024年10月25日発行
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腎機能を自力で強くする 弱った腎臓のメンテナンス法

2025-02-07 21:55:43 | 実用書・ビジネス書
 腎機能の低下を防ぎ、また弱った腎臓をメンテナンスするための食事、運動等について解説した本。
 腎臓の機能が低下したからといってネガティブになる必要はない、むしろストレスが腎臓によくない、今さらなどと思わずに焦らず諦めずメンテナンスを続けようという姿勢(おわりに:200~201ページなど)が、ホッとする本です。
 加工食品に多く含まれる無機リンを減らすために、加工食品をできるだけ摂らない、食べるときはできるだけ下ゆでする(ゆで汁は捨てる)、塩分を控えめにというのがポイントで、タンパク質や水分は減らさない(むしろあまり減らすと危険)、カリウム制限も神経質になる必要はないなど、厳しくないところがうれしい…って思ってていいのか。
 さほど目新しい情報はないように思えましたが、読みやすさと著者の姿勢の緩さに元気づけられる本です。


髙取優二 アスコム 2024年11月12日発行
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民事訴訟 裁判官からの質問に答える技術

2025-01-27 22:20:41 | 実用書・ビジネス書
 裁判官と弁護士が、法廷や弁論準備期日で裁判官が発言/質問する場面を捉えて、民事訴訟手続のそれぞれの場面での裁判官の思考やそれに応じた弁護士の作法などを解説した本。
 書かれていることは、ふつうに裁判実務の経験があればわかることで、裁判手続の入門書的な面もないではないですが、最初の質問が「訴訟物は何ですか?」というところが、法律家以外の一般読者を拒絶しています。
 「原告第1準備書面で現れた新たな事実に対し逐一認否し、被告第1準備書面で現れた新たな事実に対し逐一認否し……という書面が続くと、裁判官としては『非常に読みにくくわかりづらい』というのが率直な感想です。」「争点との関連性に乏しい事実について争いがあるか否かを事細かに把握する実益は乏しいです。」(48ページ)と、私もよく思うのですが、長々しい書面に対しても、認否してくれと裁判官が言うこともまたあって、しかたないなぁと長々しい認否をしているのが実情かと…


中村雅人、城石惣 学陽書房 2024年5月27日発行

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イラストでわかる 高齢者のからだ図鑑

2025-01-17 20:50:26 | 実用書・ビジネス書
 高齢者のケア・介護をする人向けに、知っておきたい高齢者の体や動作、心の状態等の特徴(若い人との違い)を説明した本。
 「高齢者が1日ベッドで安静にすると約1~3%、1週間となると10~15%、1か月では約50%の筋力が低下すると報告されています」、「1日の寝たきりで低下した体力を戻すには、2週間のトレーニングが必要と言われています」(26ページ)とか、驚きますし、若い人は「比較的小さなバランスの崩れは足関節を中心に、それより大きな揺れは股関節、保てなくなったら一歩踏み出すステップという3つのバランス戦略を自然に使い分けています。高齢になると、足先でのバランス能力や瞬発力の低下から、足関節やステップでのバランス保持が苦手になり、股関節でバランスをとることがメインになります」→転倒しやすくなる(65ページ)とか、なるほどと思います。
 高齢者の不安とか介護者側の心理面での対応を示すPart4(138~157ページ)も、参考になりました。


kei、中島佳歩 メディカル・ケア・サービス 2024年9月10日発行

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