テレビCMの撮影技術についての解説書。
「コマーシャル・フォト」誌への連載を再構成したものだそうで、基礎編と応用編に別れ、MOOKサイズで1項目4ページで解説しています。基礎編は地デジ化前の撮影を、フィルムやカメラ(著者は「キャメラ」と呼ぶことにこだわっているようですが)などの機材面、照明、現像に分けて解説し、応用編は「応用」というよりは地デジ化や撮影動画のデータ化・ファイル化などコンピュータ化・デジタル化への対応について解説しています。
写真撮影と異なり動画は連続しているのでピントは「あわせる」のではなく対象が動き続けてもずっと「あっている」ことが必要で、オートフォーカスではなく、撮影助手が目測で撮影対象との距離を把握してマニュアルでフォーカスを送り(調整し)続けるのだとか(34~35ページ)。まさしく職人芸の世界。動画では映画は毎秒24コマ、日本のテレビCMは毎秒30コマで撮影してその倍のコマ数で再生しているが、静止画像の場合のように1コマ1コマきっちり撮影して再生するとかくかくした動きになってしまい、画像が動体ぶれしたぶれゴマがあることでなめらかな動きを感じるのだとか(44ページ)。それで動画のキャプチャー画像って、動画で見るとはっきり見えるように思えるのにぶれてることが多いんですね。
地デジ化によって、画像の精細度が上がり、データの情報量も増えて、アナログの時は見えなかった不具合が見えるようになったとか、テープなら実時間でコピーできるものがデータ転送に何倍もの時間がかかるようになる上にテープのような量的な制限がないので大量の映像を撮影しがちで処理が大変だとか、アナログ放送の時は高音域をカットしていてその狭い音域にあれこれ詰め込んでいたことがCMがうるさく聞こえた原因だったが地デジでは高音域がカットされずCD音質が可能となり今後は技術的にはCMの「うるささ」は解消してより深みのある音声にできるはずとか、思わぬ変化があるものだと勉強になりました。
野本康夫 玄光社 2012年12月25日発行
「コマーシャル・フォト」誌への連載を再構成したものだそうで、基礎編と応用編に別れ、MOOKサイズで1項目4ページで解説しています。基礎編は地デジ化前の撮影を、フィルムやカメラ(著者は「キャメラ」と呼ぶことにこだわっているようですが)などの機材面、照明、現像に分けて解説し、応用編は「応用」というよりは地デジ化や撮影動画のデータ化・ファイル化などコンピュータ化・デジタル化への対応について解説しています。
写真撮影と異なり動画は連続しているのでピントは「あわせる」のではなく対象が動き続けてもずっと「あっている」ことが必要で、オートフォーカスではなく、撮影助手が目測で撮影対象との距離を把握してマニュアルでフォーカスを送り(調整し)続けるのだとか(34~35ページ)。まさしく職人芸の世界。動画では映画は毎秒24コマ、日本のテレビCMは毎秒30コマで撮影してその倍のコマ数で再生しているが、静止画像の場合のように1コマ1コマきっちり撮影して再生するとかくかくした動きになってしまい、画像が動体ぶれしたぶれゴマがあることでなめらかな動きを感じるのだとか(44ページ)。それで動画のキャプチャー画像って、動画で見るとはっきり見えるように思えるのにぶれてることが多いんですね。
地デジ化によって、画像の精細度が上がり、データの情報量も増えて、アナログの時は見えなかった不具合が見えるようになったとか、テープなら実時間でコピーできるものがデータ転送に何倍もの時間がかかるようになる上にテープのような量的な制限がないので大量の映像を撮影しがちで処理が大変だとか、アナログ放送の時は高音域をカットしていてその狭い音域にあれこれ詰め込んでいたことがCMがうるさく聞こえた原因だったが地デジでは高音域がカットされずCD音質が可能となり今後は技術的にはCMの「うるささ」は解消してより深みのある音声にできるはずとか、思わぬ変化があるものだと勉強になりました。
野本康夫 玄光社 2012年12月25日発行