自己紹介、スピーチ、コメントのコツを説明した本。
スピーチの基本として、最初に時間感覚を強調しています。人の話に対してどのくらいの時間まで許容できるかについて、「三〇秒まで 余裕で耐えられる。一分まで 『この話は面白くないな』と思い始めても、『まあいいだろう』と平静に受け止められる。二分まで 『この話はつまらない』とはっきり認定し始める。三分まで 『まだ続くのか』と嫌気がさしてくる。三分超 怒りを感じ始める。」(19~20ページ)というのが、珠玉の言葉という感じです。
大きな会場で話すとき、聴衆のさまざまな人に視線を向けるということは、意識しますが、方向だけではなく距離感を持って、特定の人に声を届かせる、(後ろを向いていても声だけで)自分に話しかけられているように感じさせる、そのためにボールを投げるような感覚で(実際にボールを投げてみて練習するとも)(44~49ページ)というのは、思い至りませんでした。
後半は個別シチュエーションになり技術的になりまた新鮮味が失われるきらいはありますが、スピーチの内容以前のところでまとめられている前半に学ぶべき点が多いように思えました。
齋藤孝 ちくま新書 2016年6月10日発行
スピーチの基本として、最初に時間感覚を強調しています。人の話に対してどのくらいの時間まで許容できるかについて、「三〇秒まで 余裕で耐えられる。一分まで 『この話は面白くないな』と思い始めても、『まあいいだろう』と平静に受け止められる。二分まで 『この話はつまらない』とはっきり認定し始める。三分まで 『まだ続くのか』と嫌気がさしてくる。三分超 怒りを感じ始める。」(19~20ページ)というのが、珠玉の言葉という感じです。
大きな会場で話すとき、聴衆のさまざまな人に視線を向けるということは、意識しますが、方向だけではなく距離感を持って、特定の人に声を届かせる、(後ろを向いていても声だけで)自分に話しかけられているように感じさせる、そのためにボールを投げるような感覚で(実際にボールを投げてみて練習するとも)(44~49ページ)というのは、思い至りませんでした。
後半は個別シチュエーションになり技術的になりまた新鮮味が失われるきらいはありますが、スピーチの内容以前のところでまとめられている前半に学ぶべき点が多いように思えました。
齋藤孝 ちくま新書 2016年6月10日発行