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伊東良徳の超乱読読書日記

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最期の対話をするために

2021-03-28 22:25:05 | 実用書・ビジネス書
 今後、自宅で看取るケースが増えることを指摘し、看取る側の覚悟と心がけを述べた本。
 病院は治療が終わると(これ以上治療ができなくなる、これ以上治療してもよくなる見込みがない)追い出され、緩和ケア病棟(医療用麻薬での疼痛コントロール等)は不足しているため癌とエイズの患者しか入れない上、癌でも余命3ヶ月にならないと入れないのに6か月待ちというケースもあるとかで、否応なく自宅で看取るしかないケースが増え、そもそも病院でも誰も気づかずに誰にも看取られない孤独死もあると指摘されています(18ページ、24~26ページ)。
 自宅でひとりで最期を迎えると不動産会社が嫌がるという問題があると指摘されています(33ページ)。生活の本拠として貸すのだから、そこで借主が死ぬことがあるのは、当然見込んでおくべきリスクだと思います。それを嫌がるのなら事業として貸す資格はないと私は思うのですが、そういった覚悟もなく家を持っているからそれで金儲けをしようという安易な気持ちで人の命よりも儲けしか考えない家主が少なくないのは、大変嘆かわしいことです。「看取りの家」の建設計画が周辺住民の反対で頓挫した(34ページ)とか、何て哀しい人たちだろうと思う。
 死の3か月前から予兆があり、出かけることがなくなりテレビや新聞も見たくなくなる、よく眠るが熟睡ではなく夢をたくさん見る(73ページ)って…まずい、最近の私は、どんなに寝ても寝たりなくて、でも頻尿気味で途中で何度か起きるし、テレビなんて見る気しないし…ほとんど当てはまってる。2か月前は食欲が落ちてやせる、1か月前は血圧や心拍数、呼吸数、体温などが不安定になる、痰が増えてゴロゴロと音がする、数日前は急に体調がよくなり、その後血圧や心拍数、呼吸数、体温などがさらに不安定になり、24時間前あたりから尿が出なくなり下顎呼吸(下顎を上下に動かして呼吸する)が始まり、医者はこれを見ると親族に集まってもらった方がいいと言い、最期には尿と便が一気に出て、目が半開きになり涙が出るのだそうです(72~82ページ)。なんだか、ここだけでも、読んでよかった気がします。
 余命があまりない人との接し方がいろいろと書かれていますが、私には、「人は他者に完全に共感はできない」、「わかり合えるわけないよね」というスタンスで共感する努力をする、それでも1ミリでも近くに寄り添いたいという気持ちを持つ、安易に「わかる」と言うよりは、「ごめんね、わかりたいとは思うけど、わからない」と正直に言った方が相手も理解してくれる(178~181ページ)という説明が、いちばん心に染みました。


玉置妙憂 株式会社KADOKAWA 2020年4月23日発行
コメント
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