日本語のオノマトペ(擬態語・擬音語)の英訳を検討し、その中で日本語の文化や世間の話題、英語文化等を論じた本。
著者が、同時通訳の経験から、受験英語・教科書英語(著者は「静脈英語 : venous Englsh」と名付ける)ではなく、ネイティヴに通じる現代的な口語の英語(著者は「動脈英語 : arterial English」と呼ぶ)を使えるようにすべきだと、繰り返し述べ、英訳の参考には映画の台詞と字幕が度々引用されています。英語の方の文献では、他に The Economist や Sex and the City もよく引用されていました。
日本語のオノマトペについても英訳についても語感(例えば、ガ行の音は縄文的な力強さがある:84ページとか。ここで、「『ぐ』という濁音が官能小説に多いことは証明された」って書いてますけど、本当ですか?)が重視されていますが、そこは、日本語でも英語でも共通なんでしょうか。読み物としては面白いけど、相手にはどう伝わるんだろうと考えてしまいます。まあ、言葉、話し言葉というのは、どこまでいってもそういう問題から逃れられないとも言えますが。
absolutely true は100%、probably true は80%以上、plausible は50%以上70%以下、possibly true は20%以下だとか(167ページ)。やはり、possible はかなり怪しいのですね。かつて、裁判で大企業が科学論文の it may be possible を、「と考えられる」と、まるで著者がその結論を証明したかのように訳してきて、いや、これはそのような可能性もあるかも知れないレベルだろうと反論した覚えがあります。英語のニュアンスって、なかなかわからないところがあるので、この種の説明は興味深いです。

松本道弘 さくら舎 2020年11月12日発行
著者が、同時通訳の経験から、受験英語・教科書英語(著者は「静脈英語 : venous Englsh」と名付ける)ではなく、ネイティヴに通じる現代的な口語の英語(著者は「動脈英語 : arterial English」と呼ぶ)を使えるようにすべきだと、繰り返し述べ、英訳の参考には映画の台詞と字幕が度々引用されています。英語の方の文献では、他に The Economist や Sex and the City もよく引用されていました。
日本語のオノマトペについても英訳についても語感(例えば、ガ行の音は縄文的な力強さがある:84ページとか。ここで、「『ぐ』という濁音が官能小説に多いことは証明された」って書いてますけど、本当ですか?)が重視されていますが、そこは、日本語でも英語でも共通なんでしょうか。読み物としては面白いけど、相手にはどう伝わるんだろうと考えてしまいます。まあ、言葉、話し言葉というのは、どこまでいってもそういう問題から逃れられないとも言えますが。
absolutely true は100%、probably true は80%以上、plausible は50%以上70%以下、possibly true は20%以下だとか(167ページ)。やはり、possible はかなり怪しいのですね。かつて、裁判で大企業が科学論文の it may be possible を、「と考えられる」と、まるで著者がその結論を証明したかのように訳してきて、いや、これはそのような可能性もあるかも知れないレベルだろうと反論した覚えがあります。英語のニュアンスって、なかなかわからないところがあるので、この種の説明は興味深いです。

松本道弘 さくら舎 2020年11月12日発行