白珠だより

札幌にて美人画と武者絵を扱っております白珠画廊のブログです。

感謝の一日

2016-03-27 | 画廊の様子
今日の一枚の絵  「春浅し」 岩田專太郎 1901~1974 木版


昨日までは雪の舞い散る寒い日が数日続いていたのに、今日は日曜日、
朝早くからお日様がまぶしくてぽかぽかの一日になりました。
「春はイースターから始まる」ってほんとうです。
風が木々の間からきらきら光って通りぬけて行きます。
湿った大地から小さな命が芽吹き始めました。
イースター(復活祭)が巡って来るのはその年の暦によってまちまちです。
今年は三月二十七日の今日に当たります。

イースターは十字架にかけられたキリストが三日目の日曜日に復活した
記念のお祝いをする日です。
イースターのシンボルは‘たまご’です。イースターエッグ~お誕生~復活
ですね。
キリスト教の家庭ではこの日、頂いた命に感謝をしてお祝いの食卓を用意します。
春の花と色とりどりに染めた‘たまごを’かごいっぱいにしてテーブルを飾り
ます。
ごちそうはジャガイモとひき肉のシェパードパイや揚げ菓子、ビスケットなど
この日定番のお料理を作って静かに食卓を囲んで楽しく過ごします。

復活祭  
    春の指がすみれの鼓動をさぐっている  深尾須磨子 
  
我が家のささやかなごちそうです。s・y


  

  シェパードパイと揚げ菓子のチェンチ



















ひひな遊び

2016-03-05 | 画廊の様子
三日のお雛さまの日にやっと少しだけ膨らみ始めた桃のつぼみが翌朝、
四日の早くに、たった一輪、そのピンクのまぶたをぷちっと開けました。
一日遅かったわねと話しかけてしまいました。
お節句には間に合わなかったつぼみたち。
ちょっとお手伝いをして暖かな部屋に引っ越してあげました。
するとその日のうちに次々と目を覚まして可愛らしい花びらで
ひな壇を飾ってくれました。

清少納言は「ちひさきものはみなうつくし~」と身の回りのどこにでもある
小さなものに目を向けて慈しみの心を傾けました。何も何もちひさきものはみな
うつくし~と。
その中の一つに~ひひな(雛)の調度~が挙げられています。
ひひなは人形のこと、調度はお道具。貴族の男子の遊びは蹴鞠、
女子はお人形遊びのおままごと。
そしてさらに清少納言は~過ぎにしかた恋しきもの~と幼い日々を懐かしみます。
現代の雛人形飾りは江戸時代になってから創られたものですから当時は紙の
お人形遊びだったのでしょう。
枕草子のうつくしきものの段には清少納言の小さな幸せを拾い集める
人生の喜びがあふれているように思われます。

今日の一枚の絵  「ひひな遊び」  竹久夢二  リトグラフ

桃は中国故事に「三千年に一度だけなる実を仙女西王母が漢の武帝に献じた」と
あり、それが日本にも伝わってきて、その生命力、霊力が悪鬼や邪気を祓うと
信じられました。
平安時代、宮中では三月三日の上巳の節句に桃の花びらをお酒に浮かべた「桃の盃」を
酌み交わし邪気を祓う習わしとなり、後にこの日を「桃の節句」と呼ぶようになったそう。
そうして多くの歴史書や物語、歌集などに「桃」が愛し気なもの、美しいもの、強くて
永遠なる命の象徴として登場することになりました。

明日はお雛さまを片付けなければ・・・・・s・y


        のこった、のこった!