白珠だより

札幌にて美人画と武者絵を扱っております白珠画廊のブログです。

お便り

2010-04-27 | 画廊の様子


「クロッカスが咲きました」という書き出しで不意に手紙を書きたくなりぬ  俵万智

数日前のこと。「お庭のクロッカスが咲いたのよ」と母の弾んだ声を聞いて、大好きなこの短歌を思い浮かべました。

メールをポンと送信するのではなくて、便箋に今日見つけた春を乗せてポストに投函しようかな。
そんな気持ちになりました。


  今日の一枚 『お便り』宮下 寿紀


Ruri




大きくなあれ!

2010-04-23 | 画廊の様子


美味しい春野菜が出回ってきました。心も身体も緑を欲しがっています。体に良いものは美味しいと感じられると言います。
冬には新陳代謝が低下して体の中に老廃物いわゆる毒素が溜まってしまいますが
それらをすっきり体外へ送り出すデトックスの役割をしてくれるのが春野菜です。
きやべつ、たまねぎ、葱、三つ葉、たけのこなどなど美味しくて食卓を囲む家族を幸せな気持ちにしてくれます。
自然は私たち生き物に必要なものをしっかりと与えてくれるのです。
旬のものはまさに自然からの贈り物、その折々の私たちの体にぴったり合っているのですね。
               

人の体ばかりではなく我が家のワンコとにゃんこ達の健康も気になります。
彼らの体にいいもの、やさしいものと思いつつも、私はとてあまーい母親?なのです。
彼らには人と違って食べてはいけないものがたくさんあります。
そこで「デトックススプラウト」という元気と綺麗の素を毎日、私と一緒に
それぞれの食事にほんの少しづつ混ぜて飲ませることにしました。新陳代謝や解毒の働きが良くなったのでしょうか、
二週間ほどで順調なお通じがあるようになりました。
人と同じように排気ガスや添加物、洗剤などの体内に悪いものが溜まっていては病気の素になってしまいますもの。
              
春は心や体をリセットする時でもあります。
何時でも健やかな体と静かな心を持っていたいと思いますがさまざまなことが日々起きてそうはまいりません。  
心と体の内から出てくる声を受け止めて丈夫な体と強い心を家族一人一人が持てる様に毎日の食卓を大切にしたいと思います。 

    こどもの日も間近かです。小さなこのこたちも元気に大きくなあれ!                                     s・y
         

               



春青む

2010-04-14 | 画廊の様子
草色の手ぬぐいが染め上がってきました。
七宝文にかくれうさぎの文様です。

草色は若草色が葉緑素を増して濃くなった色であると色の手帖にありました。
春真っ盛りの色といえましょう。
これをしっとりと露を含んだ青い香りの草原に見立てて野点のおままごとを遊んで
みました。うさぎたちも楽しそうです。

七宝文は仏教の七宝に由来した有職文で、全体に円が描いており、
どの円も四分の一づつ重なりあって連続しているので七宝つなぎともいわれます。
染め方は板締といって生地を折りたたみ二枚の板ではさみ硬く締め付けて染料を注ぎます。
生地を広げると折り目を中に模様が対照に連なってあらわれる仕組みになっているそうです。

若草、若苗、若葉、鶯、苔、萌黄、草色等など数え切れないほど「みどり」がありますが、
どの名前の「みどり」にも厳しい冬に耐えやがてやって来る希望の春、命の動き始める春を
待ち望み讃え楽しむ心にあふれています。あなたのおすきな「みどり」の名は?

みどりいろは古くは「あお」といったそうです。青春の青ですね。
いつでも青春の一日のように明るく心晴れやかに美しくありたいものです。


   手につみていつしかも見む紫の根にかよひける野辺の若草
                       源氏・・・  若紫

                   s・y

Spring Shower

2010-04-04 | 画廊の様子


   風や雪や、埃や雨が入れ替わる騒がしいお天気が長く続いていました。
     春分の日を過ぎてやっと地球の半分上にお日さまが帰って来ました。
     
     今日はEaster(キリスト教の復活祭)の光に満ちた朝でした。
     この日で冬はお仕舞いといたしましょう。                        
     北風はゆっくりと温かな東風に、雪は小さな命を育てるやさしい雨になって
     春の喜びを運んで来てくれることでしょう。  

春雨が降り注ぐ度に、木の芽草の芽が膨らみ春を待っていた人の心にその香りが染みとおります。
春時雨が通り過ぎると鮮やかな色彩が露の珠を滴らせて輝きます。

Aprilは開くという意味があるそうです。北国の春の扉を開けてくれるのは光と雨です。
そよ風と花と緑が一斉に輝きだすその瞬間がなんと待ち遠しいことでしょうか。

今日の一枚の絵  風俗東之錦   「雨中  湯がえり」 鳥居清長 (1752~1815)  
                                   ー大江戸の町人芸術浮世絵の最高峰ー
                  

湯帰りの女性達の珠の肌にしっとりと降り注ぐ雨はやさしげにそのほてりを静めてくれます。
まさに雨を帯びた桃梨~雨に濡れていっそう美しく映える桃や梨の花のような人~を
描いた美人画の傑作です。
               
                 s・y