白珠だより

札幌にて美人画と武者絵を扱っております白珠画廊のブログです。

羞花閉月

2014-10-06 | 画廊の様子
今宵の月影は惜しみなくこの地上に注がれて、それはそれは美しい
十三夜です。
澄み渡った深い漆黒の中に浮かんだ金色の鏡のようです。
「お月さま幾つ、十三七つ、まだ年しゃ若いな」とわらべ歌が
あるように、少し歪な若々しいお月さまです。
二夜の月(十五夜と十三夜)を眺めると佳いことがたくさんある
そうな。


羞花閉月~その美しさに花は恥じらい月は隠れてしまうほどの美人のこと。
夢二の描いた恋人たちは彼の理想の羞花閉月だったのでしょうね。

明日は十四夜の待宵の月、満月の後は十六夜の月、月の和名は美しく
続いていきます。

  風は清し月はさやけしいざ共に
       踊り明かさむ老いの名残に  良寛

明後日は二十四節気の寒露、月の滴を浴びた秋草はいっそう鮮やかな
秋の襲の色目をその身に纏うことでしょう。

今日の一枚の絵  「秋の贈りもの」  竹久夢二  松永版  木製版画


  秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七草の花
                    山上憶良

       お月さまのお供え           s・y