白珠だより

札幌にて美人画と武者絵を扱っております白珠画廊のブログです。

幟もかをるこどもの日

2014-05-05 | 画廊の様子
今日は若葉が光り花の雲が沸き立って春爛漫の佳きこどもの日でした。
こども好きでこどもを守る子供神のお話を一ついたしましょう。
  
  遠野の久保というところの観音様は馬頭観音であった。
その像を子供たちが持ち出して投げ転ばしたり、橇にして乗ったり
して遊んでおったと。
それを見た別当殿が出て行ってしこたま子供たちを叱ったすぐその
晩に別当殿は病んだ。
巫女に聞いてみたら、観音様と子供たちがせっかく面白く遊んでいた
のにお節介をしたのがお気にさわったというので別当様は早速詫びを
入れると病は良くなったと。
これは、その中の子供の一人であった爺様の話であったと。
                  遠野物語より

他にも、子供たちが阿修羅様や、十王様、大師様、姥神様の像と遊ん
でいるところを咎めたものはたいへんな病にかかり、枕神に立たれた
神様にお叱りを頂いて早速お詫びをして許され病が治ったという。
それらは、その時そこで遊んでいた子供や巫女によって伝えられた
話ということです。
神様はこどもと遊びこどもを大切に守ってくれるのですね。

民話は素朴であるけれど真実の力強さを持って語られていると
つくづく思います。

今日の一枚の絵 「春のおくりもの」 竹久夢二 ポストカード
  夢二は童話や絵本、雑誌、楽譜本などの挿絵やデザインを手がけ、
  画家としてまた詩人として幼いこどもたちにも愛と夢と涙の
  おくりものをとどけました。

今、北の街は桜が満開でまばゆいほどです。  

花の命は短くて苦しきことのみ’おおかりき’と芙美子は詠い、
後に’おおかれど’と明るく余韻を繋げたそう。
花の雨はいっそう美しいのかも知れません。 s・y


蓬のお餅にやさしい甘味の餡が包まれている笹団子、五月の香りが
桜前線に乗ってきました。花より団子かしら。