ここは東海道二十番目の宿場町、鞠子宿の宇津谷峠。
十五、六軒もの茶店が軒を連ねていてどの店も峠越えの旅人で大繁盛。
時は安政元年、江戸も終わりの雪の峠、艶やかな紅の襷で袂を絡め
前垂れを締めて甲斐甲斐しくお茶を運んでいるのはお店の看板娘。
そうして大よそ百六十年後のお正月、この箱根の山を色鮮やかな襷が
風を切って駆け抜けて行きました。
大正時代から始まった晴れやかな新春恒例の大学駅伝は若者の汗と
涙のドラマが繰り返されて今年も私たちの胸を打ち、喜ばせ、また
泣かせてくれました。
それぞれの母校の名誉を背負い栄光を目指して走る若者たちの胸には
肩にかけたこの一本の襷を何が何でも最後のゴールまで絆ぐことです。
襷の歴史は天の岩屋戸の前で天のうずめの命が日蔭葛を襷にして
踊ったのが始まりだとか。そういえば埴輪の兵士も襷をクロスして
かけていましたっけ。
巫女が神様に御膳を献ずる時には腕を襷で吊って持ち上げ、ご奉仕と
物忌の標しとするそうです。
先の伊勢神宮の御遷宮の際の神事が数秒TVで放映されて
神官たちが浄衣に襷を掛けている姿を垣間見ることが出来ました。
燃える松明の明かりに映し出されたその光景は大変美しく神秘的でした。
箱根駅伝は今年も桜、松葉、えんじ、紫紺、赤、白、等などの
襷が手に汗握る熱戦を繰り広げ、ついに勝利の女神は鉄紺に微笑みました。
若者たちの清々しい笑顔、苦しみぬいた呼吸と胸の鼓動の力走に心から
乾杯を捧げました。
さて、お江戸に戻って、東海道中の旅人たちはここ鞠子の宿で一服、
滋養たっぷりの名物、とろろ汁と襷がけの看板娘にその疲れを癒されて
次の宿場へと向かったことでしょう。
梅若菜まりこの宿のとろろ汁 芭蕉
今日の一枚の絵 双筆 東海道五十三次 鞠子の宿
歌川広重、歌川豊国(三代)江戸後期 木版
箱根の山は天下の険と恐ろしい山谷をものともせずに
越えて行くのが男だと唱われ、傍や三度笠に縞の合羽で
いやだねったら、やだね♪と歌う半次郎もいます。
箱根の名物に箱根八里の半次郎と言うどら焼きがあるそうな。
食べてみた~い。 s・y
今日のお菓子はりんごのデイープパイにアイスクリームを添えてみました。
十五、六軒もの茶店が軒を連ねていてどの店も峠越えの旅人で大繁盛。
時は安政元年、江戸も終わりの雪の峠、艶やかな紅の襷で袂を絡め
前垂れを締めて甲斐甲斐しくお茶を運んでいるのはお店の看板娘。
そうして大よそ百六十年後のお正月、この箱根の山を色鮮やかな襷が
風を切って駆け抜けて行きました。
大正時代から始まった晴れやかな新春恒例の大学駅伝は若者の汗と
涙のドラマが繰り返されて今年も私たちの胸を打ち、喜ばせ、また
泣かせてくれました。
それぞれの母校の名誉を背負い栄光を目指して走る若者たちの胸には
肩にかけたこの一本の襷を何が何でも最後のゴールまで絆ぐことです。
襷の歴史は天の岩屋戸の前で天のうずめの命が日蔭葛を襷にして
踊ったのが始まりだとか。そういえば埴輪の兵士も襷をクロスして
かけていましたっけ。
巫女が神様に御膳を献ずる時には腕を襷で吊って持ち上げ、ご奉仕と
物忌の標しとするそうです。
先の伊勢神宮の御遷宮の際の神事が数秒TVで放映されて
神官たちが浄衣に襷を掛けている姿を垣間見ることが出来ました。
燃える松明の明かりに映し出されたその光景は大変美しく神秘的でした。
箱根駅伝は今年も桜、松葉、えんじ、紫紺、赤、白、等などの
襷が手に汗握る熱戦を繰り広げ、ついに勝利の女神は鉄紺に微笑みました。
若者たちの清々しい笑顔、苦しみぬいた呼吸と胸の鼓動の力走に心から
乾杯を捧げました。
さて、お江戸に戻って、東海道中の旅人たちはここ鞠子の宿で一服、
滋養たっぷりの名物、とろろ汁と襷がけの看板娘にその疲れを癒されて
次の宿場へと向かったことでしょう。
梅若菜まりこの宿のとろろ汁 芭蕉
今日の一枚の絵 双筆 東海道五十三次 鞠子の宿
歌川広重、歌川豊国(三代)江戸後期 木版
箱根の山は天下の険と恐ろしい山谷をものともせずに
越えて行くのが男だと唱われ、傍や三度笠に縞の合羽で
いやだねったら、やだね♪と歌う半次郎もいます。
箱根の名物に箱根八里の半次郎と言うどら焼きがあるそうな。
食べてみた~い。 s・y
今日のお菓子はりんごのデイープパイにアイスクリームを添えてみました。