白珠だより

札幌にて美人画と武者絵を扱っております白珠画廊のブログです。

いょ~播磨屋!

2014-07-27 | 画廊の様子
暦は二十四節気の大暑、今日は久しぶりの雨降り、雨脚が
静まった夕方にはわずかに陽が差し、西の空に浮かんだ吊し雲の
底が茜に染まりました。
七月の雨は紫陽花を濡らす雨、花びらの水玉がいっそう光ります。

深緑の香り立つこの月の初め、教育文化会館ホールに拍子木の冴えた
音が響き渡り、黒,柿、萌黄の太い縦縞の引幕が下手から上手に一気に
開かれました。華やかな歌舞伎舞台の登場です。
この日の演目は「双蝶々曲輪日記~の角力場」と「傾城反魂香~土佐
将監閑居の場」で義太夫狂言の傑作です。

双蝶は人気力士濡髪長五郎と素人力士放駒長吉のおかしな取組から
始まる物語です。長の名がつく二人なので双蝶々と洒落たのでしょう。
濡髪は吉右衛門、黒縮緬の美しい姿とゆっくりとした相撲言葉が
見る人の心を掴みます。
放駒は歌昇、紫に桜の若々しい姿です。

傾城は言葉の不自由な絵師又平と口の達者な女房おとくの情愛と
それがもたらす奇跡のお話です。
又平演じる又五郎は歌昇との襲名披露の公演でもあり、中で舞う
大頭の舞いは心に重いテーマにも関らず幕切れには晴れやかになって
客席を湧かせます。

歌舞伎と相撲は江戸の二大興業物で,力士が活躍するお芝居が
いくつかあります。「め組の喧嘩」などは三名優が演じたとか。

彼の漱石先生も「相撲は芸術」と言って大の相撲フアンだったそうな。

お江戸のアイドルは与力と町火消しと力士で「江戸三男」と
云われていたそう。
平成の勢関とか遠藤関かしら? キヤー!     s・y


  今日の一枚の絵 「夏姿」 宮下柚葵  肉筆


  公園の白い紫陽花が微笑んでいます。