夜中の地震の揺れそして停電が長い長い時間のように思われました。
懐中電灯と携帯電話のわずかな光、小型ラジオの小さな声がどんなにか頼りに
なったことでしょう。
待ち遠しかった夜明けがやって来て朝の光が家の中に射しこみました。
小さなものがそこここに転がっていたけれど、大きなものは無事でした。
あ、足元になにかしら。これこれ、西郷どん!
箪笥の人形ケースのガラス戸がすれちがいに開いて隙間から落ちたのでしょう。
大きな瞳を見開いています。これくらいの揺れではびくともしない男子ですもの。
黒いダイヤと呼ばれ親しまれたたその瞳は真っ直ぐに新しい時代を夢に見つめて
いました。
その焔のように燃え尽きた生涯は正義と友情のためなら鬼にもなったことでしょう。
維新の豪傑と言われ、世の中を一心に見続けた瞳は今も人々を魅了しています。
今夏、地球に大接近した赤い星は焔星と呼ばれる火星です。
赤く燃える石~透き通った輝きで東南の空にあり、見上げる私たちを見守っています。
西郷どんは明治十年、西南戦争を起こし政府軍と戦い半年の後に虚しく敗れて
城山で自決しました。
この年、九月三日に火星が地球に最接近し、夜空に不気味に輝やきました。
人々は「西郷が星になった」と語りあったと言うことです。
それから火星は「西郷星」とも呼ばれるようになりました。
ゴッホの「星月夜」の夜空に描かれた美しい色の波のなかに秘かに紅い輝きを放つのは
火星~Mars.の光なのでしょうか。
この夏、カーネリアン~紅い石、瑪瑙が夜空に輝いているのを眺める度に、胸がきゅんと
なるのを楽しみました。 s・y
秋ですね。
懐中電灯と携帯電話のわずかな光、小型ラジオの小さな声がどんなにか頼りに
なったことでしょう。
待ち遠しかった夜明けがやって来て朝の光が家の中に射しこみました。
小さなものがそこここに転がっていたけれど、大きなものは無事でした。
あ、足元になにかしら。これこれ、西郷どん!
箪笥の人形ケースのガラス戸がすれちがいに開いて隙間から落ちたのでしょう。
大きな瞳を見開いています。これくらいの揺れではびくともしない男子ですもの。
黒いダイヤと呼ばれ親しまれたたその瞳は真っ直ぐに新しい時代を夢に見つめて
いました。
その焔のように燃え尽きた生涯は正義と友情のためなら鬼にもなったことでしょう。
維新の豪傑と言われ、世の中を一心に見続けた瞳は今も人々を魅了しています。
今夏、地球に大接近した赤い星は焔星と呼ばれる火星です。
赤く燃える石~透き通った輝きで東南の空にあり、見上げる私たちを見守っています。
西郷どんは明治十年、西南戦争を起こし政府軍と戦い半年の後に虚しく敗れて
城山で自決しました。
この年、九月三日に火星が地球に最接近し、夜空に不気味に輝やきました。
人々は「西郷が星になった」と語りあったと言うことです。
それから火星は「西郷星」とも呼ばれるようになりました。
ゴッホの「星月夜」の夜空に描かれた美しい色の波のなかに秘かに紅い輝きを放つのは
火星~Mars.の光なのでしょうか。
この夏、カーネリアン~紅い石、瑪瑙が夜空に輝いているのを眺める度に、胸がきゅんと
なるのを楽しみました。 s・y
秋ですね。