白珠だより

札幌にて美人画と武者絵を扱っております白珠画廊のブログです。

初鏡

2018-01-20 | 画廊の様子
今日はもう正月二十日、新年の祝い納めです。
日本中のそれぞれの地方で様々な行事を終え、お正月のお供え物を
残さず感謝して頂き、新しい力にしてスタートする日です。
お正月は心をリセットする大切な一年の節目です。

子供の頃の元旦の朝には、枕元に新しい下着と母の手編みのセーターが
おいてありました。
冷たい空気の中でそろそろと着替えると心も体もすっきりとして
子供ながらに何か新しいことを始めたいなと張り切ったものでした。
髪にリボンを結んで寒いけれどスカートをはいて、お行儀よくふるまったのは
幼い女の子の新しい年への一歩を踏み出す意気込みだったのでしょうか。

春を寿ぐために、一番に良い着物、新しい着物に袖を通して美しく装うのは
その昔、春衣、正月小袖といってそれを纏う歓びは特別だったことでしょう。

平安貴族の女房たちは季節の色を衣に映して楽しみました。
春着の襲の色は先ずは「梅」~表は白梅で裏は蘇芳~、次は「紅梅」~紅梅で
裏は蘇芳~など。
「若草」~表は薄青で裏は濃き青~など。

  天武天皇とその妃藤原夫人の雪の日のラブレター

      我が袖に降りつる雪も流れゆきて妹が手下にい行き触れぬか

      梅の花ふり覆ふ雪を包み持ち君に見せむと取れば消につつ

今日の一枚の絵  「コンパクト」  宮下柚葵  肉筆

 初鏡  初化粧をする華やぎのある顔を写す鏡~その心

みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
ご挨拶が遅くなり大変失礼を致しました。
新しい年が佳き一年でありますようにお祈りいたします。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。  s・y