明けましておめでとうございます。慎んで新年のご挨拶を申し上げます。
今年もどうぞこの白珠の小部屋をよろしくお願いいたします。
大雪の朝、~いとつめたきころなれば、さしいでさせたまへる御手の
はつかに見ゆるが、いみじうにほひたる薄紅梅なるは「かぎりなくめでたし」と、
見知らぬ里心地には、「かかる人こそは、世におはしましけれ」と、
おどろかるるまでぞ、目守りまゐらする。~
あの冬の初め、内裏の登花殿に上がったばかりの清少納言は深い雪の朝、
この上もなく美しい中宮様にお目見えしたのです。
一生忘れられないそのお姿が心に深くきざまれたのでした。
「遺愛寺の鐘は枕をそばだてて聴き香櫨峰の雪は簾をかかげて看る」
それからしばらくして、雪が高く降り積もった日に「香櫨峰の雪はいかに」と
中宮様は清少納言に仰せになりました。
白楽天のあの詩句を宮さまはなぞかけになさったのです。
そっと進み出て御簾をかかげて雪景色をお見せした賢さに宮さまは満足なさり
微笑まれたのです。
お正月も七日、今日は七草のお節句です。ゆうべのうちにお支度をして
とろりと美味しいお粥をいただきました。
若菜の芽はまだまだ深い雪の中、でも、朝の光の中に微かな春の匂いがふうっと
心地よく漂っています。
年が明けてからはとても静かな日々です。夜のうちに新しい雪が少し積もって
朝日にきらきらしています。
月も星たちも夜のしじまの中をやさしく回ります。
雪も月も星たちも氷った夜空に生きる香しいものたちです。
今日の一枚の絵 「清少納言」 吉村忠夫 筆
國の華絵巻 その十一
お正月、二日の夕月と宵の明星
美しい夕暮れの空でした。 s・y
今年もどうぞこの白珠の小部屋をよろしくお願いいたします。
大雪の朝、~いとつめたきころなれば、さしいでさせたまへる御手の
はつかに見ゆるが、いみじうにほひたる薄紅梅なるは「かぎりなくめでたし」と、
見知らぬ里心地には、「かかる人こそは、世におはしましけれ」と、
おどろかるるまでぞ、目守りまゐらする。~
あの冬の初め、内裏の登花殿に上がったばかりの清少納言は深い雪の朝、
この上もなく美しい中宮様にお目見えしたのです。
一生忘れられないそのお姿が心に深くきざまれたのでした。
「遺愛寺の鐘は枕をそばだてて聴き香櫨峰の雪は簾をかかげて看る」
それからしばらくして、雪が高く降り積もった日に「香櫨峰の雪はいかに」と
中宮様は清少納言に仰せになりました。
白楽天のあの詩句を宮さまはなぞかけになさったのです。
そっと進み出て御簾をかかげて雪景色をお見せした賢さに宮さまは満足なさり
微笑まれたのです。
お正月も七日、今日は七草のお節句です。ゆうべのうちにお支度をして
とろりと美味しいお粥をいただきました。
若菜の芽はまだまだ深い雪の中、でも、朝の光の中に微かな春の匂いがふうっと
心地よく漂っています。
年が明けてからはとても静かな日々です。夜のうちに新しい雪が少し積もって
朝日にきらきらしています。
月も星たちも夜のしじまの中をやさしく回ります。
雪も月も星たちも氷った夜空に生きる香しいものたちです。
今日の一枚の絵 「清少納言」 吉村忠夫 筆
國の華絵巻 その十一
お正月、二日の夕月と宵の明星
美しい夕暮れの空でした。 s・y