青時雨が通り過ぎる度に木々の枝が濡れた若葉をふるわせながら
深い緑に染まっていきます。
卯の花、ほととぎす、忍び音、早乙女、五月雨、玉苗、蛍、川辺、
夕月、五月闇……歌にちりばめられた一つ一つの言葉は清々しく、
そして美しく、日本の初夏の情景を余すところなく歌い上げています。
青葉に降り注ぐ雨の音は優しくつぶやくように聴こえます。
この時期は陰暦の五月、陽暦では今の六月にあたります。
雨が曳きも切らず降り続くと梅雨の空がちょっと恨めしくなります。
雨が止んだほんの少しの間におもてに出てみると、もやが立ち込めて
ひんやりとした中に白い影があちらこちらに揺れています。
「夏は来ぬ」と初夏の訪れを待ちかねて咲き始めるのは何故か
白い花たちです。
緑の雨にそぼ濡れる蝶の翅のような純白の花びらを散らすのはニセ
アカシヤ。
並木の花房が風に揺れるとロマンチックなランタンの燈が灯ったようです。
この純白の花はたくさんの小説や歌の中で甘くせつなく薫ります。
今日は近くの土手で卯の花に似た源平空木が満開なのを見ました。
初めは白い花びら、それがピンクに、そして真紅に染まっていく
花、今日はもう、すっかり紅白の源平の二色が混じりあって
初夏の晴れ着の装いでした。
なんだか佳いことがあるかしらと重くなりかけた心がいっぺんに
軽くなりました。
そうそう、蛍も源氏蛍と平家蛍がいましたわ。紅白でおめでたい。
卯の花の咲き散る丘ゆほととぎす鳴きてさ渡る君は聴きつや
聴きつやと君が問はせるほととぎすしののにぬれて此ゆ鳴き渡る
万葉集
今日の一枚の絵 「蛍」 宮下柚葵 肉筆
近くの農場にて、散歩中の一瞬の晴れ間に… アカシヤの花房、白菫、white clover
s・y
卯の花襲 表は白 裏は青・・・緑の葉に純白の花
深い緑に染まっていきます。
卯の花、ほととぎす、忍び音、早乙女、五月雨、玉苗、蛍、川辺、
夕月、五月闇……歌にちりばめられた一つ一つの言葉は清々しく、
そして美しく、日本の初夏の情景を余すところなく歌い上げています。
青葉に降り注ぐ雨の音は優しくつぶやくように聴こえます。
この時期は陰暦の五月、陽暦では今の六月にあたります。
雨が曳きも切らず降り続くと梅雨の空がちょっと恨めしくなります。
雨が止んだほんの少しの間におもてに出てみると、もやが立ち込めて
ひんやりとした中に白い影があちらこちらに揺れています。
「夏は来ぬ」と初夏の訪れを待ちかねて咲き始めるのは何故か
白い花たちです。
緑の雨にそぼ濡れる蝶の翅のような純白の花びらを散らすのはニセ
アカシヤ。
並木の花房が風に揺れるとロマンチックなランタンの燈が灯ったようです。
この純白の花はたくさんの小説や歌の中で甘くせつなく薫ります。
今日は近くの土手で卯の花に似た源平空木が満開なのを見ました。
初めは白い花びら、それがピンクに、そして真紅に染まっていく
花、今日はもう、すっかり紅白の源平の二色が混じりあって
初夏の晴れ着の装いでした。
なんだか佳いことがあるかしらと重くなりかけた心がいっぺんに
軽くなりました。
そうそう、蛍も源氏蛍と平家蛍がいましたわ。紅白でおめでたい。
卯の花の咲き散る丘ゆほととぎす鳴きてさ渡る君は聴きつや
聴きつやと君が問はせるほととぎすしののにぬれて此ゆ鳴き渡る
万葉集
今日の一枚の絵 「蛍」 宮下柚葵 肉筆
近くの農場にて、散歩中の一瞬の晴れ間に… アカシヤの花房、白菫、white clover
s・y
卯の花襲 表は白 裏は青・・・緑の葉に純白の花