夕空にぽっかりと浮かんだ月の船が日を数えてふっくらとした丸みを
増しやがて鏡のような光を放つ見事な満月となって輝きます。
昔、むかし万葉のころよりもっと昔から日本人は月を霊光として崇めたり、
また心のうちを証したり、お月様と呼んでその光のなかに様々な夢物語を
創りだしてきました。
平安時代の終わりの頃、新羅三郎義光と言う弓術と笙の名手が
おりました。
義光は若き日に笙の名人、豊原時元からその子時秋が幼少のために
家伝の秘曲を伝授されました。
月日は流れ、義光は後三年の役の戦いに苦戦をしいられていた兄、
八幡太郎義家のために援軍を率いて京から奥州へ向かいました。
これを聞き、成長した時秋は義光がもしや戦死をすれば笛の秘曲が
絶えてしまうと義光を追って行きました。
足柄峠で追いついた時秋にその志を察した義光は「我は武のため
貴殿はこの道のため」と中秋おぼろ月夜の下、秘伝の二曲を
授けたのです。
この夜の笙の音色を無念無想ただ嫋々ーじょうじょうと
伝えられています。
笙の音は天から差し込む光、その姿は翼を立てて休んでいる
鳳凰に見立てられたと言われます。
今日の絵皿 新羅三郎義光 「笙の秘曲を豊原時秋に授ける」
九谷焼 ー絵柄は窓絵ー
白い空間に絵を描き周りを幾何学模様で飾る。
九谷焼は日本の油絵と言われています。
バトンを渡す、そして受ける、この瞬間を遥か天から見守る月が
それを確かなものにしています。この絵が胸を打ちます。s・y
ゆくへなく 月にこころの 澄みすみて
はてはいかにか ならんとすらん 西行
増しやがて鏡のような光を放つ見事な満月となって輝きます。
昔、むかし万葉のころよりもっと昔から日本人は月を霊光として崇めたり、
また心のうちを証したり、お月様と呼んでその光のなかに様々な夢物語を
創りだしてきました。
平安時代の終わりの頃、新羅三郎義光と言う弓術と笙の名手が
おりました。
義光は若き日に笙の名人、豊原時元からその子時秋が幼少のために
家伝の秘曲を伝授されました。
月日は流れ、義光は後三年の役の戦いに苦戦をしいられていた兄、
八幡太郎義家のために援軍を率いて京から奥州へ向かいました。
これを聞き、成長した時秋は義光がもしや戦死をすれば笛の秘曲が
絶えてしまうと義光を追って行きました。
足柄峠で追いついた時秋にその志を察した義光は「我は武のため
貴殿はこの道のため」と中秋おぼろ月夜の下、秘伝の二曲を
授けたのです。
この夜の笙の音色を無念無想ただ嫋々ーじょうじょうと
伝えられています。
笙の音は天から差し込む光、その姿は翼を立てて休んでいる
鳳凰に見立てられたと言われます。
今日の絵皿 新羅三郎義光 「笙の秘曲を豊原時秋に授ける」
九谷焼 ー絵柄は窓絵ー
白い空間に絵を描き周りを幾何学模様で飾る。
九谷焼は日本の油絵と言われています。
バトンを渡す、そして受ける、この瞬間を遥か天から見守る月が
それを確かなものにしています。この絵が胸を打ちます。s・y
ゆくへなく 月にこころの 澄みすみて
はてはいかにか ならんとすらん 西行