眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

風鈴の声

2024-06-30 | 
君がいなくちゃ僕は僕でいられないよ
 青い林檎を齧りながら君がくすくす笑った
  僕はジャックダニエルの甘い香りを匂い
   喉元に流し込んだ
    深夜2時で夜明けの前触れ
     戯言を交わす呼吸で
      君はフィリップモーリスに灯を点ける
       
       ねえ
        その楽器は誰の記憶なの?

        君が囁き安眠を促す
         林檎の酸味の舌触りで
          僕は地上を俯瞰した
           電気信号だよ
            唯の

            ぴぴぴ

            お日様を願う月の引力
             僕等はあの日誰かに処遇された
              鎖で繋がれた両手を
               必死に足掻いた
                やがて血が流れ
                 僕等はくすくす笑うのだ

                 君が作ったしおりを
                  ルー・リードの詩にはさんだ
                   世界は自転し公転し
                    僕等はあの緑の草原へ急いだ

                    どうして君は
                   マルクス・アウレリウスの「自省録」を
                  片時も手放さなかったのだろう
                 僕は苦しい記憶を辿り
                世界の中心点で
               古臭いギターを奏でるのだ
              静かに 
             片時も側を離れないでよ

            ぴぴぴ

           残留思念が交差する赤信号
          往来を行き来する群集の群れが
         激しく意義を唱える
        僕等は
       街の喧騒から遠く離れた草原で
      強い風に吹かれた

     ね
    もしも

   君が哀しげに僕の言葉を塞いだ

  哀しいけれど
 この世界にもしもという不確定要素は存在しないんだ
君がいて
 僕がいない様にね
  
  風鈴の歌
  
   風がそよぐ

    ちりんちりん

     君が狐の面を被り
      赤い舌を出す

       ごめん
        電波が乱れているんだ
         君の声が聴こえない

          君はくすくす笑った

           それでいい

            それでいいんだよ

             僕等の声は届かない

              柔らかな嘘と欺瞞の世界

               甘ったるいバーボンの香りに似て

                地上に降り注ぐ乱立したテーゼ

                 厚い夏の日の午後

                  レモネードの酸味と

                   風鈴の声

                    永遠に続く

                     君の声


                     くすくす


                      くすくす


                       やがて何時か

                         
                        本当の朝に目覚めるまで























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