眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

少年

2008-04-13 | 
青い孤独が空を満たした瞬間
 蝉の声が止まない
  何度も夢を見て
   汗をかいて飛び起きた
    喉がひどく渇いた

    誰とも喋りたくないと少年が拒絶し
     運動場の真ん中に円を描き込む
      いったい誰に向かい
       電波を流すというのだろう
        とっくに夕焼けのおれんじ色だ

     僕ができる事といえば
      ハンバーガーとコーラを差し出すことくらい
       皮肉の嘲笑で観客達は
        彼のかばんを隠したのだ
         舌を出し
          皆が帰ったあと
           彼はかばんをさがさなくっちゃならない
            過酷な宝探しさ
             猫だけが一緒に探してくれたのだ

     いいかい?
      誰が犯人で誰が被害者なのか?
       どうしてお金持ちが夜食の献立に迷い
        少年がパンの切れ端で神を祝福するのだろう?
     それとも
      そんなことなんて当たり前すぎて
       誰もが無関心を装うのだろうか?
        まるでカメレオンの如く
         くるくるとその色を変えて

       やがて夜の帳が訪れる
        星たちは少年の味方だった
         月が微笑み
          柔らかな灯りを照らす
           少年は
            はっか煙草に灯を点け
             星を見上げて
              独り言を呟く

        図書館の本の匂い
        古びた水族館の
        水の中を通り抜ける魚の尾びれ
        噴水は広場の中心に在って
        そうして少年の時間は
        隠されたかばんの記憶を
        永遠に見つけ出すことができない


        言葉は嘘だ

        最後に少年が呟く

        てくてくと

        何も持たずに月夜を歩く

        少年





         



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