眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

欠落

2006-05-21 | 
廃墟と化した
 と、誰かが呟く街並みに
  入り口を探す午前二時

 グラスのワインが歪み
  夜景の下で
   今日は一日誰とも会話しなかった事に
    気付く

  いや
 確かに
僕は誰かと話していた筈だ
 ただ
  それが何なのか忘れてしまった
   一時間前か
    一週間前か
   不連続の記憶
  どちらにしても
 こころに残らなかったんだ

 記憶しているのは
  美術館のひんやりとした静けさ
   J・Sバッハばかりを流す
    喫茶店の珈琲の黒
   シャコンヌを聴いていた

  電話は繫がらない
 五度目の発信音を聴いて消した
  自身と他の誰かさん

  我と汝の対話

 後悔は無難だね
  傷口を舐める光景
   絶え間なく僕等は
    世界を吟味した 

  突然
   君が現れて笑ってくれたなら

    それが
   哀しい蔑みでも
  僕はしあわせな気持ちに浸れるのだろうか?

    それが
    渇いた
   哀しい笑いでも

  欠落した午前二時





      

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