眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

青い魚

2024-08-02 | 
表層から剥離される皮膚の残骸は
 優しい記憶
  穏やかなる忘却の果て
   世界が沈む頃
    林檎を齧る

    月が赤い
   レンズ越しに眺める視界の領域は
  あたかも仕事帰りに開けた
 缶ビールの宵の口
程ほどにアルコールが回り始め
 煙草に火を点け
  かかる筈も無い電話を吟味する
   時間は呆れるほどあるが
    人生は意外と足早さ
     キャンバスに青を塗りたくり
      友人はビールをよこせと騒ぎ立てる
       呆れた奴だ
        冷蔵庫を開いて缶ビールを放り投げる
       題名は?
      サカナだ。
     サカナ?
    そう。魚。

   表皮が一枚剥がれ落ちた
  
  気ずけば暗闇が街を覆う
 もう帰れない
こんな処にきたのはやはり間違えだったのさ
 フクロウが珍しく目を大きく開けて
  僕らの過ちを指摘する

   魚を探しているんです?
    サカナ?
     そう。魚 青い色をした奴。
      どうして魚を探すんだい?
       フクロウが尋ねる
        
       友達なんだ。大切な。

      石畳の広場にたたずんでいた

     街灯の青いランプの灯りで
    レンガの壁に
   魚の影が泳ぐ
  青色だ

   僕は叫ぶ
    どうして?僕を忘れたの?
     魚の幻影は悠然と泳ぎ
      空気を尻尾で打ちつけた
       ぱしゃり

      僕は青の魚の影を追いかけ
     路に迷う
    まるで子供のように

   どうして?僕を忘れたの?
  友達だった
 大切な

  酔いが醒めた
   
    僕は

   
コメント
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