眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

ロックンロール

2008-06-05 | 
悔しさを握りしめる手のひらの
 爪が刺さった
  ガラス細工のこころがひび割れる瞬間の
   あの音を想った
    不完全さの甘美な和音を奏で
     できるなら
      ひび割れた暮らしのあの重い幕を
       開いて見たかったのだ
        世界の刻印を解放したかった

        汚れた世界
       地を這う存在がささやく
      熟れた果実
     遠くの方を眺めて僕は云った
    たぶんね
   風が強すぎて僕のささやきは聴こえなかった筈だ
  たぶんね
 長い前髪に気をとられ
君の耳はその瞬間閉ざされていた筈だ
 風が冷たくなる頃
  独りきりで海を眺めた
   人口的に作り上げられた海岸沿いで
    砂に塗れて意識を空に飛ばした
     いっそこの風の冷たさが
      全ての体温を奪い去ってくれればいい
       そう想った
        失う感触はいつだってそうだ
         ガラスがひび割れ
          赤い涙を零す一すじの線
           悔しさを握りしめた

            この回廊の取り留めのなさ
             世界を支える象の置物
             
            峻別されたこの基準値の範囲で
           何が一体幸せなのだろう?
          選別的な恣意は気紛れな誰かの戯言
         勘弁してくれ
        付き合うつもりは毛頭ない
       世界の
      この世界の不条理など
     下らない道化の僕には
    安っぽいワインと煙草と音楽さえあればそれでいい
   近くのスーパーで特売の1980円で買える
  僕の人生
 皮肉な笑いは嫌いだったけどね
想うんだ
 何に怯え何に従うのか?
  悔しさを握りしめ
   徘徊した路地の名は
    ひとしきり降り注ぐ雨脚の靴音
     履き潰した革靴の
      革靴の内側に悔しさが降りしきる
       心が一杯になる
        だから
         夜の海を眺め酒を飲み煙草に灯をつけた
          日々が流れ行く
           僕らの存在価値などかまいもせずに
            

            ただそれだけ


          古臭いロックンロールを聴く理由







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