眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

眠る時間

2010-11-16 | 
切ない記憶の懺悔と
 いまだ咀嚼できぬ苦しみと引き換えに
  この平穏な日常の夜を抱え込んだのだ
   僕はアスファルトの路上の余熱に
    頬をこすりつけるように泥酔してみせた
     鼓動がする
      緑の法則によって
       耳鳴りが止まず孤独に幻滅した

        助けて
         そう云えなかった夜の時間
          不意に訪れる君との約束は
           果たされぬまま荒野に野ざらしとなり
            やがて化石の記憶として
             あのアンニュイな貴婦人のコレクションとなる
              夜
             やがて君の記憶は
            古臭いレコード盤と共に
           綺麗に並べられた棚の奥に陳列されるだろう
          歯磨きを忘れた罰さ
         マスクをした歯科医の声
        麻酔を施した筈なのに
       この痛みは生きている現世を列挙した
       
      理由を鑑みよ
     孤独であるべき理由に
    納得がいかなくとも僕らは今日の日を存在とす
   ただ
  助けてと云えない苦しみの果て
 乾いた砂埃の砂丘でおれんじ色の太陽を眺めた
手のひらに降りしきる理由の数々
 全体
  そのどれがより真実に近いのであろうか・
   描写が繊細な背景の写実には
    真実と呼ばれる擬似的な物語が
     あきらかに欠如していた
      みんな不安なのさ
       フクロウが呟いて目をくるくるさせた森の夜
        精霊たちのダンスにおどけた道化師の一人が
         多分二日前の僕のあるべき姿
          カタチを変えようとも
           愚らない雑事の多さが
            僕の存在の軽さを露呈するのだ


            もう眠る時間だ

            やがて夢を見るだろう
           僕は路上に嘔吐し続け
          やりきれない哀しみを飲み込むのだ
         そうして胃液と共に
        想いを吐いた
       雑居ビルの路地の界隈での寒さは
      コートの浸透圧に比例して不可逆的に冷気を浸透させるのだ

     よそう
    酔いの戯れは
   もう寝る時間だ
  良い子ははやく眠らなければ
 街角の記憶もやがて耐えられる類となるだろう

捨てられたのさ

 フクロウが皮肉に微笑した

  そうしてそれは真実にいちばん近い

   やれやれ

    そう

    眠る時間だ

     時間は眠らないのだろうか?

      酔いどれの永遠のテーゼ






     
コメント
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