眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

ストリート

2007-11-02 | 
妥当な線で折り合いをつける
 黒板に白墨で白線を流す
  境界線はどこだろう?
   有刺鉄線のこちら側か
    花壇にじょうろで水をまくあちら側か

     戦闘機の爆音がカーステレオの
      ハードロックよりも威圧的すぎる
       所詮
        音楽は無抵抗だったのだろうか
         深夜の公園でそうっとギターを爪弾く
          マリーンの若者達が
           小競り合いをするゲートの前
            僕らは店でハンバーガーを買い込み
             知らんふりでコーラを飲んだ

             MPが銃を持っている
              パトカーが紅い非常灯を照らす
               ハードレイン
                やがて雨が堕ちて来た

          僕らの世界はテレビの画面の青の中
         
         埋められたんだ この界隈も
        誰かがつぶやく
       やがてここにも滑走路ができる

      子猫が残り物のタコライスを味見する
     Yナンバーの車がやって来て
    10分ほどでメインストリートの方へ消えた
   街灯の下
  僕は煙草をくわえながら
 でたらめな唄を歌う
この無駄な時間に
 60億人ぶんの夢と挫折が交錯する
  誰もが正論を吐き
   誰かが泣いている
    誰かが飽食にうんざりし
     誰かが3日振りにパンの切れ端を口にする

      僕は
       やがて埋め立てられる浜辺で
        デタラメな唄を歌う

        君に会いたい

         ただそれだけ

          他のことは知らない

           ただ

           爆音の下

         君のささやくファルセットヴォイスの
          優しい歌に耳をそばだてるんだ
           野良猫の様に
            ぴんと耳を立てて


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脱出

2007-11-02 | 
抜け出した風景は
 隔離されていた世界とは
  想像以上に違っていて
   僕は
  数分 あっけにとられた

  中庭はベンチがあって
   そこで
    少年が
     ギターを抱え込みながら
      紙煙草と珈琲を
      面白く無さそうに
     交互に呑んでいた

   こんにちは
  
  そう云うと少年は
 神経質そうに前髪をかきあげて
僕の頭からつま先までを一瞬で観察した

  見ない顔だね
 ここでは

少年は煙草を僕にすすめた

 ここでは
見ない顔だね

 僕が居た所はなんだか息苦しくってね

 そういうと

 どこでもおなじだよ
 
   呟いて彼はギターを弾いた

    「グリーン・スリーブス」

    逃げ出した地平は
   だがしかし 
  やはり閉塞されているのだろうか?
 どこだっておんなじなのだろうか?
僕には分からない
 10年前も分からなかった
  いまだってもちろん分からない

   「ここ」の住人たちも
     やはり
      抜け出そうとしている
       抜け出そうとしている

   いちばんの望みは?

 少年は僕の顔を見て笑った

 公園の芝生でさ

  昼寝したいんだ

   なにも考えずにね

    なにも考えず


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