【69ページ】
和音は、ワイングラスを持った右手を顔の前で止め、このワインの放つ
イメージを語り始めた。
「大きく長いテーブルの奥に座っているのはシャルルマーニュ皇帝だろうか?
彼の前にはいくつもの白ワインが並べられている。赤ワインを造ることを禁じ
られた後、初めてシャルルマーニュ皇帝の畑から人々によって造られた白ワイン
である。」
白庭社長と草木は和音が何を話しているのだろうかと思った。
彼の話にはヴィンテージのことが触れられていなかった。
「シャルルマーニュ皇帝はそれらのワインをテイスティングしながら、これは
特上ワイン、これはうまいワイン、これはできの悪いワインと分けていた。
『同じ私の畑から造られる白ワインでも作り手によって、こんなにも味わいに
差が出るものだろうか?』と言っているように思える。」
ここまで話して、和音はワイングラスをテーブルに戻した。
「私が飲んだコルトン・シャルルマーニュは20種を超えるが、作り手によって
玉石が混ざっていました。ブルゴーニュのワインは同じワイン名でもひとつに
括って語ることができませんね?」
「ええ、括ることが・・・」
白庭社長が、相づちを打ちかけて、ハッとした。
「和さんのテイスティングしたワインは1999年だと?」
白庭社長は、思わずヴィンテージを言ってしまった。
和音は、ワイングラスを持った右手を顔の前で止め、このワインの放つ
イメージを語り始めた。
「大きく長いテーブルの奥に座っているのはシャルルマーニュ皇帝だろうか?
彼の前にはいくつもの白ワインが並べられている。赤ワインを造ることを禁じ
られた後、初めてシャルルマーニュ皇帝の畑から人々によって造られた白ワイン
である。」
白庭社長と草木は和音が何を話しているのだろうかと思った。
彼の話にはヴィンテージのことが触れられていなかった。
「シャルルマーニュ皇帝はそれらのワインをテイスティングしながら、これは
特上ワイン、これはうまいワイン、これはできの悪いワインと分けていた。
『同じ私の畑から造られる白ワインでも作り手によって、こんなにも味わいに
差が出るものだろうか?』と言っているように思える。」
ここまで話して、和音はワイングラスをテーブルに戻した。
「私が飲んだコルトン・シャルルマーニュは20種を超えるが、作り手によって
玉石が混ざっていました。ブルゴーニュのワインは同じワイン名でもひとつに
括って語ることができませんね?」
「ええ、括ることが・・・」
白庭社長が、相づちを打ちかけて、ハッとした。
「和さんのテイスティングしたワインは1999年だと?」
白庭社長は、思わずヴィンテージを言ってしまった。