@夫婦の離婚、負いきれない借金、子育てを諦め、家族を捨て逃亡など家族での問題が家族全員の人生を一変させ事件を生み出すミステリー小説だ。貧困の家族での事件事故はやむなく発生するのが悲しく哀れだと思う、がしかたがない。小説では不運にも起きた殺害事件を隠す為、正体を隠し、偽名を使い、極力人間関係を避け孤独を貫くなどどうにもできない環境が人生を狂わせることが多々あるのだと、努力だけでは報われない場合もあると、この小説を読んで思った。
『祈りの幕が下りる時』東野圭吾
「概要」明治座に幼馴染みの演出家を訪ねた女性が遺体で発見された。捜査を担当する松宮は近くで発見された焼死体との関連を疑い、その遺品に日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれていることに加賀恭一郎は激しく動揺する。それは孤独死した彼の母に繋がっていた。
ー30数年前の事件から逃れ、漸く一人の女性の演劇の集大成を結ぶ所で、事件の真相が暴かれ終焉となる、小説である。