美和山吹の川柳ブログ***「川柳歳時記」「川柳画」など。***

このブログを始めてから、11年がたちました。
「川柳歳事記」は、良い川柳を読む機会のない人のため載せています。

「データベース」(角)

2020-08-07 06:59:15 | データベース

プライドがお辞儀の角度浅くする
もう一度振り向く秋の曲がり角
丸四角妻の日記にある印
角曲がり上司の犬に蹴り入れる
曲がり角いくつも越えて八十路坂
曲がり角曲がり切れずに縄のれん
神さまの死角で駄馬のひとりごと
綿帽子角は出てない家の嫁
レモン転がる予想外の角度へ
頭角を現し友はいま我が師
恋心四角いものも丸く見え
愛されてまあるくなった四角形
三角を積んだら上が狙えない
正確な角度は誰もわからない
我が家へと折れる最後の角が好き
天空のどこを切っても角はない
どの角を曲がってみても向い風
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「川柳歳事記」

2020-08-07 06:58:03 | 川柳マガジン

友達も金銭だけは貝になる
病床の友へ明るく話せない
受話器取り生きてますかと言える友

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「川柳歳事記」

2020-08-06 07:08:09 | 川柳マガジン

孫を抱くその時年を知らされる
補聴器を年のせいだという見立て
年毎に物を減らして身支度を
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「川柳歳事記」

2020-08-05 07:06:01 | 川柳マガジン

ご用心きれいな花に秘める毒
子に残す美田がときに毒となる
医の進歩聞いて気になる副作用

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「川柳歳事記」

2020-08-04 07:09:58 | 川柳マガジン
天災
駆け下る水無川に土石流
近頃の天災ややこしエルニーニョ
大震災語る祖母の目惚けてない

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「データベース」(気のせい)

2020-08-03 07:09:29 | データベース
気のせい
気のせいか 妻の女子会 増え始め
病室のたぶん気のせいわらべ歌
“明日、有給” 妻の舌打ち 気のせいか
気のせいか 俺が構えりゃ 風が吹く
気のせいだ気のせいだおまえから死ね
気のせいか 何故か合コン 休肝日
気のせいか 草木がなぜか 弾んでる
気のせいか. 隣の塀が. 寄ってくる.
病院でいつも言われる気のせいだ
妻の愚痴 元気なせいと 聞き流す
痩せたよと 君は言うけど 気のせいだ
気のせいか令和で増えた大事件
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「川柳歳事記」

2020-08-03 07:08:15 | 川柳マガジン

手を添えてくれる嫁のあり坂を生く
添えられた医者の手温く柔らかい
添いなはれ夫婦の道は雲に似る

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「川柳歳事記」

2020-08-02 07:02:00 | 川柳マガジン
テレビ
虚を実に変えるテレビという魔法
婆ちゃんを原発通にしたテレビ
看護来て部屋のテレビを一人占め

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「老いて新鮮」松ひさし

2020-08-01 07:16:47 | 
ふたつの国
モッタイナイ国と呼ばれる国 モッタイナイが合言葉
古いけれどまだまだ使えるよ モッタイナイ モッタイナイ
自然と資源を大事にして恵まれた授かりものを残そう
モッタイナくて節約が進み商店や工場が国中で倒産
仕事がなくなって失業が増え
句には以前のように貧しく静かになった

マンゾク国と呼ばれる国 マンゾクが合言葉
ああ便利だね 楽しかったね マンゾク マンゾク
科学技術と経済を発展させて生活を快適にしよう
マンゾクしたくて浪費が進み食糧や資源が枯渇
公共機関やコンピュータも機能せず
国は生活苦と超不便社会になった

モッタイナイ国のその後
人々は物を大切にしその日その日の苦しい生活をしのぎ
モッタイナイの心で辛抱し先を信じて働いた
古老たちが言いだした言葉 国破れても山河や資源に希望あり
傾いた国が少しづつ立ち上がり明るい日が射し始めた

マンゾク国のその後
人々は暮らせなくなった町から野や山へ逃れたが
マンゾクばかり追った心と体はひ弱で荒れた野山に立てなかった
古老たちが言いだした言葉 及ばずは壊れず過ぎたるは壊れる
崩壊した国は廃墟と荒野のままで未来に向かっていた

「戯れ言」
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