Web句会特選句「朝」

Web句会の「朝」という題で詠まれた句について、どのような句が選ばれているか、簡単にチェックしてみた。
特選句と秀句を掲載する。

これを見ると、特選句を狙うなら、朝自体についって詠んだ句ではなくて、朝の○○、朝の入っていない句を詠むこと。
秀句を狙うなら、朝について詠む事。
朝という字が入っているだけでは、佳作にしかならない。

＠朝について詠んだ句（１７句、うち秀句６句）
金持ちも貧乏人も同じ朝
朝が来る地球自転の有り難さ
朝がまた来ると信じて床に就く
今日こそはいい日たれよと祈る朝
原爆忌忘れたように朝が来る
夜の明けぬ朝がまだ来ぬウイルス禍

＠朝の○○のように朝の何かを詠んだ句（４句、特選１句、秀句２句）
朝の音嫁が後継ぐ台所
ごくごくと朝の目覚めの水の味
雲間から群青冴えて朝の富士

＠朝を限定する熟語が入っている句（５句、秀句１句）
早朝の散歩オゾンを身にまとう

＠朝に関連した熟語で入っている句（１２句、うち特選１句、秀句１句）
朝食が美味い自信が溢れ出る
梅干しで朝がゆ食べて五十年

＠朝ではない朝が熟語で入っている句（４句）
朝顔、朝乃山など。

＠朝という字の入っていない句（９句）特選句が１句入っている。
皆無言ラッシュアワーの電車内

「川柳歳事記」

人形
襟首に火傷痕ある紙人形
しんしんと雪　人形に目を入れる
本性を曝すとみんな泥人形

Web句会（８月）

Web句会　時事川柳

税金でコロナばらまくキャンペーン　　　佳作
美和山吹

+体調が悪くて、ブログ更新ができない間も訪問してくださった方々、お礼申し上げます。

「川柳歳事記」

和む
家中で囲む湯気立つ朝ご飯
行き届く介護苦痛の日が和む
呱々の声漏れ来て緩む控室

「川柳歳事記」

流れる
点滴の流れいのちの音がする
満ち潮の流れに生命燦燦と
地の流れ確と産声抱く絆

「老いて新鮮」松ひさし

ヒゲを生やす

ヒゲを剃る
勤めに出る前に　友人に会う前に
人に不快な感じを与えないように
身だしなみをととのえる

身だしなみは大切と心得ているけれど
ヒゲを剃らないで生やす
俺はみんなとは違うという思い　自分の存在を誇示したいか
軽く扱われる立場や顔つきを　重みがあるように見せたいか
それとも威厳や風格でなく　滑稽で陽気に見せたいか
ヒゲの生やし方や伸ばし加減で印象が変わる
ヒゲを剃るのが面倒で伸びたままにする　無精ひげはむさくるしい

「繰り言」（つづく）

「川柳歳事記」

眺める
熱の日も眺めておれぬ台所
神さまは世の中眺め苦笑い
面接に穴のあくほど眺められ

「川柳歳事記」

治す
あの時の言葉に治療されて今
風邪癒えて昨日と違うモカの味
ボクのウツ治す妙薬ならお金

「川柳歳事記」

内緒
幼児期の麻酔のきかぬ内緒事
信じ合う仲に内緒はない暮らし
許される時が来てから吐く内緒

「老いて新鮮」松ひさし

ヒゲを生やす
ヒゲを剃る
勤めに出る前に　友人に会う前に
人に不快な感じを与えないように
身だしなみをととのえる

「繰り言」（つづく）