「川柳歳事記」

こだわり
有るがまま生きてこだわりなど持たぬ
延命の治療はせぬと通す意地
正露丸親子三代浮気せず

「川柳歳事記」

休診日
赤ひげは休まず村を診て廻る
休診日痛さは待てぬ置き薬
休診のタライ回しで死ぬ患者

「川柳歳事記」

気配り
傷が付く一人へそっと話題変え
傷心を癒やす時間を待ってやる
そっとしておいてあげようつらいんだ

Web句会

Web句会　時事川柳
閉会という追及の口封じ　　　　特選１
美和山吹

「川柳歳事記」

消える
絶滅のクニマス奇跡生きていた
手術中のランプが消えてホッとすっる
ひたすらに歩き淋しさ消している

「老いて新鮮」松ひさし

ふたつの国
モッタイナイ国と呼ばれる国　モッタイナイが合言葉
古いけれどまだまだ使えるよ　モッタイナイ　モッタイナイ
自然と資源を大事にして恵まれた授かりものを残そう
モッタイナくて節約が進み商店や工場が国中で倒産
仕事がなくなって失業が増え
句には以前のように貧しく静かになった

マンゾク国と呼ばれる国　マンゾクが合言葉
ああ便利だね　楽しかったね　マンゾク　マンゾク
科学技術と経済を発展させて生活を快適にしよう
マンゾクしたくて浪費が進み食糧や資源が枯渇
公共機関やコンピュータも機能せず
国は生活苦と超不便社会になった

（つづく）

「映像川柳」

藤井７段が初タイトルを奪取。
記録出すたびに師匠が顔を出す
　　　　　　　　　　　美和山吹

「川柳歳事記」

川
淋しい日春の小川が蹤いてくる　
幾年を水俣病の川となる
川百態同行二人さからわず

「川柳歳事記」

階段
「ご飯だよ」呼ばれるだけの上と下
にぎやかな階段の音も思い出に
歌壇が体の不調を知りつくす

「川柳歳事記」

カード
ジョーカーを握ってからの不整脈
ジョーカーを持たず進むと決めた道
氾濫のカードヒト科の失語症