「川柳歳時記

ずんずん
糠味噌にずんずん詰める減らず口
新燃岳噴煙ずんずん地を揺らす
降りしきる豪雪に耐え里に母

「映像川柳」

彼岸まで我慢のできぬ暑さかな
　　　　　　　　　　　美和山吹

「川柳歳時記

正月
元日の酒は今年の無事を飲む
書初めも意気込む腕に向かい風
小正月やっと雑煮で暖まり

「柳誌」雑詠

憎まれて憎んで愛は深くなる
「川柳さいたま」１２月号

「川柳歳時記

霜
霜よりも熊対策に狼煙上げ
霜注意農は案じて寝付けない
霜降ったような頭に苦労知る

「川柳マガジン」Web句会

チバニアンどんな犬かと聞いてみる
　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　美和山吹
「川柳マガジン」Web句会　ユーモア川柳　特選１

（選者のコメント）
考古学的に千葉時代が検証されました。平成30年は戌年。犬の種類に「アン」のつくのがありますね。干支にもひっかけて楽しい発想です。

「川柳歳時記

寒い
欲とかね絆が寒い遺産分け
懐の寒さ身に沁む定年後
己には負けてはおれぬ寒い朝

「老いて新鮮」 （松ひさし）

マダ氏とモウ氏

会社勤めをするマダ氏が呟く

まだ昼休みにならないか
まだ退社時間にならないか
まだ終末の土・日が来ないか
まだゴールデン・ウイークが来ないか

まだ子供達は小学生と中学生か　自立までは遠い
まだ住宅ローンの完済期は遠い
まだ勤めの定年は遠い　会社は先まで大丈夫だろうか

勤めを退き自宅で暮らすモウ氏が呟く

もう昼か　庭の草取りが終わらない
もう夕方か　借りた本が読み終わらない
もう燃えないゴミを出す日か
もう同好会の幹事役の当番か
もう町内会の集会所清掃の時期か
「繰り言」（つづく）

「映像川柳」

生活のリズムを作る電子音
　　　　　　　　　　美和山吹

「川柳歳時記

雑
いつも俺を慰めてくれる皮下脂肪
人魚の耳を食べて若返る兎
百の紅さしていくさするシクラメン