「川柳歳時記

触れる
こころまで濡れてるひとの肩を抱く
ゼロからを人の情けに触れて生き
新緑に触れて思わず深呼吸

「柳誌」雑詠

話したら笑われそうな悩み事

　　　　　　　　　　　「川柳さいたま」５月号

「川柳歳時記

ひどい
かくれても私にゃわかるシッポ出し
東北の春を奪った大鯰
今日もまたひどい音痴が露払い

「近詠」題詠

ロボットが名手を探す無限の手
　　　　　　　　　　題：無限
　　　　　　　　　　　美和山吹

「柳誌」雑詠

クラス会これが最後が合言葉
「川柳さいたま」５月号

「川柳歳時記

春
人間がまた好きになる春の酒
ひらひらと女を蝶にする春だ
人生の春は努力の果てに来る

「柳誌」雑詠

能弁が自己の主張に酔っている
　　　　　　　　　　　「川柳さいたま」５月号

「川柳歳時記

花時計
芝桜しあわせ祈る花時計
何時だって待ってばかりの花時計
花時計日本の今が止まってる

「近詠」題詠

AIに頭を借りる将棋界
　　　　　　　　　　　題：頭
　　　　　　　　　　　美和山吹

「柳誌」雑詠

善人の振りも潮時老い支度
「川柳さいたま」５月号