美和山吹の川柳ブログ***「川柳歳時記」「川柳画」など。***

このブログを始めてから、11年がたちました。
「川柳歳事記」は、良い川柳を読む機会のない人のため載せています。

「老いて新鮮」松ひさし

2019-03-23 07:35:02 | 
他人様に感心

幼いころからひ弱で運動は苦手
勉強ができるわけでもない
人前で話すことが恥ずかしく 歌うと調子はずれ
絵は 丁寧に描いても荒っぽく描いてみても下手な出来
それなら作文をと思っても 普通のこと分かり切ったことしか書けない
こんな俺にはなんの才能も無い 勤めがよく果たせたものだ

神さまが与えてくれた何かの才能が 誰にもあるらしいと聞いた
俺には何があるのか
力仕事も考える仕事も他人様のようには出来ない
他人様の優れた才能と努力の素晴らしさに感心するばかり
例えば 高級車を毎月何台も売り続ける営業マン
人間の内臓を活動させながら手術する医師
遭難が多い高峰を単独で登頂する青年
楽譜なしに聴いた記憶で長い楽曲を演奏する少年

おれは日本一とか有名になりたいわけではない
何もないことがちょっと寂しい
どこからか神様の声が聞こえる
才能がないと嘆くな
大勢の凡人がいてこそ優れた才能が光る
おまえは他人の才能に驚き感心している
人間や物事に興味と感心があるから生きる意味がある
おまえには好奇心という大事な力 立派な才能が備わっている
人生劇場の出番がなくたって 高感度の鑑賞力で
悲喜劇なんでもありの世の中シアターを堪能したまえ
「戯れ言」
コメント
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