美和山吹の川柳ブログ***「川柳歳時記」「川柳画」など。***

このブログを始めてから、11年がたちました。
「川柳歳事記」は、良い川柳を読む機会のない人のため載せています。

「老いて新鮮」  (松ひさし)

2018-01-28 07:57:45 | 
賀寿年齢備忘録

長寿を祝う言葉なんて知らないでいた
年配者の仲間のうちのコトバくらいに思っていた
古めかしく覚える気にもならなかったのに 親しみがわいてきた
老いてきた今ごろ 煩悩な凡脳が覚えたがっている

還暦は満六十歳 六十年で生れ年の干支に還る
今どき 六十歳は人生節目の定年期
めでたいけれど 気分は青春回帰でも身は熟秋かな
古稀は数え年七十歳 古来稀なりと昔の詩文に
もう稀ではないか 節目を過ぎて悠々十年もの歳月
めでたいけれど 夢中で十年か 退屈だったかな
喜寿は数え七十七歳 喜の字の草書体が七十七
ラッキー・セブンが重なるのは生涯で一度のこと
めでたいけれど いいところいろいろあったか なかったかな

傘寿は数え年八十歳 傘の字の略字が仐で八十
晴雨は気にせず いつも傘を持ち出かけて歩く
めでたいけれど スタスタ歩けるか ヨロヨロかな
米寿は数え年八十八歳 米の字を分けると八十八
歯も胃も丈夫で お米のご飯をよく食べる
めでたいけれど 夕飯のおかずおいしかったか 覚えているかな
卒寿は数え年九十歳 卒の字の略字が卆で九十
人生のおおかたのことはやり終えて 卒業の時期
めでたいけれど やったこと思い出せるかな 忘れたかな

白寿は数え年九十九歳 百の字から一を取れば白の字
あと一年で百歳 人生百点満点
めでたいけれど 満点をとるのは努力か 運か いや天分か
茶寿は数え年百八歳 茶の字を分ければ二十と八十八となる
コメント
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