せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

コドモからオトナまで楽しめるカードゲームで、防災、景観を考える ~建築の学びについて~

2023年05月22日 | 子ども・環境

写真:三輪先生がほいくしさん行政とともに開発した
「てっくてっくまっち」カードゲーム

先週のブログで、個人的に、
長いトンネルからやっと出られたと綴りました。

これまで見送ってきた活動への参加や、
会えなかった人々に、やっと会える機会を得ています。

私の「こども環境」を考える活動の原点とも言える
神奈川県建築士会の仲間と、実に数年ぶりの再会。

賀状やメールでのやり取りに留まってきたこの数年。

こども連れでの社会貢献活動だったので、
お互いの子どもの話でも盛り上がります。

部会の名前も、昨年から、新しくなっています。

子ども部会(子どもの生活環境を考える会)から
コトナ部会(コドモからオトナまでの意味)に。

昨日の集まりは、
子ども向け、カードゲームの体験会と、
中高生の建築キャリア教育がテーマ。

カードゲームでは、
川崎市と建築士会の川崎支部のメンバー考案の
景観ゲーム。



横浜市立大学の三輪先生(こども環境学会でご一緒)と
神奈川区が保育士さんと保育園で試作された
街を知るカードゲーム(防災教育につながる)の
完成形を子どもたちと一緒に体験。

景観ゲームは、点数を稼ぐとともに、自分の街の景観を
緑多くする?公共施設は?工場や住まいは?

と、実際の川崎市の風景写真が印刷されたカードを
ゲットしていくというもの。



なかなかに頭を使うのですが、
小学校でやると、意外と子どもたちは飲み込みが早いのだとか。

また、知っている風景が出てくると盛り上がるし、
マンション暮らしの子どもしかいない区では、
独特の結果になるのだとか。←別のプログラムで過去に私も経験。

こども環境アドバイザーの資格取得の際に
カードゲーム(樹種当てクイズ)などの提案をしたけれど、

カードゲーム自体が、
なんだか、高度になってるなぁという印象。
(大人が子どもに学んで欲しいことを作っているのだから
仕方ないのですけれどね)

しかし、実際の園児で試したり、防災意欲につなげるというのは
将来的には、潜在的な効果があると評価できるものでした。

コロナ禍の際に、我が子とさまざまなカードゲームを試しましたが
宇宙とか、科学とか、、

建築や、まちづくりにも、カードゲームは身近なものであればあるほど
有効かもしれないと、感じ入りました。

ゲーム脳も、課金とか、暴力的なものではなく
このような物にはまってもらえるといいのですけどね!

後半は、中高生の建築教育について議論。

受験勉強や部活動に忙しい中高生が、参加したくなる
建築のプログラムとは?

学生さんも議論に加わり、
大人と子ども、建築士と、一般の方では、発想が違うなぁ、、、

と、皆で笑い合いながらの意見交換。
久しぶりに新鮮でした。

最近は建築学科は人気らしく、
大学入試の偏差値も上がっているし、
学部や学科を新設する傾向にあります。

私の時代は、建築=環境破壊のイメージとなり
環境学部や、環境科学などと、ネーミングが変わったりしました。

現在も、建築の学びのイメージは、思った以上に
中高生には、湧かないみたい。
実際の出前授業では質問も多く出ます。

それは、仕事の内容が多岐にわたっているからではないかと
私は考えます。実際のところ、設計監理につくのは2割ほど。

あとは、さまざまな分野で活躍しています。

多様で、成熟した社会では特に、
仕事が複雑で考えることも増えている昨今。

建築というスペシャリストでありながら、
ゼネラリストである学びは、何にでもなれる!と私は思いますけどね。

大学院時代も、先輩から、
「お前ならどんな職業についてもやってけるだろう」
と言われた時は、へぇ、建築の学びって、そうなんだと思ったものです。

構造で苦労していて、もうやめようかと悩みながらも卒業した友人も、
先生からそう言われていたらしく、本当に潰しが効く!?建築の学びらしい。

まぁ、学んでくれる希望してくれる学生さんが増えるのは嬉しいですよね。

一方で、私たちも、ちゃんとしなくては!と、
若い方々とのコラボは奮い立ちますね。

これからも、若い方に負けじと!?
素直にどんどん、吸収、成長していきたいなと、
思うのでした。


活動記録には、27年分のまとめも。

写真掲載できず残念ですが、参加してくれた
子どもたちもかわいかったぁ。

また、私も復活参加します!


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春節!!旧暦新年を迎えて、夢の実現は思いがけないかたちで。

2023年01月23日 | 子ども・環境


春節は、熊本で迎えました。
初日です。私の秘密の!?パワースポットです。

こっそりと、早朝散歩&ヨガをするのも、
まもなく、終了となりそうです。

なぜなら、近くの休館していた子どもの施設が
いよいよ建替えだからです。

周辺の樹木たちも、トレッキングコース再開に向けて、
整備が先行して進んでいます。

寂しくなるかって?いえいえ、より多くの方に
この自然を味わってもらえるのは本望。

しかも、その施設の計画には、審議委員の立場で
関わらせてもらっているからです。

施設の細かい要求水準に加えて、地域住民としての意見、
子育て環境や子どもの生育に関するプログラムまで
幅広く、意見を言わせていただきました。

ありがとうございます。
なんとか、良い案が出揃い、しかし、まだまだ課題もあり、

この新年には、住民説明や市民参加のワークショップ等も始まり
担当の方には、頑張ってもらいたいなと、後方支援しております。

本当に、夢というのはこうして叶うのか。。。。
という、状況なのです。

これまでのブログにも書きました。

幼少期のことが成人になって作用し、独立の夢が叶い。
学生時代に提案した建築設計とそのプログラムが、
今、求められる時代になり

目の前で全く同じようなプロジェクトに、
立ち上げ時から関われることになるとは!

20歳で、公園のランドスケープデザイン、その中の遊具デザイン、
そして、そこに、親子で泊まれる施設を計画しました。

室内ゲームが流行り始め、子どもの育成環境を懸念し、
バーチャルより、リアル体験を子どもたちに!
というコンセプトでした。

今回、設計自体は、別の事務所のグループの方ですが
その内容は、当初私が思い描いていたものに、遜色ありません!

当然、応募された当事者の方々は、
審議委員がまさか30年以上温めて来たもの
だとは梅雨知らずでしょうね。

今では、プログラムに防災教育や木育なども加わり
まさに、時代が要求しているものも、盛り込まれています。

本当に、楽しみになって来ました。

そして、大学院時代に、
研究室で踏ん張っていた「住民参加」の建築のものづくりも。

当時は、熊本は、参加型に否定的でした。
役場の方とぶつかったこともあります。

今は、「市民参加で!」と行政側から、声が上がる時代です。
これも、恩師が、全国に参加型まちづくりを啓蒙したお陰なのです。

巡って来ます。
これだから、先人たちに感謝しなくてはならないのです。

それに、当時は、建築業界で、参加型のまちづくりや
子どもの施設づくりを、建築家が関わるものではないと
一部では批判もあったのです。

子どもの施設を創るなんて、自分が遊びたいだけでしょ!
なんと、皮肉る声も、

学生時には、コツコツ設計案を考えているときに
聞こえて来ました。

負けなくてよかった!

やはり、予測する力と、
何が本質か、何が自分が良いと思うのか
見極めることは大事ですね。

今、何か先を見越して取り組んでいることに
否定の声が上がったら、

本質は何か、自分が目指している世界は
はどんなことが待っているのか、、、イメージして
挫けずに取り組んでほしいですね。

私も、また始めます。
結果は、この世にいない時かもしれませんが、笑。

それでは、旧暦新年、おめでとうございます。
皆様が希望に向かい、志が叶う年となりますように!

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北海道と北東北を巡る〜日本の住まいの源流を訪ねる旅04〜

2021年12月31日 | 子ども・環境


2021年12月29日~2022年1月4日まで
冬季休業です。

アイヌ文化に触れた感動のまとめが、
結局、年末になってしまいました。

どうしても、今年の感動は今年中にと、
休業中ですが、ブログに綴ります。

オリンピックだった今年、
2020+として開催されました。

北海道へ旅する前に
私自身、開会式は見ていました。

映像でアイヌ民族の踊りが映りましたが
すぐに全国の踊りに切り替わって
じっくりと見ることができませんでした。

それが、旅のあと、
北海道では、生でお披露目があり
さらにドキュメンタリーで
アイヌの方々のお披露目の踊りの準備が、
その陰で、続けてこられたことを知りました。

チセを見学した時に、中で実演されている方から
アイヌの言葉『イランカラプテ』と挨拶されました。

その言葉の意味は、

1)「あなたの魂に触れさせてもらえますか?」

だそうです。

挨拶を交わす行為は、「私はあなたの敵ではありませんよ」
というアピールの意味があるというのは、知っていましたが
アイヌの挨拶は、もっと、素敵に深いと感動しました。

この挨拶が、オリンピックで披露された
舞踊の3つのテーマの一つだったそうです。

そして、残り2つのテーマにも
私たちが旅してきた北海道で出会った
アイヌの方々の思想や哲学の真髄をみました。

下記のサイトで舞踊の動画も紹介されています。

簡単に紹介しますと

2)天から降ろされたものには、すべて役割があるということ
(人も、生き物も、自然も)

3)世界は、すべて育て合う大地である、ということ。

根底には、平和への願いがあります。

自然と共に暮らし、生き物同士、動物も人も
互いを尊重しあった暮らし、そういった中に
平和の心というものは、生まれるのでしょうね。

目に見える自然災害から、
目に見えないウィルスという自然の脅威にさらされている昨今。
いつの時代も様々なことがあります。

人が生き抜いていくには、育て合う大地の地球で
平和への願いと祈り、
そういったことを意識した暮らしが欠かせないなと、
改めて感じ入った旅とその後でした。

ということで、

2022年の神棚お正月バージョンが
アイヌ文様コースターになった次第です。
(上記写真)

実は、ここでの学びと同じようなことが、
オンライン参加した熊本の公害問題、
水俣フォーラムにもありました。

この学びを、来年の暮らしに活かして参ります!

今年も一年様々な方にお世話になりました。
誠にありがとうございました。

どうぞ、良いお年をお迎えください。

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暮れに想う。ひとりぼっちにしない、ならないことが肝要

2021年12月27日 | 子ども・環境


昨年に続き、こども環境学会関連のイベントやセミナーは
オンラインで参加しています。

学会に参加した際にも、新しい教育の取り組みや
森の中での子どもたちの活動の様子など、
発表を拝聴して、いろいろと考えさせられました。

まだ、そのレポートもアップできていない中、
なんとか暮れの締めに、これだけはと、
子ども環境のことを綴ります。

今年、映画館では観そびれたひとつの映画があります。
「子どもたちをよろしく」です。

企画者は元官僚の方。
ですが、そこを飛び出して、
子ども環境の改善に取り組んでおられる面々です。

今回のセミナーの主催者は、学会で私も交流のある
スクールコミュ二ティを実践されている方。
映画を観る機会を逃したわ私たちに
ZOOM配信してくださり、

その後、子どもの環境に関わってこられた面々の
トークショーがあるとのことで、参加しました。

『子どもが置かれている辛い現状から目をそらさない』

映画の内容は、子どもの貧困(というけど実際は親の貧困)、
いじめ、性犯罪など、重苦しいものです。

一番の課題は、追い詰められる中学生の子どもらに
学校や、地域の関わりがいっさい描かれていないこと。

そこが、この映画の恐ろしいところでもあり
制作の意図でもあると感じました。

いったい、周りは何をやっていたの?
気がつかなかったの?
手助けできなかったの?

と、大人として、
ひどく落ち込むつくりとなっています。

これが今、子どもが置かれている
一つの象徴的な状況であるということ
それが重く私たちに伸し掛かってきます。

今年は、過去最高の子どもの自殺者数と、
虐待件数という報告もあり、本当に辛くなってきます。

では、どうしたらいいのか?
何ができるのか?

トークショーでは、
学校の先生から

「とにかく、子どもを一人にしない(心の問題も)」

SDGsでは、誰一人として取りこぼさない
というけれど、

その方は、その取り組みを教育としては
ずっとやってきているというお話でした。

今月は、生徒が殺めてしまう事件や
多くの人を巻き込んでの自殺行為など
辛い事件が後を絶ちません。

加害者の孤独、深い闇、それを生み出している社会背景。

つくづく、人は人とうまく関わり、折り合いをつけられないと
生きていけない生き物なのだなと、思うのです。

それには、安心できる居場所が必要です。
家庭や学校、仕事場など、
さまざまな人との関わりの場ですよね。

学校という子どもの居場所が、
多くが、安全基地になっていない現状。

それはなぜか?という問いには、

1)学校の位置付けが古い体勢のまま

制度的には、学校は自治体のもので
地域運営で、国の出先機関ではない!

ところが、学校の位置付けが、戦前をひきずっていて
軍隊的な要素が抜け切れていないという問題。
(規律を重んじるということも
含まれてしまているのがおかしいという指摘、
もっと自由で良いの考え)

2)教員養成への縛りがある

学校の先生、教員の方の免許取得の学びへの縛りがある
学びの自由を教える立場の人に自由な学びがないという現状。

3)地域との関わりがない

学校って、週休2日で、部活を除けば
18%しか駆動していない。のこり82%が使われない施設。

そこで、地域の大人も子どもも活用する
スクールコミュニティ(地域の学びの場へのシフト)
の手法の重要性が出てくる訳です。

など、トークショーでは
学校のあり方についての、課題が少し整理されました。

<少し余談>

教育委員会と学校との関係にも話が及んだ時、
熊本市の例が出されました。

教育委員会で議論が活発との高評価でした。
議題はコロナ禍での子どもの夏休みのあり方だったようです。

実は、今、熊本市の教育関連施設の審議委員をしています。

その会議の時に、こども環境学会の活動の中で
「『熊本は教育熱心』という評価のお声かけをいただくのですよ
教育委員会のみなさまのご尽力のおかげです。」と
話したことがあるのですが、

また、ここでも話題に挙がったので、
ああやはり外から見ると
そういう評価なのか、と笑みがこぼれました。

ふるさとが褒められるのは嬉しいものです。
実情がどうであれ、笑。

年が明けたら、教育委員会の方に、
真相を訪ねてみようと思います。

<光と闇>

最後に、私が一番印象に残った言葉をご紹介します。

それは、先の校長先生が、
自身が差別を受けてこられた地域の方から
「闇に目を向けて欲しい」
と言われたというエピソードでした。

「闇があるところから、光は見えるけれど
光のある方から、闇は見えない。」

「光が当たっている子どもがいれば、
当たっていない子どもがいる」

「光が強くなればなるほど、闇は暗くなる」とも。

暗い部分をちゃんと見るってことを
確かに意識することは、少ないのではないか?と、
ハッとさせられました。

それを考えると、子どもって元来明るいけれど
一方で、わがままでズル賢いかったりもします。
いろいろな心の葛藤もあるはずです。

お話を伺って、抱えている心の闇の部分にも
少し触れてあげないとならないなと
感じ入りました。

この映画&トークショーに私が参加している間、
我が子は友達とクリスマスパーティーでした。

賑やかで楽しそうでした。

まさに、光の部分だなと。

私自身が今は、教育者の立場ではないので
多くの子どもと直接接するわけではありません。

それでも、建築士×こども環境アドバイザーとしては
関われるこども達の、心の闇の部分に目をつぶらないで
接していきたいなと思いました。

そして、想像しようと思います。

人の本質を知るには、
その人の闇の部分も理解することだと。

自分自身の心の問題も含めて、
向き合っていきたいと思います。

<社会の理想は?>

強すぎる光と、深い闇が真に良い世界なのか
(格差社会!?)

均等に光は当たっているけれど、眩しすぎないのが良いのか。
(没個性で、つまらない?!)

私自身の理想は、、、、

昼と夜のように。
均等に、光が当たる時と、
闇になる時と
両方チャンスがあるといいなと思っています。

表舞台に立つ時と、影で支える役割と
時に交代するような。

互いの立場を理解して、大変さもわかります。

そうすると、一人取り残す
という社会ではなくなると思うのです。

子どもには、両方のチャンスを!!!

良い学校って、そうなんじゃないかなと
子育ての体験で思います。

来年は、
意識して闇をみつめて、
光を当てていくことを心がける子育てと、
人間関係を築いていこう!

そんな気づきをもらった暮れです。
企画登壇のみなさま、開催を有難うございました。


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新年度特集_こども環境04 〜理想の教育環境とは?〜

2021年04月26日 | 子ども・環境


今週は、4月も最終週。
新年度の環境に慣れてこられた頃でしょうか。

ここのところ、穏やかな天気が続き
ありがたい限りです。

週末に尋ねたお寺の庭には
アヤメが満開。

こどもの日が近いことを感じます。

先週のブログで、こどもの学習環境において
最も望ましいのは、「15人程度のクラス」ではないか
という考えの提案の理由を、お伝えしました。

本日は、その学びの場の構成
踏み込んだ内容を綴ります。

1)まず、海外事情から

世界で学力(注1)が最も高くなって驚かれた国は
フィンランドでしたね。
2003年に1位、常に上位国。(注2)

フィンランドは、幸福度も1位の国とか。
それは、素晴らしい!

 注1)学力とは、OECD生徒の学習到達度調査(PISA)の結果

OECDが進めているPISA(Programme for International Student Assessment)と呼ばれる国際的な学習到達度に関する調査に、我が国も参加しており当研究所が調査の実施を担当しています。PISA調査では15歳児を対象に読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの三分野について、3年ごとに本調査を実施しています。なお、次回本調査については、新型コロナウイルス感染症の影響で1年延期となり、2022年の実施が予定されています。
国立教育政策研究所 より抜粋 https://www.nier.go.jp/index.html

まぁ、幸福感は人それぞれなので
今回は、この学習と学び環境について、考えていきます。

フィンランドは、クラスが20人前後のようです。
やはり、少人数ですね。

宿題もなく、テストもないとか!

教育方針は、「どうしたら幸福になれるかを学ぶ」
を軸足にしているようです。

マイケル・ムーアの「世界侵略のススメ」の映画で知りました。
「フィンランドの教育」で検索すると、動画が出てきます)

そして、オランダの「イエナプラン」(注3)

日本人より1.5倍稼ぐ(時間あたりの労働金額)らしい!?オランダ人。
そんな効率の良い人を生み出しているのは、異年齢クラス。

(注3)「イエナプラン」とは、ドイツで生まれ、
オランダで普及しているオルナタティブ教育

「教える」から「教えあう」教育への移行です。

さらに、オランダのこどもの幸福度は、世界一位だそうです。

う〜ん、幸福度で測るの、大好きですねぇ。
みんな、幸福になりたいんですね。

幸福だったら、よその国のこと、
そんなに気にならないですものね。
他人の芝生が綺麗に見えるってやつです。

ちょっと、余談も付け加えました。

2)実は、日本由来?

日本人は、海外の事例が大好きなので(←これは皮肉です)
結果を出している2カ国をご紹介しました。

何が言いたいのかというと、、、
実はこれ、逆輸入って、皆さん気がつかれました?

そう、まさに、寺子屋です。

江戸時代、開国時に、日本の子ども達の識字率の高さに
海外の方々が驚かれた歴史がありますね。

それは、子どもたちが寺子屋で学んでいたからです。

先生は、ボランティアに近いものから、
専門性の高いものまであったようですね。

私が注目しているのは、
教わった側が、また教える立場になり
学習したことを、確実に身につけていく
という点にあります。

現在盛んに推奨されている
「アクティブ・ラーニング」
(これまた外国語が好きな日本人)

子どもが主体的で対話的な学び方にも合致します。

3)で、実際に、寺子屋ってどうなのよ?

さて、ここからは、一般論やデータではなく、
私の実感を踏まえて書きます。

現代では、寺小屋という公の制度はないので
研究しようがありません。

寺子屋が良いと言われても
理屈では分かるのですが、実際の効果や子ども達の様子は
どんな感じになるのか、不明でした。

それを大人になった今、体験しています。

義務教育以来、握っていなかった筆を持ち、
昨年暮れに教室を体験したのち、
今年から定期的に書道教室に通い始めました。
(ブログの読者の方にはすでにご報告済み)

私のような初心者から、ベテランさんまで
学びのレベルが多様な場です。

実にそこが、素晴らしい教室なのです!

最初は、墨の擦り方さえ、忘れていた私。

戸惑いながらも、先輩方が、
アレコレと世話を焼いてくださいます。
年齢関係なし!です。

道具をそろえるには、
どこのお店が良いか(セール時期まで)
に始まり、書道展へのお誘いに至り。

そして、課題提出の要領や
書けないでいると、ヒントを下さったり。

初歩的なことを私が質問して
先生がお手本を書かれるときにも、
ベテランさんは、寄ってこられて、
初心を思い出されるように、
先生の手元を、じっと見ておられます。

初心者は、半紙に書くのですが、
上級者は、条幅といって長い紙に
毎回、課題を書いて添削を受けておられます。

難しすぎて(笑)その書の字はとても読めませんが、
どこが良い点で、どこを直したほうが良いのか、
先生のアドバイスも聞きながら拝見しますと、

今はそこまで書けなくても、その内容は
将来に繋がってきます。
つまり、そこにはロールモデルがいるわけです。

あの人のような字が描きたいなとか、
この方の筆使いは素晴らしいなとか、
見本を見ることができます。

これが、同じレベルのスタートだとしたら
競争しか生まれませんよね。

この教室では、若い人の情熱に押され
高齢の方もエネルルギッシュに書いてこられますし、
初心者組は、ベテランさんの達筆に当てられます。

ですから、互いへの尊重しかありません。

それぞれの課題も違うので、足を引っ張るとか、
もありませんし、字は個性でもあるので、
点数があるわけでもありません。

教室の皆さんと切磋琢磨しながらも
競うのは、昨日の自分なのです。

先生の教え方も、素晴らしいです。
最初の体験や、1,2回までは、褒めることしかされません。

明らかに、へんてこな字でも
ここの跳ねの部分が良いとか、何かしら良い点を見つけて
評価してくださいます。

それが、初心者には、とても心地よいのです。

なるほど、褒めて伸ばせとは
この心地よさのことなのかと、ガッテン。

上級者にも、家で練習して頑張ってきたなぁと
思われるところは、褒めて、でも、ここは直しましょう
と、先生の添削で真っ赤になります。

ダメなところは、はっきりおっしゃるので
できる人には、やや厳しいことも分かります。

客観的に見ていて、

「あ、これはまさに当時の寺子屋の風景ではないのか?」

と、思ったわけです。

上級生は、下級生に聞かれて
不正確なことは言えないので、しっかりと学び、

下級生は、のびのびと恥ずかしがらずに、
質問ができる環境。

これが、学びの場の理想ではないのか!?

そう、感じたのです。

おかげさまで、大恥をかきながら質問し
(だってね。書の言葉一つわからないのですよ=)

リラックスしながらも、緊張感のある場。
個人のペースで学びながらも、不明点を残さない。

気分は小学生ですが、
万葉集や俳句など古典もでてきますし

中国の石碑の字も臨書しますから、
まさに大人の習い事なのですけどね。

もちろん、古典的な美学、芸術表現、
バランス感覚を学ぶことができ、
感性の学びには大いに役立っています。

そして、実にこの教室が結果を出しているのです!

先生の所属する団体の月刊誌に、
全国から提出された、書の同レベルの中で
優秀作品が載るのですが
毎号、どなたかが載られています。

先生も、「皆さんの頑張りが素晴らしい!」
と、おっしゃっていて、

最初私も、すごいところに来ちゃったなぁ〜と
汗を掻いたものです。

それが、クラスの先輩から、
「あなたも上手く書けるようになってきたから、
そろそろ載るんじゃない?」

と、言われて、
「まさかぁ」と笑っていたら

予言通りに。

まさに、その次の号に掲載されて
驚きました。

こんな風に、人の学習内容まで目配り、気配りもある。

これが、寺子屋の良さなのかもと、
勝手ながら感じ入ったものです。

「仕事の出張先にまで書道具を持って行って練習してます。」
という、忙しいビジネスパーソンもいらして。

さすがにそこまでの発想がなかった私は
ハッとしました。

互いの学習の仕方も、刺激になりますね。

古典的美を学ぶ目的が、こんな風に
学ぶ仲間のから得られる刺激や心地よさは、
思いがけないおまけでした。

さらに、芸術的なお話ができる方とも出会えて、
私はなんてラッキーなのでしょう。
(大人になってから友人ができるって嬉しい)

これからの教育に必要なのは、、
ええ、寺子屋的システムに間違いありません!

優秀クラスと、そうでないクラスを
分けるものではないですよ!

この辺りが、どうも勘違いを
まだまだ生んでいる日本の教育環境。

これからは、教えあい=学び合い
(生徒同士だけではないですよ)

ぜひ、政策当事者の方々にも、
子ども目線で実現してほしいですね。

<補足>

注2) 昨今では、非OECD加盟国では、最新はシンガポール、上海など
上位が入れ替わってきています。(2018年) 
日本は、10位内の常連ではありますが、
今日のテーマは、テストデ測る学力ではないので、
参考に、WEBで公開されている結果の
上位10位国の抜粋部分のみ貼り付けておきます。



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