せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

 伝統構法に学ぶ週末、想うこといろいろ

2018年11月12日 | 模型・実験・見学・講習・イベント


↑土壁を落とした軸組、屋根付きの倉庫の中で、修復中。

先週、立冬を迎え、紅葉も見頃な熊本です。
皆さまの地域では、いかがでしょうか。

先週末、熊本県建築士会のヘリテージマネージャーの研修会に、
やっと参加できました。(まだ、2回目)

今月は、今週末も含め、建築を見るフィールドワークの講義です。
紅葉狩りならぬ文化財狩り!?でしょうか。

県下で修復が進む木造の文化財の現場にて、
その様子を拝見するとともに
立ち入れる部分を一部、実測してみるというものでした。
( 所有者の方への配慮で、場所や詳細は伏せます)

講義担当は、歴史的建物が専門の大学の先生です。
実際の現場案内は、設計監理の方。

↓どの瓦が一番古いか?の質問。わかりますか?
時代が古いほうが簡素かな?と思いつつ見ていたら、、、



左側が一番古く、右が一番新しいそうです。

木組みフェチとしては、たまらない解体部材保管庫。
先人たちは凄い!としか、言いようがありません。じっくり見れなかったのは心残り。





伝統的な建物や文化財の修復は、毎度ながら、
考えさせられることが多いので
私なりのいつも想うところのポイントについて、綴ります。

1) 耐震補強はするの?、しないの?、どうやるの?

以前熊本で見学した補助金利用の復興のお住まいは、
担当者に質問したら、「しない」との回答でした。

理由は、大きな地震で倒れなかったことと、傾きが少ない事、
予算がないこと、を理由に挙げられました。

今回は、国の指定文化財となっており、
さずがに耐震補強をしないわけにはいきません。

JIAの再生部会の勉強会で、
文化庁は、「耐震補強をしないと認めない」課題があると伺い、
今回の担当の方にも尋ねると、、、、

「する」そうです。そして、なんと、合板も使うとか。

基礎は、コンクリートで打ち直し、
その上に、地覆石にも穴を開けて、ボルトを貫通し、
基礎と緊結するそうです。



石場建てのままでは、現行法に乗っ取らないからですね。

しかしながら、そのやり方では
縦揺れの揺れを逃がしてくれる石場建ての
伝統構法の特性も失うことに。。。

別の場所で知り合った、新築で伝統構法を施工する大工さんに
ボルトに遊びを設けるなどしないと、
動いた時に木部に負担がかかり過ぎると、伺ったばかり。

これから、100年以上はもたせて欲しい文化財。
大きな地震をまた受ける事になるはず。

その時に、ボッキンと行かないように上手に力のバランスを
考慮した補強をしていただけるようお願いするしかありません。

制振ダンパーとか、用いないのかしら?
いろいろと議論したい点はあるものの、時間切れに。

お話を伺いながら、何をどこまで、行うのか、、、、
設計監理者としての苦悩も共有しました。

2) 官民での予算格差!?文化財に登録するメリットとは?

修復の事業費用を伺って、一瞬、目が飛び出そうに!

庭園や石垣、蔵、長屋門など、いくつか建物もあります。
広さからすると、相当な予算がかかることは想像がつくのですが、

地震被害に遭われた時に、持ち主が途方にくれたお話を伺っていただけに
いつ、その予算がついたのか、自己負担は大丈夫なのか、
そのお話も、次回は伺おうと思います。

結局、残そうという想いだけでは、残らない建築。

復興基金や補助金をどう活用できたのかも、
今度リサーチしなければ、と思うのでした。

JIAの再生部会のメンバーから、相続税の免除があるので、
有形登録文化財を相続前に行ったという報告も聞きました。

住まい手や持ち主に、メリットになり、
更に地域や国の文化を残すことができたら、
皆がハッピーですものね。

3)伝統的建物修復の担い手は人材不足?

ご担当の方の会社は東京とのことでした。

熊本には、人材がいなかったのでしょうか。。。。
それとも、引き受けられるだけの余力がなかったのでしょうか。。。。

瓦の製作はかろうじて地元で。
襖や板戸は、、、京都まで持って行かれているそうです。

城下町としての熊本は、かつて全ての職人さんがいました。

しかし、伝統的な建築を新築する機会はほとんどなく、、、
技、手仕事、そういったものが切り捨てられて行ったのだなと
これは、悲しく思うことではなく
仕方ないと思うことしかないのか、複雑な心境になりました。

トータル7年間のプロジェクトに、
実に遠方から、ご家族で
熊本に引っ越してきて下さっているそうです。

ありがたいと思うと同時に、
私たちも対応できるように知識アップとスキルアップが必要と
ますます、ちゃんと学ぼうと思うのでした。

余談ですが、

横浜で出会ったPTA のお母さんが、
夫の仕事で数年前に熊本から戻ってきたという
お話の中で、子どもは熊本の給食が美味しくて喜んでいた
という話を伺っていたので、
お子さんも、そうだといいなぁ、と帰路では想いを馳せました。

最後に、

伝統的なものに関わると、
昔と今の日本の経済事情や文化、
いろいろ考えさせられることが多いです。

学生時代は、古いものの調査なんて、何が面白いんだろう?

と疑問に思っっていたことが、

今、歳を重ねると違う視点で観れ

建築の学びは、その歳にも、よるのかもしれないと、思っています。
目覚めが遅かったというだけかもしれません、笑。

これからの私の課題、
どのような形で、伝統的な木の建築に関わっていけるか、
関わっていくか、、、

法律優先なのか?
伝統的建物の構造特性優先なのか?
予算優先なのか?

この折り合いが、伝統的建物修復の一番の肝と考えています。

これからも、大学の研究者、専門家、そして学ぶ仲間とともに
常に、学びを繰り返しながら、その落とし所を見つけられるような
設計者になりたいですね。

ちょっとオタクなネタにお付き合い頂きまして、
感謝いたします。
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文化財は本物ではければならない!伝統建築に学び、生かす

2018年10月01日 | 模型・実験・見学・講習・イベント

↑ブログ後半記事、文化財修復、見学会の様子


台風24号、熊本では激しい強風でした。
みなさまの地域は、大丈夫でしたでしょうか。

台風接近を前に、週末のヘリテージマネージャーの講習会で
実に、28年ぶりに、大学院でお世話になった
K先生の建築士向け講義を受ける機会を頂きました。

お年は召されても、
伝統的な建物にかける情熱は健在。

久しぶりに
「◯◯はダメですよ!!!」

と、懐かしくK節を拝聴した。

熊本の中で行われている、文化財の修復の仕方、活かし方の不備。
文化財の価値が分からず、登録を渋る行政担当の対応への不満を
吠えておられました。

それが、受講生には心地良いのです。

我々が、どこに向かうのか、何に対処すべきか、
学んだことを実務でどう生かすのか、、、
そういったことのヒントが満載だからです。

熊本城も、江戸400年で残っていたところは、
今回の熊本地震でも耐えた(例えば、一本の石垣)

しかし、近代になって追加で復元していたり、新しく
積んだ石積みが崩れ、また今回、修復するというが、愚かであること。

「あれが加藤清正の石垣だと言われるのは、心外」というお話も、
先生の調査時の写真と比較されると

メディアで流されることを鵜呑みにしてはならない
という思いと、

時代を経てきたものへの敬意と

やはり、本物しか残らないのだ、という実感が湧くのでした。

『文化財は本物でなければならない!』

とおっしゃることを、我々の仕事に置き換えると
「本物を創りなさい!」
と、言われているようでもあり、

近代建築は、近代に任せ、
「古き良きものは、そのままそっと残しないさい」
と諭されているようでもありました。

悠久に想いを馳せるならば、今、設計しているものが
後世に、文化財としての価値を残せるのか?

という、問いを投げかけられているようでもあります。

日本建築の文化財としての存在価値。
登録の手続きの仕方、所見の書き方など、
実務的なことも学びながら、

私の日本建築や匠の技、そして、文化としての建築の役割など
ぐるぐると頭の中で、考える良い機会を得ました。

建築のものづくり一つ一つに、正解も結論もなく、
創り手の一人一人が、自分自信の価値観で判断し、
結果は、社会に任せ、時代に委ねる
そういった職能なのかもしれません。

だからこそ、自分が何と向き合い、
何を考えるのかということが大切になってくるのだと思います。

伝統的なもの良さを地震体験で実感した自分が
この体験で得た学びを、どう職能に生かすのか、、、、
その模索の旅はまだまだ続きます。

同日、講習の前に、修復が終わった
文化財の現場見学へも足を運びました。

熊本県最古の木造武家屋敷宇土市の旧高月邸です。


地震後、この周囲をボランティア相談で伺ったことがあり
通りが武家屋敷跡地と知って、
その後の修復が気になっていたこともあり。

ここからは、かなりマニアな話なので
興味のある方、お読みください。

棟札が出てきて、年代がはっきりしていること
(=文化財に認められる必須の基準)


鍵隠しは若松であること


奥座敷(=居間)と台所(=食堂)に炉があること


中級武士であったこと


などを、教育委員会の方から教えていただきました。

実は、修復はまだ道半ば。
予算がついて瓦が葺けるまでは、屋根は一部金属張りだったり
仮のベニヤで補強していたりと、
復元されて公開されるには、まだ道のりがありそうです。

熊本県、最古江戸期の建物であることに加えて、
現存する石造りの水道が価値がとても高いとのこと。

道路に出て、グレーチングの下を覘くと、、、
なんとそこには、石の配管が。

現在も集落では使われているそうです。

「ここは、何度も通っていたけど、知らなかった!」という
地元の方。

写真わかりますかねぇ。

↑草が生えているので、何かあることは分かる

更に、覗いてみないと分からないのものが、こちら

床の間の掛け軸用、左右の金具は動かせるように
廻り縁に細工されているそう。
(現代の床の間でここまでする方はなかなかないですね)



これら細かいネタを教えてくれたのは、
見学会で偶然お会いした、先日人吉でもご一緒した
熊本のヘリテージマネージャーの先輩でした。

若輩者では気が付かない部分まで、
教えてもらって、感謝です!

今後は、私も、伝統的な建築の細工を発見しながら
面白いネタを増やして参ります。

夏休み我が子の成長を感じるとともに自分も成長を!
とブログで宣言した、秋の学びも
9月は最後の日となりました。

さぁ、いよいよ木のものづくりの
実務に生かして参りましょう!

最後までお読みいただき、感謝します。
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人吉球磨地方のお宝建築が凄かった!

2018年09月25日 | 模型・実験・見学・講習・イベント




先週から、熊本に戻っています。

早速、現場監理に伺ったところ、
おかげさまで、現場も順調に進んでおりました。



棟札も、納まり、制振ダンパーも設置されました。



↓左の金属が一般の金物、右が制振ダンパー


大工さんはじめ、工務店さんには感謝です。
工事の進捗は、こちらにアップしました。

http://www.mk-ds.jp/newworks/2018/09/20189-02.html

先週に続き、三連休、皆様いかがお過ごしだったでしょうか。
私はというと、研修が続く秋です。

週末、泊りがけで、熊本県建築士会の主催する
ヘリテージマネージャー(=歴史文化遺産保全活用推進員)、
人吉大会に参加して来ました。



神社の階段の段数は7段、初七日を表すとか、7という数字は、彼岸花の花弁の数、
7の倍数が供養の日、四十九日など。豆知識も教えていただく。



球磨地方といえば、
五木村の葉枯らし木材でお世話になっています。

人吉はというと、水戸岡デザイン車両に乗るべく、
くま鉄を利用したことはありましたが、
じっくりと建築巡りを出来ていませんでした。

今回、人吉支部の方が、「相良三十三観音巡り」一斉開帳に合わせて
バスツアーを企画くださり、

茅葺き屋根の神社を巡らせていただくと同時に、
国宝でありつつ、地域で維持されてきたお宝である観音像を
拝ませていただきました。



茅葺き屋根の神社は、高いもので、
最高12Mとビル3~4階立てに相当します。

長いもので700年以上前の建立。
構造材は、スギ。



分厚い、茅葺きの屋根に守られた木製の観音像。

建築も、お宝も、
そして、地域の方の開帳時のお接待も見事でした。



右の像は、右足が浮いているポーズ


左の像は、左足膝が曲がっているポーズ


躍動感のある木彫りであることが、解説されてよくわ分かりました。

研修では
人吉市の歴史文化課からは、日本遺産(ジャパン ヘリテージ)の取り組み
のお話を伺い、地域の有志によるまちづくりの活動の発表などもあり、

建築と、ひとと、まちがつながる様子、
活動の展開と、課題が浮き彫りにされ

我々建築士の役割と方向性については、
焼酎を酌み交わしながら、話ました。

酒蔵で伺った話から
焼酎文化が、蔵元の多さと種類の多さは、実は
相良700年の当地で、隠れ里として育まれた地域の
賜物であったことが、よく理解できました。


麹を発酵させる場所は、湿気に強い栗の木の天井に断熱材は籾殻だそう。


木製建具も再び栗の木で新設。

駅舎関連の木造建築をレストランに改築した場所での
ランチは、借景が汽車の走行でした。



人参のムースと鹿のゼラチンが絶品のシェフの前菜。
鹿のツノに見立てた葉の演出がにくい。



知識と交流で、脳が満足、
地域のご馳走とお酒で舌と喉が潤い、身体が満足
温泉で疲労回復し、
緑豊かな田園の景色と、球磨川の清涼に触れ
癒されたことで、心のゆとりうまれた研修でした。

プログラム以外にも、駅前の散策で歴史的街並みや
西南戦争の爪痕などを見てまわり、建築と歴史、文化が
切り離せないことを、じっくりと味わいました。


武家屋敷のとこの棚は、打ち首の血が滴ってくるため、テーパーが付いていたの解説。
矢印部分

「世界遺産」に対抗して、「世間遺産」(造語)の現存する木造公衆浴場。
こちらの利用は、次回来た時ですね。



日本遺産」として、地域おこしを頑張っている
人吉球磨地方を応援したい気持ちが増したと同時に

ふるさと熊本に
このような素晴らしい場所が多く残っていることを
誇りに思う旅でした。

行きのSLでは、お向かいの席に
素敵なご夫婦が同乗されていました。

東京から再度人吉を訪ねてくださったそうです。
ありがたいですね。

SLも帰りに乗車した「かわせみやませみ号」も満席
乗り物の効果も絶大だと感じた次第です。



今回、主催、ご準備くださった建築士や
関係者の皆様には感謝です。

私も日本の建築文化を引き継ぐことに一役買えるよう
学びつつ、実践して参ります。

来年は、阿蘇地方で開催しよう!ということになりました。
また、お仲間に入れていただけたら幸いです。

ブログを最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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伝統的建物の耐震設計_限界耐力計算講習会

2016年12月14日 | 模型・実験・見学・講習・イベント


熊本県建築士会の女性部会の先輩と
限界耐力計算講習会を開催した。

もともとは、所属する日本民家再生協会の技術部会の
現場見学に行ったことがきっかけだ。

協会の設計士が「限界耐力計算」にて
民家再生を手がけていると伺い、
ちょうど私もその手法で設計を始めようとしていたところだったので

実際の計算と現場との兼ね合いはどうなっているのか
とても興味があったからだ。

その現場で、制振ダンパーの取り付けをみて
設計者にいろいろと質問した。

その後、設計担当にダンパーメーカーを紹介してもらい
メーカーの構造設計担当が、講師として来てくださることになった。

しかも、熊本復興支援ということで
交通費は自腹で!有難いことである。

熊本の建築士も施工店も、古民家の修復の相談は受けるものの
具体的に、どう修復したらいいのか。。。
実に多くの方が悩んでおられる。

耐震性能をあげる根拠検討が、難しいのだ。

しかし、伝統構法の良さは、コンクリート建築と違い
修復ができる。

在来工法よりも仕口が見えている分、
傷んだ状況も分かるし、計測もできる。

そして、あれだけの大地震を受けても倒壊しないで、
人命を守っているのだ。
一時期非難された方でも、余震がおさまり
ご自宅に戻っておられる方も多い。

(倒壊した場所は、地盤がよくなかったり、
木材のシロアリ被害や不朽によるものが大きく、
伝統的な建物だから壊れるは真っ赤な嘘)

講習会の内容は、伝統的建物の良さを伝えるとともに
構造補強の基本的な考え方、限界耐力計算の手法、
そして現地調査では、耐震壁の測定方法などを学んだ。

調査対象として、ご自宅を解放くださったMさん
講師のSさん、そして、熊本復興支援にと援助くださったF社長。
機会を作ってくださった民家再生協会のNさん、

建築士会の仲間の皆さん、ご協力ありがとうございました!!
卓上の勉強(計算)と現地での調査で、
2日間にわたり実務の良い学びの機会でした。

段取りや案内作成などの苦労が吹き飛びました、笑。


↑写真右下の学会指針は自学中。。。

皆さんに粗相がないようにと思いながら、挨拶も下手で
受付をしなが、講習にも参加とバタバタとした私ですが、
受け入れてもらって感謝です。

「こんな勉強会を待っていた」というお言葉も頂戴し
開催して良かったと胸を撫で降ろしました。

引き続き、学びを生かし、実務設計、復旧工事と進めてまいります。
そして、熊本の建築士の皆さん、ともに頑張ってまいりしょう!!

余談
自分へのノルマ、月曜日のブログ更新ができていなかったのは
このためです。
月曜日に更新を楽しみにしてくださっている方には、ごめんなさい。

今月は守れそうにありません、涙。

あまり、自分に課さずにやってまいります。
こんな私ですが、どうぞ、ブログを訪ねてくださいね。

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省エネ法はユーザーの味方か?メーカーの味方か?

2016年10月24日 | 模型・実験・見学・講習・イベント

いろいろなものに、常に疑問や矛盾を感じるのは、

建築を生業としているからか

生まれ持った性質なのか、

それとも深く考えすぎる傾向にあるのか

自分でも、自分がよく分からないでいる。

生きていきた中で遭遇した経験や
人や師との出会いに寄るものも大きいのだろうなぁ。

昨今の建築事情と絡めて、綴りながら
自分自身の取り組みの方向性も示せたらと思う。

今日の疑問その1)

省エネ法はユーザーの味方か?
メーカーの味方か?

2020年に省エネルギーの新しい基準が完全に義務化される。

その前段として、「今年は省エネ性能の表示制度が始まり、
来年度には大規模非住宅の建物の新築には、
適合判定や確認検査が必要となる」
(建築物省エネ法研究会H28年4月)なのだ。

各地で勉強会や制度の説明会が有料で催されている。

先日は、木造住宅の講習会に参加した。

理解したかのミニテストもあり、
学生時代の環境工学の時を思い出しながら計算。
満点取らなきゃダメでしょということで結果は出て、ほっ。

実務レベルのこの計算方法、
実に大工さんもこれからはやらなきゃならない。
大変である。

設計事務所も義務化された仕事が増えるのである。
(悲鳴が上がりそう。設計料も上げていく措置をとらないと〜)

実務では、補助金を受けるのに、すでに新築で
新しい基準での計算、設備機器の選定を行ってきた。

計算ソフトもあるので、
実際は手計算ではなく数値入力で結果判定は出る。

そこで、感じたのは、数値をクリアするための
最新の機器を買うことには費用がかかるということ。

補助金は一般品との差額を埋めるためのもので、
ものすごく得になるのかとそうではない。

いい住まい創りたい!ユーザーさんのためだ!
とこれまでは、国の基準の最高峰を採用するために、
申請の手間暇を惜しまないできた。

しかし、この内容が、すべての住まいに
当てはめなくてはならないとなると、、、

ますます、設計は時間がかかり、
ユーザーは費用がかかり
メーカーは高い商品が売れることになり、
利益を享受できるのは、メーカーなのか?
というところである。
当然開発費はかかっているはずなので、
元を取るといったほうが良いのかもしれないが。

機器を完全に新しくするのではなく、
今のものを引き取って改良してくれるならばともかく、
完全に使い捨て、消耗品となると、
地球環境の面ではゴミも増える。

新陳代謝と割り切るべきなのか?

断熱材だって、今あるものに足し算でできないのか
1か0ではなく、1+αみたいな。

などなど、、、

(実際古いお宅のグラスウールなどは昔は表しで使っていると
水を含んで崩れたり、カビたりしており、
性能は落ちているので無理なのだ。材料の選定の問題もあり)

本当の省エネになっているのか?

の疑問が出るわけである。

だから、なるべくゴミにならないもの、リサイクルできるもの
そういったもので、やっぱり設計したい!と思ってしまう。

制度がどんどん良くなればなるほど、、、、
私は、もっと別の方法やり方もあるのではないか?
と考えてしまう。

一設計者では太刀打ちできない(笑)国の基準ではあるが、
やっぱり自分のクライアントさんには
住み手、使い手に良く、
そして真の意味で環境に良い方法を、とりたい。

講義を受けながら
そこを踏ん張って、提案していきたいと密かに誓うのであった。
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