せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

海と山と、これからの未来環境への探求は続く。

2022年05月09日 | 模型・実験・見学・講習・イベント
神奈川県建築士会のパンフレットより

今年のGWは、平日がはさみ、飛び飛びの連休でした。

コロナ禍の前であれば、平日の有休を使い、
9日間の海外旅行!
という方も多かったでしょうに。。。

なかなか思うように海外へも行けない昨今。

先週末、建築士会の横浜支部の記念講演で、
久しぶりに、海外旅行気分を味わうことができました。

<海と水のこと、人はなぜ海辺に出たかるのか?>

テーマは、「港町、港湾都市、そして新たな水都へ」

講師は、学生の頃から、都市計画へのお考えや、
海外事例紹介の新聞連載等で、その視点にとても学びが多く、
大ファンの陣内秀信先生。

父と変わらないくらいのご高齢でいらっしゃいますが
ますます、精力的にご活躍の様子が伝わってきました。

若かりし頃、ベネチアを訪問した際の水害に遭遇した
経験は、先生のご著書で、復習しました。笑
(先生は、イタリアの建築史がご専門)

お話は、世界の歴史的な港町から、
ウォーターフロントの成功例まで。

ニューヨークのハイライン、
シドニー、
ブルックリンのリバーサイド、
ボストンのハーバーウォーク、
マルセイユ、ベルゲンの魚市場、
イタリアのトラーニ、シチリアのシラクーザ、
ベネチアのエコシティ、、、、

多くの写真と共に、どう開発され、どう蘇ったか
それぞれの湾の特徴とともに、ご紹介くださいました。

先生の紹介される写真を拝見しながら、
ふと、こんなことを考えました。

陸地は、内部に多くあるのに、、、

なぜ、わざわざ
埋め立ててまで、
人間は海に出て行くのか?

世界が、港を利用した経済の発展と衰退の中で、
 都市計画的にどのような手法で
その場の再生を行ってきたのかという内容が
ご講演の骨組みなのですが、

経済と都市の視点から、
もっと、海辺を人が楽しめる空間にして行くかという
ヒューマンスケールのお話でした。
(こういう視点が、私の大好きな部分なのです)

港の役割が、工業化、ハイテック化していく中で
不要になったり変わったりして、
港の場所がさびれ、スラム化していく。

そこに人の賑わいを戻していく仕掛けや
空間構成のあり方のご説明なのです。。。

ふむふむ。世界は、こんな風に変わってきたのだなと
写真や文献を提示してもらい、
普段の仕事ではなかなか関われない
海辺の都市空間づくりと人との関係を考えながら、

ハッとしました。

そうか、生命は海から来たんだった!

都市化すればするほど、
人は自然のある方へ向かうのかもしれない。
と、妙に合点が行きました。

そして、世界じゅうどこでも、水害対策と
親水空間とのせめぎ合いだということでした。

水門を作ったり、ゲートを閉じたりと
各国で工夫を凝らされているとのこと。

最後には、東京と横浜の、水都としての
これからの可能性と
これまで課題の部分への課題の提起があり、講演は終了。

世界の素敵な海辺の親水空間には、
高層ビルはない(背後にはある)と、
超高層化が進む横浜にちらっと
景観の問題点も指摘され、

そして、東京都には、未だノウハウやストックがなく
アーキペラゴとしての可能性はこれから
だとも。。。

横浜の風景で、疑問に思うこと、
違和感を感じることを、さらりと言ってくださるのは、
流石でした。

会場の年配の建築士の方からは、
 以前は横浜でも潮干狩りしていたそう。
親しみがあったし、綺麗だった。

ハマっ子のパートナーでさえ、今の海は
横浜の海ではない、と断言しますものね。

水質の問題は、私たちの生活が、様々な物で溢れ、
 清潔で便利に、効率的になった代償として
海が汚れるということですね。

日頃は、山と住まい、の事ばかり考えていますが、

海と山は恋人同し、というように、、、

海辺のことも、やはりちゃんと意識して考えていこうと
改めて思います。

講演の準備をしてくれた横浜支部の皆さんと
講師の先生には、感謝いたします。

本日は、SDGs関連のフォーラム(こちらは山の方)
にも参加しました。

続きは明日に。


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名作住宅に学ぶ 〜実際の空間を体験して〜

2022年03月28日 | 模型・実験・見学・講習・イベント


この春から、製図を教えることとなった学生さんは
一年生の時に、この名作住宅を見学し、
図面に描くという、演習プログラムを終えての
今回の履修となると伺い、

教える側もちゃんと見ておこうと、
その建築、前川國男の自邸がある(移築)
「東京江戸たてもの園」に足を運びました。





3月じゅうに行っておかなくては!
と、思い立った今日はなんと偶然にも
開館記念日だそうで、入館料(大人400円)が無料でした。



午前中に見てしまおうと、
朝早めに会場に入って、真っ先に見学して正解でした。

他の建物も見て回ったところ、
建物内に入る人数は、感染予防対策で制限されているものの、
お天気も良く、春休み。さらには、お花見の方もいらして、

どんどん入館者が増え、
人が入ってしまい、写真がうまく撮れません。

何でも早め行動は肝心と
実感しながらの見学となりました。



一緒に行った人(建築関係ではない)は、
15年前ほどに来たことがあるとかで、
その中でも、この前川國男の自邸の住まいは、
印象に残ったとの談。

その建築専門ではない人の感想はこちら。

「伝統的な日本家屋(茅葺屋根の家も展示あり)は、
中に入ると暗いけれど、
隣接した田園調布の洋館は窓が沢山あって明るいが
天井が低くて狭く感じる。

その点、ここは、吹き抜けで明るく。
他の天井の低い部屋も明るく感じるから
気に入っている」とのこと。

ふむふむ。

それを分析しますと、ですね。

隣接の洋館は、中身に装飾が多く
光の反射が違う。
家具も大きめで、圧迫感をもたらしている。

田園調布の家


田園調布の家


前川邸は、障子と白壁の仕上げによって
光を室内で拡散させているから明るい。

前川邸書斎


田園調布の洋館は、
日本人のスケールでの西洋の真似であり

敷地内のドイツの住まいを見てもわかるように
装飾がある場合には、天井が高くないといただけません。

ドイツ人建築家設計の住まい、レリーフのある室内


装飾の多い室内だが、天井が高いと苦にならない。

カフェとなっており、休憩。


この辺りは、本当にバランスだなと思いますね。
専門家ではなくても、感じるのですから。

前川邸では、装飾を排したシンプルな格子のデザイン。
木の仕上げに、白壁と木部の配置バランスも完璧だなと
思いましたね。(やはりこれは図面ではわからない部分ですね)

ダイニングテーブルは台形の天板


トイレもシンプルでモダン。


若い学生さんが、
ここを見て、「古いなぁー、山小屋みたいだな〜」
と、思ったか、

おしゃれな住まいを作る工務店の
建築士さんもこぞって真似る
前川建築の住まいの細やかな配慮や
ディテールを感じ取ったか、、、

授業で聞いてみたいと思います。

大きな出入り口開き戸。白い壁にミロの絵も映えます


外部の木部は根元が腐らないように、立ち上げてある。
仕上げもちゃんと洗い出し仕上げ。(今もよくやります)
こういった納めが残る所以かも。


有名な方のお屋敷や
伝統家屋も素晴らしかったけれど、

古くて新しい感じがするこの住まいが
やはり一番良いなと思ってしまいました。

子どもの時に故郷の公的な建築空間で、
天井高さと広さの関係の
バランスが、実に素晴らしいと感じていた前川建築。

公共施設ではなくても、
同じような手法であったことに、納得。

そして、故郷の前川建築の窓からの景色の取り入れ方
緑の取り込み方も、大好きでした。

この住まいにも、北側の大きな窓から柔らかい光を
取り入れていることや

北側外観


格子越しに入ってくる庭の緑を反射した光や、
大きな窓にはきちんと庇を出しているデザインも、
全て納得のいくものでした。



高さと広さのバランス感覚の大切さ。
そして、昨今の建築のつるっとしたガラス張りで、
暑いばかりの陽の入れ方ではなく、

人を不快にしない、
風景としての緑や光の取り込み方を
改めて、自分自身のテーマとしていこうと
思うのでした。

たまには、古典を振り返るのは大事ですね。

多くの名作住宅がすでにこの世にない中、
ありがとう。残ってくれて。


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名作住宅に学ぶ 〜図面の表現と時代に沿った思考を手繰る〜

2022年03月14日 | 模型・実験・見学・講習・イベント


週末、初心に戻り、住まいについて学んできました。

近くの受験の神様、湯島天神では、合格したお礼参りの方や
梅を拝観する人で賑わいを見せていました。
絵馬の数が半端なかったですね、笑。

国立近現代建築資料館にて『住まいの構想展』1940-1975 



戦後の復興に関わられ、
活躍された先輩方=建築家の大先生がたの
思考にじっくりと、触れてきました。

<今こそ、住まいが見直される時代>

with コロナ新生活様式など
この数年の巣ごもり事情で、住まい環境が
人々の関心の高いものと、なったのではないでしょうか。

住まい環境の安全性、衛生面も
かなり、その国の平和度、成熟度によるところが大きいと、
感染拡大の状況など、海外事情を
ニュース等で拝見し、つくつくと感じます。

さらに、先月から国外では、当人の罪なく
住まいを追われ、住まいが破壊され、
生活を脅かされている国があります。

災害国日本に住んでいても、
人の営みの最小限の単位が
住まいになるのだなと、改めて思います。

まともに考えれば、不安なことしかない昨今。
どうしよう?と慌てるのではなく、

住まいに関わるものとして、
これからの時代の暮らしについて、アレコレと
考えるための材料として、先輩方の図面から
大変にインスピレーションを受けてきました。

<本物に触れる、生(なま)図面のエネルギーの強さ>

東京という場所は、
多くの情報と、実際の名建築に触れることが
可能な場所です。

特に、平成24年に開設したここ国立近現代建築資料館」は、
建築を学ぶ者にとっては、大変に学びの多い場所である
と感じています。

学生時代、地方で、学んだものとしては、
生の図面を見るチャンスは、ほとんどなかったからです。

この資料館では、直筆の図面が観れるのですよ!
私にとっては、建築家の図面というのは、垂涎の的です。

入館無料、図録も無料で配布、文化庁の太っ腹(笑)。



もちろん、展示内容によるので、時代や設計者は
運営側のチョイスにはなるのですが。

最初に建築の製図を学ぶ際には、
学生さんは、名作建築をトレーする作業から入ります。

その思考、その表現、をなぞることで
設計者の意図を汲み取ります。

手は脳に直結しているので、
目だけではなく、身体から情報を入れることにもつながり
修行のまず一歩目です。

しかし、一つだけ、この作業が
つまらないと感じることがあるのは
設計図面が、自分の思考にそぐわなかったり、
良さが見出せない場合です。
その場合は、かなり苦行となります。

今回、コピーや既に清書済みではなく
この手書きの図面そのものを見たら、、、、
トレースの作図のやる気も変わっていたかもと、
ちょっと思いましたね。

図面の持つエネルギーが違っていました。
1本、1本の線から、ものすごい意図が発せられていました。

断面図に描き込まれた家族の暮らしの様子も。


<有事の際は、アイデァ、実験>

今回の展示内容が、1940年〜75年と
戦後の復興の住まいを、どう建築家が考えたのか?
という視点で、図面を拝見できました。

ふるさと熊本で地震、水害と災害を目の当たりにして
その課題も常に意識するようになり、

建築家たちが、実験的に建てたものを
白黒映像でも拝見できて、より実感が沸きました。

以前、来館した時よりも、たまたまかもしれませんが
見学は、若い方や女性が多く、
「住まい」にきっと関わっておられる実務者か
学生さんだろうなと思いながら、回りました。

学生時に、これが観れるとは、羨ましい〜
と思う反面。

この図面の迫力が、実務を経験したからこそ、
実感として感じる部分と

まだ、実践していない時に感じる部分は、
前者の方が大きいかもしれないと思いました。

大人になっても、いつでも、良いものに触れるのは
新鮮ということでしょうか。

歴代建築家の住まいに関する、思考や思想、実験、実践、
に触れて、大いに刺激されました。

私もじわじわとやってまいります!

これからのものづくりで、実務と、学びのバランスも
 上手に取っていきたいと改めて思う、春うららです。


追伸:

この資料館からの眺めもまさに
「住まいの歴史」が見える不思議な景色です。

手前から、伝統家屋、洋館(旧岩崎邸)、超高層マンション
が一堂に会し、時代が交錯する風景。



気になる展示会の際には
ぜひ一度、足を運んでみてください。
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左官壁の波動に触れて感動〜職人魂に感服〜

2022年01月31日 | 模型・実験・見学・講習・イベント


先週末、日本民家再生協会の仲間が
設計監理した住宅改修の現場にお邪魔しました。

<見事な左官の手仕事に感動>

「左官壁の見本市になっているからぜひ見に来て!」
ということでしたので、質感を確かめに行きました。

コロナ禍でも、杉にはウイルスを殺菌する効果も
研究で確かめられつつある昨今。

オープンな伝統家屋では
風通しも良く。見学会も問題ないと
判断してくださった依頼主さまには感謝!

写真も大きめで、ご紹介します。

今回の依頼は、住みてから直に大工さんに。
大工さんから、設計者に設計依頼が来たという流れのお仕事。

設計者本人曰く、
「図面に仕上を入れて見積もったら、とんでもない金額になる(笑)」
ほど、素晴らしい左官仕上げ。

左官も、住み手の直発注だからできる技。
仕上げの種類も、お任せに近いようでした。

生まれて初めて!?拝見したすごい仕上げが2つ。
「黒磨き」(炭入り漆喰)と、




「漆喰の研き仕上げ」
漆喰だけで、水を弾く仕上げになっています。


建築雑誌で、高級なホテルなどに
用いられている写真は見たことがあります。
民家でもできるんですね!

すごい技です。

泥だんごを丸めて磨くとピカピカになるのをご存知でしょうか。
イメージは、それに近いです。
とんでもなく手間と時間がかかりますね。

タダでさえ、フラットに仕上げるのは、凄技なのです。
さらに、磨いたり、つや消しの仕上げだったり。。。

「半田撫で斬り仕上げ」スサ入り
和紙のようなざらっとしたフラット仕上げ


白過ぎず、茶色過ぎず、美しい色でした。



私以外にも、再生協会の建築士の
お仲間が来ていましたが
皆、ため息が出るほど。

その美しさと、手間を想像して。
工事中にも見たかったなぁ。。。

石灰クリーム顔料入り仕上げ


土水捏ね仕上げ


二分抑え、光る壁(写真右にやや映る)


糊土(淡路土、海藻)


築50年というそのお宅には、
外壁の漆喰は当時のままだそう。
汚れを拭き取ったら綺麗に白い壁が蘇りました。



<若手職人を育てるのは、建て主?設計者?メディア?>

大工さんの技も其処彼処に。
あぁ、、、良い仕事をされています。

古梁を再利用して。丸ノコで、掘り出し美しい仕上げに。


こんな風に、若手が活躍できる場、住まい建築が
もっともっと、作られていかねば!と思うのでした。

伝統的なものづくりは、
設計者としては、理解あるクライアントさん探しと
手間を惜しまない職人さんとの出会いが必須です。

実は、もう一つ嬉しい出来事が!

設計事務所勤務時に、大変お世話になった
私の師匠との深い付き合いがある淡路の左官やさんの
息子さんにお会いできたのです。

メディアで取り上げられるほどの、日本の第一人者。
K氏。今回の左官が若手ホープのT氏の仕事とあって
仕上を見にこられたとか。

私が、今回一番感動した「黒磨き」をやったW氏は
K氏のもとで試行錯誤されたとか。

数少ない左官職人さんの見本市でもありました(笑)。



若手からベテランまで、職人さんが良い仕事を続けていくには

1.建て主の理解と懐と、
2.設計者のセンスとコミュニケーションと
3.メディアでの情報共有。

この3点が揃わないといけないなと
改めて思うのでした。

そして最も大事なこと、『時間を掛ける』非効率さ。

現代の時間の流れとは違う、ヒューマンな時の流れですね。

パタパタと組み上げるとか、
バタバタっと積み上げるとか
そういったものではなく、魂を込めて作り上げるもの。

それが、結果的には、長持ちして美しいものになるんだなぁ。。。

<まとめ、左官の良さ、凄さ>

実際に、見て、感じたことをまとめとして綴ります。

左官壁は、自然素材で出来ています。
土と、顔料(炭や鉱物)と、水と、糊も海糊。

1)環境面:何と言っても、自然素材!→ 地球に還る素材
2)継続性:部分補修ができる素材。
3)美的:色が優しい。目が疲れない。→ 落ち着く空間に。
4)機能面:呼吸するので、空気感が違う。→ 健康的に暮らせます。
5)目に見えない力がある:造り手の息吹が、魂が込められているので、波動が違う。

5)に関しては、柿本の実感です。

人間は無意識に、様々なものから波動を感じます。
敏感な方は、物や人の持つ波動を感じることができます。

最近体調を崩したので、よく分かります。

『人間の体は、物質としての身体よりも
先にエネルギー体(気の流れ)が病み、
振動(波動)が乱れると、病気になる』と、
ドイツの振動医学の本で読んだばかりでした。

なんとなく調子が悪い、が、
じわじわと、発熱やだるさを生みます。

波動の良い、人の身体に意地悪しない(笑)、
壁の仕上げの空間に住んでいたら、、、

精神も落ち着き、身体も和らぐだろう
ということが容易に想像できます。

波動などというと、量子力学の世界なので、
目には見えないのですが、「感じる」ことは
通常みなさんもされていることと思います。

私も、これから、
素敵な波動を出す、自然素材の左官壁、、、
もっともっと、使わせてももらいたいなぁと、実感しました。

学びの場、体幹の場を、ありがとうございました。
住み手の方、関わった方々に感謝です。

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北海道と北東北を巡る〜日本の住まいの源流を訪ねる旅03〜

2021年12月06日 | 模型・実験・見学・講習・イベント



本日は、先々週、続くと予告した「縄文文化」について綴ります。
先週は、別の話題をアップしてしまいました。ごめんなさい。

青森の三内丸山遺跡で出会った、木の建築!?群と
その暮らしぶりに、圧倒されたお話です。

九州生まれの私としては、
東北や北海道は、まるで別世界です。

特に東北の史跡は、ほとんど旅したことがありません。
数えるほどです。

三内丸山遺跡は、ぜひ行くべしと、様々な方から
伺ってきました。

せっかく関東に出てきたのに、
北へ行かないなんて、勿体ないと思いつつも
なかなかチャンスがありませんでした。

今回、日本民家再生協会のお仲間のおかげで実現。

紀元前3900年〜2200年の間
およそ1700年続いたと言われる
縄文文化の暮らしのあった土地。

今より、気温が3度ほど高く、縄文海進により、
海が今より近くにあり、魚が豊富で
山の幸と両方による豊かさがあったのだと
推察されています。

人々が、盛り土し、地形を形造ったこと
(地層の断面が見れます)


道も配置した集落であったこと。

大型の木造建築物に、竪穴式住戸、
そして、謎の列柱6本の跡地。



土木工事に高層建築!?

機械も電気もない時代に、
人力だけで行うことがどれだけ大変なことか!

きっと、人々の意識や思いが一つにならないと
こういった作業はできるはずもありません。

皆の位置疎通やコミュニケーション能力の高さ
力を合わせる協調性、、、

そういったことからも
平和であり、人々が仲良く暮らしていたのではないかと
想像されているのです。

様々なことが、まだまだ発掘調査中です。

この巨大な掘立柱の建造物を
どうやって作ったのか、全く不明ということ。

地面に穴を掘るのは、重力に逆らうことではないので
それなりにできると思います。

しかし、巨木の柱を持ち上げることができるのか?
ということです。

伐採して、運んで。。。と
そういったことは現代でも大変です。

どのようにして施工したのか、、、
ピラミド建設の謎ではありませんが
建築やとしては、やはりそこが気になります。

そして、用途ですよね?
何に使われていたのだろうか。。。
海からの船を見張るため?

展望台?
祭祀儀礼のため?
天との交信???

北にも、卑弥呼がいたのかも?
と、そんな説も出てきたのも
実際に拝見すると、うなずけます。

とにかく高い!

人が入ると、大きさがよく分かります。


発掘は、根元だけですから、(栗の木が炭化して残っている)



上部は、想像でしかなく、実際の建物はどうであったのか、、、、
アレコレ想像してみるのも楽しいものです。

ここで、ガイドの方の解説で驚いたことが、
実は縄文人にはスケール感覚があった!

列柱は、倍数で配置されているそう。
単位は、縄文人の肘から手までの長さではないかとのこと。

まぁ、そういう計算ができなければ
このような建築はできませんよね!

規則正しくすることが、美しさを生み出し
また、強度が増すという知恵を
しっかりと持っていたのでしょうか。。。

そこで、生活にも、秩序や、規律もあったのではないかと
私は想像しました。

そして、

現場監督さんもいたんだろうなぁ。
やはり高いところが得意な人だろうなぁ、、、笑。
などなど。

ここでの暮らしぶりは、
大きな身分差は、なかったようだとの解説。
 (装飾などから)

そういったことからも、
平和だったと想像されているようです。

大木造建築も。


内部の復元(元の方のふくげんは、想像も入る)


う〜む。いろいろと考えさせられました。

ここでの学びは

・建築づくりは、やはりスケールが基本ということ。
・そして、平和な暮らしは大きな格差がないこと!
・協力体制と協調性を持ち合わせていた人々。

それにしても、とても気持ちの良い場所でした。

お墓もたくさんあるそうですが、
埋葬の仕方にも縄文人の思想が反映されているとか

その埋葬の仕方に、子どもをとても大事にしたであろうと
見受けられるとか。。。。

考古学の世界は、科学的でありつつ、なぞも多いので
私たちの希望的な憶測も入っているのかもしれませんが

何より、日本に住み着いた我が祖国のご先祖たち。。。
平和な国民であったに違いありません!(思いも込めて)

博物館で、出会った板状土偶。
(岩削って作られた「岩偶」というのも初めて知りました。)




建築に話を戻します。

石、土、木、、これらの自然にあった素材を用いて
工夫しながら、住まい建築をつくり
気候風土を生かし、気候風土に耐えて、
今の私たちの建築があるということに、
しみじみとした感慨を覚えます。

今の現代社会のコンクリート建築の歴史など、浅い浅い!?
よく言われるのが、コンクリート建築よりも木の建築の方が
実際に長く、現代までに残っているということです。

ICT活用や、オンライン利用、
バーチャルリアリテイの世界が
どんどん加速している一方、

土着的な暮らしや、
自然との関わりのある暮らしは
これから、どのようになっていくのか。。。。

世界は、この2年間で、非常に揺らぎましたし、
方向性は誰にも定められません。

しかしながら、
やはり学びながら、考え続けて、
模索していくしかないのだろうなと、
縄文人の知恵と努力に接して、深く、心に刻むのでした。

私のこれからの生き方(行き方)にも
大いにヒントをもらった旅でした。

本日は、アイヌ文化に触れた感動もまとめよう
と思っていたのですが
長くなりました。

また次回に続けます。
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