先週から、熊本に戻っています。
早速、現場監理に伺ったところ、
おかげさまで、現場も順調に進んでおりました。
棟札も、納まり、制振ダンパーも設置されました。
↓左の金属が一般の金物、右が制振ダンパー
大工さんはじめ、工務店さんには感謝です。
工事の進捗は、こちらにアップしました。
http://www.mk-ds.jp/newworks/2018/09/20189-02.html
先週に続き、三連休、皆様いかがお過ごしだったでしょうか。
私はというと、研修が続く秋です。
週末、泊りがけで、熊本県建築士会の主催する
ヘリテージマネージャー(=歴史文化遺産保全活用推進員)、
人吉大会に参加して来ました。
神社の階段の段数は7段、初七日を表すとか、7という数字は、彼岸花の花弁の数、
7の倍数が供養の日、四十九日など。豆知識も教えていただく。
球磨地方といえば、
五木村の葉枯らし木材でお世話になっています。
人吉はというと、水戸岡デザイン車両に乗るべく、
くま鉄を利用したことはありましたが、
じっくりと建築巡りを出来ていませんでした。
今回、人吉支部の方が、「相良三十三観音巡り」一斉開帳に合わせて
バスツアーを企画くださり、
茅葺き屋根の神社を巡らせていただくと同時に、
国宝でありつつ、地域で維持されてきたお宝である観音像を
拝ませていただきました。
茅葺き屋根の神社は、高いもので、
最高12Mとビル3~4階立てに相当します。
長いもので700年以上前の建立。
構造材は、スギ。
分厚い、茅葺きの屋根に守られた木製の観音像。
建築も、お宝も、
そして、地域の方の開帳時のお接待も見事でした。
右の像は、右足が浮いているポーズ
左の像は、左足膝が曲がっているポーズ
躍動感のある木彫りであることが、解説されてよくわ分かりました。
研修では
人吉市の歴史文化課からは、日本遺産(ジャパン ヘリテージ)の取り組み
のお話を伺い、地域の有志によるまちづくりの活動の発表などもあり、
建築と、ひとと、まちがつながる様子、
活動の展開と、課題が浮き彫りにされ
我々建築士の役割と方向性については、
焼酎を酌み交わしながら、話ました。
酒蔵で伺った話から
焼酎文化が、蔵元の多さと種類の多さは、実は
相良700年の当地で、隠れ里として育まれた地域の
賜物であったことが、よく理解できました。
麹を発酵させる場所は、湿気に強い栗の木の天井に断熱材は籾殻だそう。
木製建具も再び栗の木で新設。
駅舎関連の木造建築をレストランに改築した場所での
ランチは、借景が汽車の走行でした。
人参のムースと鹿のゼラチンが絶品のシェフの前菜。
鹿のツノに見立てた葉の演出がにくい。
知識と交流で、脳が満足、
地域のご馳走とお酒で舌と喉が潤い、身体が満足
温泉で疲労回復し、
緑豊かな田園の景色と、球磨川の清涼に触れ
癒されたことで、心のゆとりうまれた研修でした。
プログラム以外にも、駅前の散策で歴史的街並みや
西南戦争の爪痕などを見てまわり、建築と歴史、文化が
切り離せないことを、じっくりと味わいました。
武家屋敷のとこの棚は、打ち首の血が滴ってくるため、テーパーが付いていたの解説。
矢印部分
「世界遺産」に対抗して、「世間遺産」(造語)の現存する木造公衆浴場。
こちらの利用は、次回来た時ですね。
「日本遺産」として、地域おこしを頑張っている
人吉球磨地方を応援したい気持ちが増したと同時に
ふるさと熊本に
このような素晴らしい場所が多く残っていることを
誇りに思う旅でした。
行きのSLでは、お向かいの席に
素敵なご夫婦が同乗されていました。
東京から再度人吉を訪ねてくださったそうです。
ありがたいですね。
SLも帰りに乗車した「かわせみやませみ号」も満席
乗り物の効果も絶大だと感じた次第です。
今回、主催、ご準備くださった建築士や
関係者の皆様には感謝です。
私も日本の建築文化を引き継ぐことに一役買えるよう
学びつつ、実践して参ります。
来年は、阿蘇地方で開催しよう!ということになりました。
また、お仲間に入れていただけたら幸いです。
ブログを最後まで読んでいただき、ありがとうございます。