せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

壁に向うデザイン

2007年03月31日 | デザイン

今月始め、大手ゼネコンの技術センターの見学で、最新技術の紹介を受けた。様々な提案の中、採用してみたいと思ったものがあった。ハニカム構造を利用した壁に埋め込む薄型スピーカーだ。0703311
意匠的には設備機器はなるべく表に出て来ないで欲しいという設計者の本音の部分をくすぐられる商品だった。法的な部分、コスト面などのクリアはこれからのようだが、施設の壁には実際に埋め込まれており、仕上げは他の壁と同じ、近づくと音が聞こえるという存在感のないクールなものだった。0703312
深沢直人氏がギャラリートークの中で、生活で毎日使っているもののデザインの話をされた時、携帯電話と薄型TVの例をとって「身体の方に寄っていくものと壁に近寄っていくものがある」と方向性を示されたが、まさにその壁に向っていく例として、ここまで来たかぁ、、という感想を持った。

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子どもたちへ伝えたいこと

2007年03月24日 | 子ども・環境

今日は子どもの生活環境部会の一年の活動報告会を開催した。部会のメンバーに加え、他の建築士会から同じような子ども向けの建築、住教育活動を行っている方々、学校の先生、個人で活動されている方などゲストを迎え、波止場会館から横浜の大桟橋を眺めながら、交流が広がった。それぞれの想いや悩みなどを伝え合い、子ども達を取り巻く環境についての考察に加え、問題点やこれからの課題が共有出来たかなと思う。
先生からは「エアコンなどスイッチ一つで寒い熱いが改善される生活に慣れた子ども達に、住まいの快適さとは何かということを伝えるのが非常に難しい」という問題提起を頂き「建築や住まいの教育をしてこなかったことが、現代の偽装問題や住宅購入に繋がっている」「地域によって住教育活動への受け入れが様々に違う」「ワークショップをやるのはいいが、ゴミが出てしまい環境教育へつなげるには工夫が必要」など、日頃私たちが考えている問題点、話し合っている内容と同じような発言が相次ぎ、同じ意識の方々が多方面で活躍されている様子に、心強さを感じ、そしてまた励みにもなった。
私個人の実現したい想いは子ども達に遊びを通じて、環境、建築、住まいなど、考えるきっかけをつくり、個人の勉強というより皆と学ぶ場というものを提供したいということである。最終的には建築学を義務教育に加えるべきではないかと思っている。ヨーロッパの秩序ある美しいまち並みは、新しい建築の建設されにくさに担っている側面が強い。それは住民が建築を学んでおり、意見が言える知識があるからである。日本人が地域の建築をどれだけの人が語れるであろうか。私たち専門家でも実はそう言った教育は受ける機会が少なく、意識にも個人差が大きい。
もちろん、古くさい街よりカオス的なアジアのまち並みにエネルギーや生命力を感じるという意見もある。何が良いか悪いかといった区別ではなく、「自分で考える問題である」という意識が根付けば経済ベースで成り立っている日本の混乱したまち並みや環境も改善されると思うのある。また、芸術の側面と思われがちな「美しさ」や「デザイン」についても実生活に置いてどういうものなのか、消費するだけではなく意識して生活する住み手が増えると嬉しいと思っている。

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春のインテリア

2007年03月22日 | 季節感のある暮らし

春分の日を迎え、インテリアを簡単に春バージョンに。吹抜け部分に、蝶のモビールを吊るす。部屋の中に入る陽射しの暖かさを肌で感じながら、窓を開けることも多くなると、自然に風でゆらゆら、室内にいても春気分を演出。
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(このチョウチョウは子どもが触ったりなめたりしても大丈夫な木と自然塗料で出来たもの)

もう一つは、ファブリック。テーブルクロスを変えて気分もリフレッシュ。百貨店や専門店で買うと意外と高価な大判のテーブルクロス。生地屋さんで気に入ったものを四周直線縫いするだけで素敵なものが出来る。
Photo_1 簡単な割に雰囲気が変えられるのでお薦め。金額も1000円~2000円くらいで出来てしまう。なんと言っても汚してもジャブジャブ洗濯出来るのが魅力。飾って気取った食事をするのではなく、生活の中で汚してもOKなところが快適さにも。
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(大柄の花のモチーフの布を見付けた。1時間もあれば完成)

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高齢者疑似体験

2007年03月16日 | まちづくり

先週の福祉のまちづくり研修3日目は、視覚障害者、聴覚障害者の方に実際の生活の上での問題点、まちでの体験で困ったことなどのお話を聞く貴重な機会だった。設計者として、点字ブロックの良さ悪さや、案内、緊急時の連絡の取り方など、もう少しの工夫が欲しいという切実な声に見直しの必要性を強く感じた。

また介助体験もあり、障害のある方の思いを理解することは当事者でなければ到底無理であろうが、経験することで少しは寄り添えるかもしれないと、小さな希望のようなものを感じた。まちで見かける杖をついて歩いている視角障害者の方には積極的に声掛けが必要だったことも実は恥ずかしながら知らなかった。

高齢者の疑似体験は、プロテクターのような装置を付けるもので、視界の狭さ、かすみ、手足の不自由さ、腰を曲げたままので歩行など、その困難さを体験。機能的側面だけでなく、心理的不安、恐怖感といったものも味わえるという代物。
070307_1 立ち上がる動作一つ難儀なので「よこいしょ」「どっこいしょ」のかけ声が思わず漏れてしまう。
体験者も増えているのであろうが、参加者は福祉関係の設計をしている方も多く、経験済の方もいらしたが、やはり百聞は一見にしかずということを実感した。

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生活の中のデザイン

2007年03月04日 | デザイン

柳宗理ー生活の中のデザインー展に足を運んだ。
展示では、残念ながら手に取ったり座ったり使ってみられないので、使うことによってじわっと広がるそのデザインの良さは、展示会では半減してしまうと感じた。

最初の出会いは、早くお湯が沸くやかん、そしてカトラリー、フライパン、、、と生活の中で愛用させてもらっている柳宗理デザイン。工業製品なのにどれも優しい温かみを持っている。そのキュートさはどこから生まれてくるのかいつも不思議に思いながら、料理を楽しんでいる。

赤ちゃんを授かった時、初めての離乳食づくりに小さい鍋を買い足した。これが大正解。歯がはえそろわない乳児のための食事は柔らかくしたり、すりつぶしたり、煮込んだりちょっと面倒。大人とは料理のし方も味付けも違うので、小さいお鍋があると便利、という料理家のアドバイスを育児書で読み、小さいお鍋を探して廻った。
蓋付きでステンレス製で炒め物も煮物も出来るものを、と求めたがなかなか小さい物がない。
結局、最後の砦にしておいた宗理のお鍋に行き着いた。これまでの愛用の蓋付きフライパンと並べるとまるで親子。思わず微笑んでしまう。この、何だかクスッとしてしまうのがデザインの魅力で、生活を豊かにしてくれるなぁと感謝の気持ちも生まれてくる。
070304離乳食が終わった今でも、ゆで卵、お肉の湯通し、子ども用カレーづくりなどに大活躍。その大きさ、重さ、深さ、それらが本当に使い回しの効くサイズなのに感心。料理しながらデザインのセンスも学べる柳宗理調理器具はとってもお得。


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