せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

龍三昧の新年(西暦で)スタート

2024年01月15日 | 日本民家再生協会・伝統建築・造園


神社建築や日本の歴史、地域の歴史を知ることにもなる
ミニ旅。それは、七福神巡りです。

仏教や、神道、
そして、日本人の信仰心などを垣間見ることにもなります。

年始には、各地域で、ご開帳がなされていていることを知り。
七福神を巡る旅を、お正月に友人と始めて3年目。

毎年、健康と、家族の幸せと、世界の平和を願い、
そして、互いの人生の挑戦を、誓う旅でもあります。

今年は、鎌倉を巡りました。



龍に因むパワースポととして有名な
江ノ島の神社(龍宮大神)は、その一つなのですが、
今年は辰年でさらに混むことが予想され、日の出と共に出発。

朝一番での到着のおかげで、周りに人がおらず、
しっかりと、気を合わせることが出来ました。


お互いに、神奈川に居ながら、江ノ島に行くのは始めて。
(デートスポットだからでしょうか、笑)

色々な発見があり、楽しめました。

元気で巡れる分、社会貢献をしっかりしていこう!
と、自分の欲望のためだけではなく、

家庭生活と仕事の両立を頑張っている
友人とだからこそ、祈る気持ちにも、感謝が籠もります。

神社の彫り物には、たいてい龍神様が彫られていますが
今年は、西暦新年から龍三昧だなぁと思います。

長谷寺の木魚は、龍の彫刻が立派

晴天に恵まれ、梅もちらほら咲き始めていました。

先の長野旅では、北斎の描いた龍や、ちなんだ龍のお酒、
(応龍、美味しかった)や、山車の彫刻に至るまで、

龍、龍、龍、、、。


左上が應龍(北斎美術館にて)


お酒のラベルも応龍


北斎の絵をもとに作られた応龍

これは、頑張って上り詰めなさいよ!ってことでしょうか。
ははは、、。

せっかくの龍とのご縁を、活かして参りましょう。

今年も、皆様にとって、
よき運気の上昇がありますように。。。

追記:

長野旅では、北斎の鳳凰の天井画で有名な岩松院も良かったのですが
(撮影不可)
https://www.gansho-in.or.jp/

古刹、浄光寺の薬師堂が見事でした。
https://www.jyokoji.jp/index.php/yakushido

そこに至るまでの石段も。


友人が後ろ姿をパチリ。

古いものは、ちょっと苦手という方も、
きっとそのうちに、馴染んできますよ〜
年齢と共に、多分。
(かくいう私も、古建築が苦手だった一人)

社会での色々な、人との関わりや、状況への対処、
経験を積めば積むほど、こういった神聖な場所が
必要になってくるのかもしれません。

心を整えて、今年も様々なことに、取り組みます!
みなさまも、お疲れが出た時は、温泉か神社やお寺さんですぞ(笑)

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土壁の可能性に触れる旅 in 新春の長野

2024年01月08日 | 日本民家再生協会・伝統建築・造園

松代の真田邸、外観

鬼瓦は真田の家紋、六文銭、
ガイドブックには、六連銭(むつれんせん)とありました。

昨年から決まっていた建築関係のお仲間との
土壁を巡る長野ツアー。

年初の能登地震のこともあり、
メンバーには、躊躇される方もいました。

もちろん、能登地方の被災地への支援にも行きたいところですが、
まだ、私たち建築士が入れる状況ではないと判断し、
話し合った結果、予定通り出かけることに。

行き先は、2019年10月の台風19号の千曲川氾濫で
被災された長野の民家。
民家再生の仲間が関わっている修復現場です。

そこの工事の進捗を確認するとともに、
試作の蓄熱ストーブを体感するのが、一番の目的。

左官で作られた蓄熱ストーブ

住みながらの修復で、住み手の方のご都合もあり
予定をずらさない方が良いとの判断でした。

寒い時でないと、体感にも意味がないかなぁということもあり、
この時期に、伺いました。

結果は、本当に伺って良かったと思います。
百聞は一見に如かず、というのは、まさにこのこと!

左官のストーブについては、製作者からのメール文で、
色々と説明は読んでいたのですが、
具体的なイメージができておりませんでした。

それが、実際に触れると、その素晴らしさがよく分かります。

まずは、早めの到着で、
松代の真田邸や土蔵の壁をめぐり、
小布施の高井鴻山記念館や、土壁の残る街並み散策。



とにかく、土壁三昧の旅でした!

まさに、自分の中で、土の活かし方の手法や、
伝統家屋の技の知識が、少しづつ増えていくのには、
仲間に感謝するしかありません!

1)松代の土壁のままの蔵に見る美学

「土壁が、仕上げではないというのは、これで否定できる」
と、一緒に行った今回の蓄熱ストーブのデザイナー。

つまり、漆喰でなくても完成であり、
むしろその仕上げを美徳とする
真田家の質実剛健さが垣間見れるのでした。


軒先の野地板を隠す左官の仕上げ。雨風から木部を守る工夫。
こんなデザインは、九州では見たことがありません!

松代では、文武学校の建築の木構造に魅せられ、
組み方や、釘の納め方、改修工事の仕方まで、
意見交換し、おおらかで厳かな空間の持つ力を味わいました。


2)蓄熱ストーブは、古民家の救世主!?

住み手は、寒い地域ということもあり、
いくつかの薪ストーブを試してこられていました。
海外のものも含めて。

その方が、この火の感じは、とっても良いのだそう。
火の着き方、保ち方や、炭の出き方など。。。

この試作品第二号の、左官で出来た薪ストーブは、
土なので、鉄製のそれとは違い、ストーブそのものが温まり、
夜は、火を焚べなくても、蓄熱で暖かいというものです。


私の感じた特徴は、、、

1)フォルムが、有機的で、大きさの割に可愛らしさを感じる。
2)内部は、加熱された空気が循環する特別な構造になっている。
3)土の持つ温かみのある色が、冬はもちろん、夏にその場にあっても違和感なし。

住み手曰く、「この暖かさは、寒い古民家の救世主になる!」
とのこと。

大きさから、天井の高い空間に合いそう。
宿泊施設のラウンジやホールにイケるなぁ。。。
と、想像が膨らみます。

ネーミングは、募集中のとことでした。
この辰年に売り出すなら、『龍の卵!?』

大きな楕円形のダチョウの卵より大きく、
火の上昇気流を考えると、まるで龍のよう。

左官のひび割れも、卵の日々と思えば愛嬌か、、、。
などなど、考える楽しみもありますね。

3)蛍壁は、プラネタリウム!?

写真では、自然素材は、本当にその良さが
なかなか映らないなぁといつも思いますが、
(プロのカメラなら別でしょうけれど)



土壁の下の材料の上に、補修した土壁仕上げ材と相まって、
てんてん模様が発生。蛍壁に!

暗い蔵に入った瞬間。ここは、プラネタリウム!?
と錯覚するほど、その点々のまばゆいこと。

光にあたって、表情を変えるところも、
面白い。本当に、土壁の魅力は尽きませんね。

現地は、まだまだ、被災した箇所の修復が終わっていないところも多く、
それでも、事業再建、生活再建を試みられているご家族の皆様には
本当に、頭が下がります。

寒い中での、片付けに、補修工事にと、
ご苦労も大きかったことと思います。

これからも、研鑽しながら、自然素材を活かした
建築のモノづくりにチャレンジしていこうと、
勇気と情熱が湧く、長野旅となりました。

古刹や北斎美術館も巡りました。
次回以降に、綴ります。

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台風災害を乗り越えて、残る民家、残る建築。

2019年10月14日 | 日本民家再生協会・伝統建築・造園


台風19号の被害に遭われた方、
今まさに遭遇されておられる方には
心より、お見舞い申し上げます。

日本の自然災害は、多くの洪水に
古代の時から悩まされて参りました。
(古事記の神話に出てくるヤマタノオロチなど)

ダムの建設や、堤防の造成など、
風景や自然の破壊と引き換えの治水の努力も行われてきました。

それでも、こうして、台風被害による川の氾濫の
現実には、言葉もありません。

私たちは、『自然との共生』とは、
簡単には言えないのです。

自然には、災害も含むからです。

こうした災害には、共助と備えを持って、
対処していくしかないでしょうか。。。。

その土地から離れられない農業さんや
または台風15号で浸水被害を受けた
横浜のように工業地帯など、

土地が「働く場」の場合は、
移動すれば良いという問題でもありません。

被害を最小限に抑えつつ、
皆で助けあいながら再建し、
そしてまた、次に備える。

この繰り返しなのかもしれません。

偶然にも台風の待機時に読んだ書籍に
日本人のリスク回避の知恵は、
神話にありと(先のブログ参照)書かれてありました。
そのための神社、祭祀であったと。

先代の知恵に学びつつ、自然災害と共存
しながら、生きながらえてきた日本人の
我慢強さなのかもしれません。

その中で、建築屋としての自分自身の役割は
何だろうかと考えていました。

ちょうど、この3連休に触れた建物で、
その考えがはっきりとして参りました。

災害に耐えつつ、
復旧しやすさの住まいを創っていくということです。

これまで、雨戸というものは、
建主さんからの要求がなければ
設計してきていません。火事などの避難時には、
障害になるかもしれないからです。
(出られるシャッターも、もちろんありますが)

それから、見た目と素材が、、、美しいと思えないからです。

それでも、こうして台風被害を目の当たりにすると
ガラスの強度を上げる、フィルムを貼るだけでは
対処できない気候変動期に入ったのかもしれないと思うのです。

台風通過後に訪ねた建築は、江戸期に建てられたそうです。
昭和の増築部分も合わせて、
古民家レストランに生まれ変わっていました。
オープンして、10ヶ月。



家族の記念日に、伺わせてもらいました。
私の再生現場の勉強も兼ねています、笑。

先の15号台風では、瓦も飛んだそうです。
修復し、営業再開。

そう、日本家屋は修復可能なのが良いところなのです。

被害はどうしても起きます。

これがコンクリート建築だと、雨漏れの原因はよく分からず
壊す方向に行ってしまうのがほとんどです。

案内くださった方の話では、雨戸が付いているので
大正時代のガラスも守られたとのこと。(トップの写真)

雨戸のないところは、
自分たちで、ベニヤで覆ったそうです。

場所は、古都鎌倉なので、武家屋敷?
と想像しそうですが
ここは、地元の地主さんの民家。

↓杉丸太が4間とばす広縁、こういう部分につい目がいきます。

代々が、手入れされながら住み継いで来られたそう。

蔵は、宿泊施設にもリニューアル。
メゾネット空間がラグジュアリーです。
(最近はそういう表現みたいです)

↓お蔵から出てきた棚を家具に再利用だそう。


こちらに伺って、
雨戸、もしくは防風対策をちゃんと取り入れていかねばと
心に決めました。

これまで、私たちの設計基準は、
500年に一度の大型台風に備えるのは、
建築基準法よりとても高い性能です。

それが、私が生きている間に、
すでに、そのクラスの台風が、日本列島を度々、襲っています。

もう、当たり前に災害が来るという時代感覚で
備えなくてはならない時だと、はっきりと感じました。

もう、迷いはありません。
命を守るのが建築の使命でもありますから。

格好悪いとか、費用がもったいないとか、言ってられません。
そして、単純に雨戸があれば良いというものでもないと考えます。

雨戸だって、飛んでいくかもしれないのですから、
既製品は、軽い、アルミですから。

予算の範囲で、できるだけの備えをしていく
住まいづくり、、、そこですね。

蓄電池も当たり前に、住まいに欲しいです。
今、私のオススメのセットは200万円くらいです。
ちょっと、まだ手が出にくい価格です。

開発と普及を望みます。

ユーザーさんには、今あるベストをお伝えし、
一緒に対策をチョイスしていけたらと思います。

これからも、ユーザーのみなさん、施工者のみなさん
同じ方向に向いて、意匠よりもまずは、機能優先の
住まいづくり建築づくりをして参ります!

専門外ではありますが、
生活に直結るので、補足で書きますと

治水対策の土木部分に関しては、
コンクリートで固めるだけの時代も
もう終わったと思っています。

建築の分野で木の住まいの完成形が、
確立できたら、その後は、
まちづくりや自然との共存共栄の方法も
ライフワークとしていきたい所存です。

目の前のできるところから取り組むことが
最終的には、世の全体の力になると信じて!

追伸:
古くからの由緒ある神社は、
災害時の避難場所に適しているところが多いそうです。

近くの神社も訪ねました。

奥の権現様の祀られている洞穴は、、、ちょうど人の高さ。
もしかしたら、災害時の逃げ場所だった!?
とまで想像してしまいました。(写真は撮りそびれました)



これからは、神社をそんな視点でも観察していきたいと思います。


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名建築は強い想いから生まれる 〜本物の材料と本物の技に魅せられて〜

2019年09月30日 | 日本民家再生協会・伝統建築・造園


先週末は、日本民家再生協会の
技術部会主催の左官の勉強会でした。

建物の2階特別見学に合わせて、
埼玉県の遠山記念館にて
左官の種類、技法を学びました。

 公益財団法人遠山記念館HPはこちら https://www.e-kinenkan.com/

1)本物の凄さ

旧遠山家住宅は、昨年、国の重要文化財に指定されたとのこと。
これまで、ほとんど改修も改築工事も行って来なかったという
驚きに美しさです。

ただし、茅葺き屋根は20年に1回の取り換え工事を
行っているそうです。

昭和11年の竣工。戦前の建物。

本物の材料で、本物の技法だとここまでキープできるものなのか!
と、感嘆するばかり。

建具といい、木材といい、最高級です。
そして、日本の匠の手技には、目を見張りました。

地盤も改良も、土の入れ替えなど、
造成工事に半年はかけたというだけあって
地震被害もほとんどありません。

東日本の3.11地震の時は、
漆喰や聚楽壁の砂が落ちたようですが、そ
れも、落ちたものを集めて、再利用して修復済みでした。

下手に、手を加えると、違いが出てしまうらしく
そういったやむにやまれない場合のみ、修復されているとのこと。

見学時も、経年変化で、壁の角などが剥がれていたり、
色あせたりしているところなどありました。
それも味わいと、かえって、建築に深みを出しています。

2)左官の見本市

この建物の、左官の種類の多さ、技法の多さは
左官のプロを唸らせるほどです。

ここの「大津磨き壁」を見て、私も知る左官の第一人者が
復刻を呼びかけ、10年ほど前に、やっと復刻した技法だそうです。

今回の講師の一人は、その復刻した親方です。
素晴らしい探求精神ですね。

いろいろな細かい手業や下地のことなども解説頂き
設計者も知らないことばかりで、
その技法の世界への視野を広げてくれました。

ザクロ石(ガーネット宝石)いりの赤壁(本霞)、
キラキラです。



黄味がかった大津壁の磨き、優しい艶です。



トイレ手洗いの朱赤大津壁磨き、気分が高揚します。



こちらのトイレは明るくグリーンに。顔料を混ぜたのではないか?
の解説。


下地を浮かび上がらせる床の間の左官
色合いが淡いグラデーションに。



などなど、左官の見本市のような茶室群。
思わず、溜息も漏れます。

醤油を混ぜてわざと錆びさせ
下地の色を浮かせた
まるで、ホタルが飛んでいるかのような
ホタル壁など、遊び心も満載。



職方達も部屋毎に違い、
技を競ったようです。職人魂の息使いを感じるほどでした。

3)名建築が生まれる背景

このような名建築が生まれるのは、
どういった背景があるのかも気になりますね。

↓細い竹細工の技巧


当然、お金のある、センスのある、
建主がいて初めて成り立つ建築のものづくり。

この建主は、日興証券を起こした遠山元一氏。
幼い頃に手放した実家の再興を図ったというものでした。

そう、ここは、苦労した母のための家なのです。
(使用人10人ほどと母が暮らしたそう)

建主は、奉公から始まり、事業を起こし
そして、亡き家の再興。

きっとその再興への強い想いが原動力にもなり
成功への道へ突き進まれたのではないでしょうか。

ここには、原風景に本物の木の家と暮らしの体験があったからこそ
資産家になっても、華美で派手なものではなく、

日本の風景である民家と
書院造りや数奇屋づくりに
こだわられたのではないかと想像します。

本物を知る人だったのでしょうね。

現場監理は忙しい兄に変わって、センスの良い弟さんがなさったとか。
兄弟でタッグを組まれたものづくりも、美しい物語ですね。

学んだ日本の粋を、いつか自分の設計にも
活かせるチャンスが訪れますように。。。

同じく伝統的な建物にも携わる建築関係者と、
そんな夢の話もしながらの帰路でした。

このたびは、詳しく、解説下さった講師の方、
企画を立ち上げて、まとめて下さった仲間のみなさんには、感謝です。

ありがとうございました。
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うきは、朝倉、桜旅01_伝統的建物はどうやって新築する?

2019年04月01日 | 日本民家再生協会・伝統建築・造園


週末は、日本民家再生協会の勉強会
「九州の民家塾」に参加しました。

ちょうどお花見シーズンと重なり、
道中が渋滞の福岡うきは市吉井町付近。

私自身、九州出身とはいえ、福岡に明るくはなく、
こんなに素敵な桜の名所とは知らずに訪れ、
駐車場待ちで、車の中に閉じ込められる事態に、笑。

見学会開始の、1時間到着予定で
お昼は現地でゆっくりと思っていた予定も狂い、

このまま午後の見学会参加と、諦めていたら
駐車場の片隅販売で、黒スミ食パンの「タモサンド」が残っており、
お花見立ち食いランチとなりました。

一瞬、サンドイッチに見えずに、戸惑いましたが、
なんでも、タモリさんは、奥様が「うきは」ご出身の縁で
うきは市の「ふるさと大使」を務めているそう。

タレントのタモリさんをモチーフにしたのが、
特製サンドイッチ「タモサンド」なんだとか。

ごめんなさい。写真はありません。
現物はお腹に入ってしまいました。

とにかく、そういう地元ネタに疎いので、何事も新鮮です。

お目当の、桜の先に見える焼杉の建築は大迫力。



見学会会場は、福島から移転してきた店舗の工場兼事務所棟。
伝統的建物で新築ということで、大変興味深く、訪問しました。



基礎は金物も使われており、ボード系の壁倍率も利用。
耐震設計も許容応力度計算。一部鉄骨のところもありました。

やはり、新築となると、
ずべて伝統的なものしか使わないというのは
難しいと理解したのでした。

見えている木組み部分は、混み栓があったり、
太い上り梁や頬杖は、
木を表しで使う伝統的な空間の迫力をそのままに
現代の材料、ガラスや金属の要素も加わり、
新鮮な印象です。



温熱環境は、暖房が屋根の集熱による床下空調とマキストーブだそう。
冷房はエアコンの組み合わせ。ガラスも、事務所らしく、
多くの部分が、開閉できないFIX。



快適性を求めたら、全てを自然エネルギーに頼る訳にはいきません。

それを最小限にする試みを目指している身としては、
大先輩の建築でも、やはりそうせざるを得ないのが現状と知り
少し、ほっとするのでした。

関東で勉強させてもらっている温熱環境の第一人者
エクセルギーの宿谷先生が、この春、九州にも教えに来てくださるのだそう。

へぇ。と少々の驚き。
東京の大学を退官なさり、身が自由になられたのかしら。

日本民家再生協会の方は、
新築を作られる場合、必ず温熱環境を考えられます。
その点が、本当に嬉しいですね。

もちらん、私も風と太陽と水と木と土と、
入れられる自然要素を第一に、
輻射熱の環境づくりは、提案しつつ、予算の許す限り(笑)採用します。

この協会のお仲間、先輩方は、
最初に形のデザイン優先ではないところも、気に入っています。
だから学びに来るのですが。

奇抜なこと、変わったことを追い求めるのではなく
本質や本物の追及やこだわりを優先されていると感じます。

私自身も、まずは、空気のデザイン、環境のデザイン、
目に見えない部分のデザインが、本当はとっても大事と
経験で学んできました。

伝統的古民家は、最も優れる環境建築なので、
そういうものを学ぶと、自然と設計がそういう流れになるのか

温熱環境や自然環境を考える方が、伝統家屋に関わられるのか
どちらなのかなぁ。。。

鶏と卵の話になりますね、笑。
私は、結果的に後者です。

学びながら、自分のものづくりの方向性や
大事にするポイントを振り返るブログとなりました。

長くなりました。今日のところは「うきは」
「朝倉」の話、続きは次回に!
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